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第四世代
彗編 親心
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ドーベルマンMPM十六号機である<ドウ>は、先にも触れたとおり、夷嶽戦の際に破壊された機体四機を寄せ集めて再建された<四個一機体>なわけだが、それによる不具合は一切ない。同時に、アップデートも順次行われて性能そのものは向上している。隠密性についてもそれだけ繊細な制御が行えるようになっているという証拠だな。
これは、夷嶽戦も牙斬戦も無事にくぐり抜け、基本的にオリジナルの状態を保ちつつ同様のアップデートも行われているドーベルマンMPM十九号機とも、性能的には、少なくとも数値上ではまったく差異がないんだ。
にも拘らずドウはキャサリンに気に入られて行動を共にするようになり、対して十九号機はなぜか彼女に嫌われて、見掛ける度に襲われたりもした。
ロボットなので襲われたところで問題ないし、そもそも人間に対しては彼女は攻撃的じゃないからそれはいいものの、この<差異>はどこからくるものなのかはまったく分かっていない。外見上の差異も、機体各所に小さくペイントされた機体ナンバー以外には違いはないはずなんだがな。加えて<個性>も基本的にはないはずなんだ。
その十九号機は、今、ビアンカの随伴機として護衛に当たっている。キャサリンに万が一のことがあった時に援護するための狙撃に集中しているビアンカを守るのが役目だった。
それと同時に、ドウとリンクし、ドウから送られてくる情報も受信している。キャサリンの状況をより詳細に把握するためだな。
これは、現在、ビアンカが構えているライフルを支えているグレイも同じ。こういう形で並行処理することでより一層有機的な連携が可能になってるんだ。
その十九号機がわずかに動く。その理由がグレイにも伝わっている。
「キャサリンの背後にオオカミ竜が接近しています。五時方向、二十四メートル。単独のようです」
十六号機から受信した情報を音声でビアンカに伝達。
「了解……!」
ビアンカは小さく声を発して応え、キャサリンの後方五時方向に当たる位置にライフルを向けた。するとそこに、草の陰に隠れてはいるものの確かにオオカミ竜の姿。若い雄のようだ。巣立った個体だろう。インパラ竜を狙うキャサリンを狙っている可能性がある。
多くのオオカミ竜は、得体のしれない獣であるアラニーズを警戒するが、それももちろん、例外はあるだろうさ。そして今回の奴はその例外ということなんだろう。
「キャサリン……気付いて……」
スコープ越しに様子を窺っていたビアンカがそう呟く。これまた、我が子を守りつつ我が子自身が自らに迫る危険に対処してくれることを望む親心だっただろうな。
これは、夷嶽戦も牙斬戦も無事にくぐり抜け、基本的にオリジナルの状態を保ちつつ同様のアップデートも行われているドーベルマンMPM十九号機とも、性能的には、少なくとも数値上ではまったく差異がないんだ。
にも拘らずドウはキャサリンに気に入られて行動を共にするようになり、対して十九号機はなぜか彼女に嫌われて、見掛ける度に襲われたりもした。
ロボットなので襲われたところで問題ないし、そもそも人間に対しては彼女は攻撃的じゃないからそれはいいものの、この<差異>はどこからくるものなのかはまったく分かっていない。外見上の差異も、機体各所に小さくペイントされた機体ナンバー以外には違いはないはずなんだがな。加えて<個性>も基本的にはないはずなんだ。
その十九号機は、今、ビアンカの随伴機として護衛に当たっている。キャサリンに万が一のことがあった時に援護するための狙撃に集中しているビアンカを守るのが役目だった。
それと同時に、ドウとリンクし、ドウから送られてくる情報も受信している。キャサリンの状況をより詳細に把握するためだな。
これは、現在、ビアンカが構えているライフルを支えているグレイも同じ。こういう形で並行処理することでより一層有機的な連携が可能になってるんだ。
その十九号機がわずかに動く。その理由がグレイにも伝わっている。
「キャサリンの背後にオオカミ竜が接近しています。五時方向、二十四メートル。単独のようです」
十六号機から受信した情報を音声でビアンカに伝達。
「了解……!」
ビアンカは小さく声を発して応え、キャサリンの後方五時方向に当たる位置にライフルを向けた。するとそこに、草の陰に隠れてはいるものの確かにオオカミ竜の姿。若い雄のようだ。巣立った個体だろう。インパラ竜を狙うキャサリンを狙っている可能性がある。
多くのオオカミ竜は、得体のしれない獣であるアラニーズを警戒するが、それももちろん、例外はあるだろうさ。そして今回の奴はその例外ということなんだろう。
「キャサリン……気付いて……」
スコープ越しに様子を窺っていたビアンカがそう呟く。これまた、我が子を守りつつ我が子自身が自らに迫る危険に対処してくれることを望む親心だっただろうな。
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