1,892 / 2,962
第四世代
彗編 種族的な習性
しおりを挟む
新暦〇〇三七年八月十五日
まあそんなこんなで、キャサリンが巣立ちを迎えることに対する準備と言うか心構えと言うか覚悟と言うかができたんだが、当のキャサリンは、好き勝手に自分で狩りをして日が暮れたら帰ってくるという毎日を過ごしていた。
そして、自分達が生まれた、と言うか卵から孵った家で休む。孵卵器を置いてた家をキャサリンとイゼベラのための家に改装したんだ。もっとも、部屋の中にあるのは、直径二メートルほどのでかいビーズクッションだけだが。
それを抱くようにして眠るんだ。むしろそれがあるから帰ってくる感じかもしれない。キャサリンもイザベラも、そしてケインも、それが気に入ってるみたいでな。だが当然、草原にはそんなものはない。キャサリンが草原で休んでる時も、岩やたまに生えている気に抱きつくようにして寝てたりするものの、さすがにゆっくりとは休めないんだろう。
こういうところは確かに人間なんだろうな。本当に野生の獣ならあまり気にしなさそうな気もする。
でも、それもいいさ。こうやって傍にいてくれるならビアンカとしても安心だし。
さりとて、昼の間はずっと草原に出て自分で狩りをして過ごしてるんだよな。ドウを伴いつつ、インパラ竜やガゼル竜を捕まえるのももうお手の物だ。事実上、巣立っているのと大差ない。
だからあくまで寝床が一緒なだけで、別の暮らしをしてるということなんだろう。俺のところの深や鋭と同じということか。深も鋭も、俺達が用意した小屋を住処としつつも、自分で狩りをして自分で暮らしてるし。
それぞれの在り方でいいと思う。
しかも、深や鋭に比べると、キャサリンの方がまだ、<家族>とコミュニケーションを図ってるかもしれない。
今は完全に独り身の深はともかく、玲と番った鋭ではあるものの、やっぱりマンティアンとしての習性か、玲や我が子のメイとも一緒に行動することはほとんどない。まあこれは、玲の方が育児中ということもあって鋭を避けているというのもあるんだろうけどな。
共食いが習性としてあるマンティアンも、子育て中の雌は、子供を守るためにも雄とは距離を取る傾向にある。明でさえ角とそれなりに距離を取っていたし。
それを思うと、キャサリンは間違いなくビアンカとも、
「ん……」
って感じで、顔を合わすと挨拶するように声を上げるんだ。と言うか、実際にそれが彼女にとっての挨拶なんだろう。アラニーズ自体も若い種族なので、種族的な習性についてはまだよく分かっていない。なにしろケインやイゼベラともかなり違った振る舞いをしているわけで。
まあそんなこんなで、キャサリンが巣立ちを迎えることに対する準備と言うか心構えと言うか覚悟と言うかができたんだが、当のキャサリンは、好き勝手に自分で狩りをして日が暮れたら帰ってくるという毎日を過ごしていた。
そして、自分達が生まれた、と言うか卵から孵った家で休む。孵卵器を置いてた家をキャサリンとイゼベラのための家に改装したんだ。もっとも、部屋の中にあるのは、直径二メートルほどのでかいビーズクッションだけだが。
それを抱くようにして眠るんだ。むしろそれがあるから帰ってくる感じかもしれない。キャサリンもイザベラも、そしてケインも、それが気に入ってるみたいでな。だが当然、草原にはそんなものはない。キャサリンが草原で休んでる時も、岩やたまに生えている気に抱きつくようにして寝てたりするものの、さすがにゆっくりとは休めないんだろう。
こういうところは確かに人間なんだろうな。本当に野生の獣ならあまり気にしなさそうな気もする。
でも、それもいいさ。こうやって傍にいてくれるならビアンカとしても安心だし。
さりとて、昼の間はずっと草原に出て自分で狩りをして過ごしてるんだよな。ドウを伴いつつ、インパラ竜やガゼル竜を捕まえるのももうお手の物だ。事実上、巣立っているのと大差ない。
だからあくまで寝床が一緒なだけで、別の暮らしをしてるということなんだろう。俺のところの深や鋭と同じということか。深も鋭も、俺達が用意した小屋を住処としつつも、自分で狩りをして自分で暮らしてるし。
それぞれの在り方でいいと思う。
しかも、深や鋭に比べると、キャサリンの方がまだ、<家族>とコミュニケーションを図ってるかもしれない。
今は完全に独り身の深はともかく、玲と番った鋭ではあるものの、やっぱりマンティアンとしての習性か、玲や我が子のメイとも一緒に行動することはほとんどない。まあこれは、玲の方が育児中ということもあって鋭を避けているというのもあるんだろうけどな。
共食いが習性としてあるマンティアンも、子育て中の雌は、子供を守るためにも雄とは距離を取る傾向にある。明でさえ角とそれなりに距離を取っていたし。
それを思うと、キャサリンは間違いなくビアンカとも、
「ん……」
って感じで、顔を合わすと挨拶するように声を上げるんだ。と言うか、実際にそれが彼女にとっての挨拶なんだろう。アラニーズ自体も若い種族なので、種族的な習性についてはまだよく分かっていない。なにしろケインやイゼベラともかなり違った振る舞いをしているわけで。
0
あなたにおすすめの小説
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?
猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」
「え?なんて?」
私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。
彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。
私が聖女であることが、どれほど重要なことか。
聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。
―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。
前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。
最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)
みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。
在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる