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第四世代
深編 自分の好みを完璧に理解したもの
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新暦〇〇三八年四月十四日
今日も深は穏やかな様子で、のんびりと寛いでる。改めて誉に会いに行こうとするでもない。
しかも、誉の方も、深と顔を合わせたことで里心とかが出てこっちに帰ってきたりするかもしれないと思ったりもしたが、そんなこともなかった。
そういうところでも、俺にとって都合がいいばっかりじゃないってことだ。そんな展開があれば、
<親と子のあたたかな交流の姿>
が描写されて、コンテンツとしても望ましいものになるのかもしれないが、そう上手くはいかないさ。
何でも自分に都合がいいわけじゃないことをきちんと理解していればむしろストレスも少なくて済む。余計なことで苛々しなくて済む。
だいたい、自分以外の誰かが作ったコンテンツが常に自分にとって都合のいいものになってるなんてこと自体が有り得ないだろ。だから、最初からそんなことを期待しなければ苛々もしないのに、どうしてそんなことを期待して自分の期待通りじゃなかったからといってキレるのか。
俺にはそれがまったく理解できない。そもそも自分じゃない人間がどうやって自分の好みに完全に合致するものを作れると思えるんだ? その作者がどうして自分の好みを完璧に把握してくれてると思えるんだ? 人間の<好み>ってのはそれこそ千差万別で、同じものを見ても『面白い』と思える者もいれば、まったく興味すら持てないのもいるよな? じゃなきゃ、
『サッカーは好きだが野球には興味がない』
『野球は好きだがサッカーには興味がない』
なんて人間がいるはずもないよな? しかも、
『サッカーは好きで贔屓にしてるチームは好きだが、他のチームには興味がない』
『野球は好きで贔屓にしてるチームは好きだが、他のチームには興味がない』
なんてのもあるだろう? どうしてそんなことが生じると思う? 人間の好みはそれぞれ違うからじゃないのか?
だったら、
『自分じゃない人間が作ったものが自分の好みを完璧に理解したものになる可能性なんてのはそもそも限りなく低い』
と見るのがむしろ当然だと思うんだがな。
『客の好みに合わせるのは、客のニーズに応えるのは、当たり前だろ!』
とか言うかもしれないが、だから、ある程度はそれを予測して作られたりすることはあっても、誰か一人の好みに完全に合致するかどうかは、もはやただの<運頼み>ってものじゃないか?
そんなものが自分の好みに完全に合致することを期待するってのがもう『有り得ない』ってものだとは思わないか?
俺は思うよ。だったら、自分の好みに合わなくてもむしろ当然のはずなんだ。
今日も深は穏やかな様子で、のんびりと寛いでる。改めて誉に会いに行こうとするでもない。
しかも、誉の方も、深と顔を合わせたことで里心とかが出てこっちに帰ってきたりするかもしれないと思ったりもしたが、そんなこともなかった。
そういうところでも、俺にとって都合がいいばっかりじゃないってことだ。そんな展開があれば、
<親と子のあたたかな交流の姿>
が描写されて、コンテンツとしても望ましいものになるのかもしれないが、そう上手くはいかないさ。
何でも自分に都合がいいわけじゃないことをきちんと理解していればむしろストレスも少なくて済む。余計なことで苛々しなくて済む。
だいたい、自分以外の誰かが作ったコンテンツが常に自分にとって都合のいいものになってるなんてこと自体が有り得ないだろ。だから、最初からそんなことを期待しなければ苛々もしないのに、どうしてそんなことを期待して自分の期待通りじゃなかったからといってキレるのか。
俺にはそれがまったく理解できない。そもそも自分じゃない人間がどうやって自分の好みに完全に合致するものを作れると思えるんだ? その作者がどうして自分の好みを完璧に把握してくれてると思えるんだ? 人間の<好み>ってのはそれこそ千差万別で、同じものを見ても『面白い』と思える者もいれば、まったく興味すら持てないのもいるよな? じゃなきゃ、
『サッカーは好きだが野球には興味がない』
『野球は好きだがサッカーには興味がない』
なんて人間がいるはずもないよな? しかも、
『サッカーは好きで贔屓にしてるチームは好きだが、他のチームには興味がない』
『野球は好きで贔屓にしてるチームは好きだが、他のチームには興味がない』
なんてのもあるだろう? どうしてそんなことが生じると思う? 人間の好みはそれぞれ違うからじゃないのか?
だったら、
『自分じゃない人間が作ったものが自分の好みを完璧に理解したものになる可能性なんてのはそもそも限りなく低い』
と見るのがむしろ当然だと思うんだがな。
『客の好みに合わせるのは、客のニーズに応えるのは、当たり前だろ!』
とか言うかもしれないが、だから、ある程度はそれを予測して作られたりすることはあっても、誰か一人の好みに完全に合致するかどうかは、もはやただの<運頼み>ってものじゃないか?
そんなものが自分の好みに完全に合致することを期待するってのがもう『有り得ない』ってものだとは思わないか?
俺は思うよ。だったら、自分の好みに合わなくてもむしろ当然のはずなんだ。
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