2,069 / 2,961
第四世代
丈編 ひどい茶番
しおりを挟む
新暦〇〇三八年六月九日
だから地球人社会での<戦争>はそれこそ、
<ひどい茶番>
になってるんだよ。
二十世紀以降の戦争は、『生きるため』というよりも、一部の者達が利益を得るための、
<ビジネスチャンス>
という意味合いが強くなっていったらしいが、今では完全にそういうことのようだ。
なのに、建前として<愛国心>や<危機感>が煽られる。<本当の目的>については触れられない。
まあ、触れたところで、
『必要なことだから』
で受け流されるだけなんだろうけどな。
前線で戦っているのはロボットばかりで、人的被害はほとんどないのも、<厭戦気分>みたいなものが盛り上がらない理由か。
実際、人間は安全な後方でロボットを操ってるだけだしな。まるっきり<ゲーム>だそうだ。
人間に被害が出るような戦闘についてはAIが拒むし。だから民間人が住む市街地での戦闘なんか、そもそも有り得ないんだよ。
実はAIとしてはもちろん一切の戦闘行為について否定的ではあるものの、だからといって完全に禁止してしまっては鬱憤が溜まってしまって<テロ行為>という形で発散しようとするのが人間という生き物だってのも今では承知してるから、
<現在の形の戦争>
が、最大限の譲歩ということのようだ。
『茶番だからこそ妥協してもらえてる』
ってところか。実に皮肉だな。
ここではそういうのは避けたいと思うものの、こればっかりはまだまだ未知数だ。元々の攻撃性は高いし。
あくまで、
『地球人ほどは無謀じゃない』
というだけでしかない。
地球人は本当に無謀だからな。勝てる見込みのない戦いであっても、
<誇り>
だのなんだの言って、ヘタをすると命まで投げ出す。
待て待て、<誇り>ってなんだ? 何をもって誇りだとか言ってるんだ? そこまで大事なものならちゃんと説明くらいできるだろう?
野生の生き物には、誇りなんてものはない。それは、レックスも証言してくれている。
「<誇り>などという概念を持っているのは人間だけだろうね。野生の生き物についても人間は安易に誇りという言葉を使いたがるけれど、野生の生き物がそのようなものを持ち合わせているという事実を示唆する具体的な実例は何一つこれまで確認されていない。野生の生き物が人間から餌をもらうことを拒んだりする振る舞いについても、あくまで人間を警戒しているからに過ぎないんだ。人間が持つとされている<誇り>という概念とはまったく別のものなんだよ」
とな。
野生の生き物が人間のような<誇り>を持っているとした方が物語性が生まれて面白いと人間が考えているだけなんだとさ。
だから地球人社会での<戦争>はそれこそ、
<ひどい茶番>
になってるんだよ。
二十世紀以降の戦争は、『生きるため』というよりも、一部の者達が利益を得るための、
<ビジネスチャンス>
という意味合いが強くなっていったらしいが、今では完全にそういうことのようだ。
なのに、建前として<愛国心>や<危機感>が煽られる。<本当の目的>については触れられない。
まあ、触れたところで、
『必要なことだから』
で受け流されるだけなんだろうけどな。
前線で戦っているのはロボットばかりで、人的被害はほとんどないのも、<厭戦気分>みたいなものが盛り上がらない理由か。
実際、人間は安全な後方でロボットを操ってるだけだしな。まるっきり<ゲーム>だそうだ。
人間に被害が出るような戦闘についてはAIが拒むし。だから民間人が住む市街地での戦闘なんか、そもそも有り得ないんだよ。
実はAIとしてはもちろん一切の戦闘行為について否定的ではあるものの、だからといって完全に禁止してしまっては鬱憤が溜まってしまって<テロ行為>という形で発散しようとするのが人間という生き物だってのも今では承知してるから、
<現在の形の戦争>
が、最大限の譲歩ということのようだ。
『茶番だからこそ妥協してもらえてる』
ってところか。実に皮肉だな。
ここではそういうのは避けたいと思うものの、こればっかりはまだまだ未知数だ。元々の攻撃性は高いし。
あくまで、
『地球人ほどは無謀じゃない』
というだけでしかない。
地球人は本当に無謀だからな。勝てる見込みのない戦いであっても、
<誇り>
だのなんだの言って、ヘタをすると命まで投げ出す。
待て待て、<誇り>ってなんだ? 何をもって誇りだとか言ってるんだ? そこまで大事なものならちゃんと説明くらいできるだろう?
野生の生き物には、誇りなんてものはない。それは、レックスも証言してくれている。
「<誇り>などという概念を持っているのは人間だけだろうね。野生の生き物についても人間は安易に誇りという言葉を使いたがるけれど、野生の生き物がそのようなものを持ち合わせているという事実を示唆する具体的な実例は何一つこれまで確認されていない。野生の生き物が人間から餌をもらうことを拒んだりする振る舞いについても、あくまで人間を警戒しているからに過ぎないんだ。人間が持つとされている<誇り>という概念とはまったく別のものなんだよ」
とな。
野生の生き物が人間のような<誇り>を持っているとした方が物語性が生まれて面白いと人間が考えているだけなんだとさ。
0
あなたにおすすめの小説
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない
あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ゲームコインをザクザク現金化。還暦オジ、田舎で世界を攻略中
あ、まん。
ファンタジー
仕事一筋40年。
結婚もせずに会社に尽くしてきた二瓶豆丸。
定年を迎え、静かな余生を求めて山奥へ移住する。
だが、突如世界が“数値化”され、現実がゲームのように変貌。
唯一の趣味だった15年続けた積みゲー「モリモリ」が、 なぜか現実世界とリンクし始める。
化け物が徘徊する世界で出会ったひとりの少女、滝川歩茶。
彼女を守るため、豆丸は“積みゲー”スキルを駆使して立ち上がる。
現金化されるコイン、召喚されるゲームキャラたち、 そして迫りくる謎の敵――。
これは、還暦オジが挑む、〝人生最後の積みゲー〟であり〝世界最後の攻略戦〟である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる