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第四世代
丈編 強力な打撃武器
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なんて余談はさておいて、ホビットMk-Ⅱの狩りの様子だ。
矢を受けて逆上した猪竜に見付かって、今度はホビットMk-Ⅱの方が狙われる側になる。
人間の場合だと相当な<危機>ではあるものの、壊れても直せばいい、直せなくてもデータはあくまでサーバー側に保存されるから、機体はどこまでも<インターフェース>でしかないロボットにとっては危険でも何でもなかった。むしろ<囮>になってくれてるとさえ言えるだろう。
その上で、再び矢を放つものの、これまた矢の軌道がぶれて急所には当たってくれなかった。
猪竜が相手の場合なら、木の上に登って矢で狙えば反撃を封じることはできるから、<一撃必殺>とはいかなくてもそれほど問題じゃないかもしれない。
『木に登れない』のは、猪竜にとって大きな弱点ではありつつ、生半可な攻撃じゃ大きなダメージにはならない猪竜だと、アクシーズも基本的には狙ってこない。『眼窩に足の爪を突き立てて脳を抉る』という攻撃であれば死に至るダメージを与えられるにしても、一瞬で即死させないと、小柄で華奢なアクシーズでは、反撃を食らえばおそらくその場でおしまいだろう。
それもあってアクシーズにとって猪竜は獲物にはならない。精々、本当に生まれたての赤ん坊の頃の猪竜をたまに狙うこともある程度だろうが、これすら親猪竜が傍にいればあまりにもリスクが高いわけで、そこまで危険を冒す必要もない。この密林は豊かで、獲物は他にもいくらでもいるし。
が、自在に木に登ることまではできないホビットMk-Ⅱは、いや、登ろうと思えば生身の人間程度の不格好さでならできなくはないが、こうして猪竜と対峙することも貴重なデータなわけで、弓を手放し、身構える。
そして、前脚を持ち上げて、タイヤを拳のように使って、蹴ると言うか殴る。
しかし、猛烈な勢いで迫る猪竜へのそれは、逆にホビットMk-Ⅱの方へのダメージとなってしまった。
悪路走破用のパンクレスタイヤは強力な打撃武器になってくれたが、肝心のホビットMk-Ⅱ自体の強度が、素材のこともあって十分でなく、サスペンションも兼ねた関節部が一瞬で歪んでしまったんだよ。それを示す警告灯が、ステータス画面を赤く染める。
今回の猪竜は、体重では四十キロあるかないかくらいだというのに、なんという突進力。やはり猪竜はその体そのものが一つの強力な打撃武器だということだな。
生身の人間がその突進を食らえばそれこそひとたまりもないだろうさ。
矢を受けて逆上した猪竜に見付かって、今度はホビットMk-Ⅱの方が狙われる側になる。
人間の場合だと相当な<危機>ではあるものの、壊れても直せばいい、直せなくてもデータはあくまでサーバー側に保存されるから、機体はどこまでも<インターフェース>でしかないロボットにとっては危険でも何でもなかった。むしろ<囮>になってくれてるとさえ言えるだろう。
その上で、再び矢を放つものの、これまた矢の軌道がぶれて急所には当たってくれなかった。
猪竜が相手の場合なら、木の上に登って矢で狙えば反撃を封じることはできるから、<一撃必殺>とはいかなくてもそれほど問題じゃないかもしれない。
『木に登れない』のは、猪竜にとって大きな弱点ではありつつ、生半可な攻撃じゃ大きなダメージにはならない猪竜だと、アクシーズも基本的には狙ってこない。『眼窩に足の爪を突き立てて脳を抉る』という攻撃であれば死に至るダメージを与えられるにしても、一瞬で即死させないと、小柄で華奢なアクシーズでは、反撃を食らえばおそらくその場でおしまいだろう。
それもあってアクシーズにとって猪竜は獲物にはならない。精々、本当に生まれたての赤ん坊の頃の猪竜をたまに狙うこともある程度だろうが、これすら親猪竜が傍にいればあまりにもリスクが高いわけで、そこまで危険を冒す必要もない。この密林は豊かで、獲物は他にもいくらでもいるし。
が、自在に木に登ることまではできないホビットMk-Ⅱは、いや、登ろうと思えば生身の人間程度の不格好さでならできなくはないが、こうして猪竜と対峙することも貴重なデータなわけで、弓を手放し、身構える。
そして、前脚を持ち上げて、タイヤを拳のように使って、蹴ると言うか殴る。
しかし、猛烈な勢いで迫る猪竜へのそれは、逆にホビットMk-Ⅱの方へのダメージとなってしまった。
悪路走破用のパンクレスタイヤは強力な打撃武器になってくれたが、肝心のホビットMk-Ⅱ自体の強度が、素材のこともあって十分でなく、サスペンションも兼ねた関節部が一瞬で歪んでしまったんだよ。それを示す警告灯が、ステータス画面を赤く染める。
今回の猪竜は、体重では四十キロあるかないかくらいだというのに、なんという突進力。やはり猪竜はその体そのものが一つの強力な打撃武器だということだな。
生身の人間がその突進を食らえばそれこそひとたまりもないだろうさ。
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