2,177 / 2,979
第四世代
ホビットMk-Ⅱ編 過酷な使用
しおりを挟む
新暦〇〇三九年十月五日
ところで、以前に触れた<巣から落ちたヒナ>については、当然、とっくの昔に巣立って野生に帰っていった。ホビットサンク村のすぐ近くでパートナーを見付けて巣を作り、卵を生み、ヒナを育て、そのヒナも近々巣立ちそうだ。ここまでのところ、これといって問題も生じていない。しっかりと野生のままの形で生きていけている。
<長い棒が付いた精工に作られた親鳥の人形>
を使ってなるべく野生に近い状態で飼育したことが功を奏した形だな。
が、その<長い棒が付いた精工に作られた親鳥の人形>は、
『お役御免』
とはいかなかった。今まさに現役で役に立っている。
と言うのも、また村のすぐ近くで巣から落ちていたヒナが保護されたんだ。まあ、こういうのは割と頻繁に起こっていることなんだろう。その中で生き延びた個体が次の世代を残すことができると。
とは言え、<巣から落ちた個体>が他に比べて劣っているかと言えば必ずしもそうじゃないのも事実だ。巣から落ちて命も落とすか、しっかりと親鳥に育ててもらえて巣立っていくかは、『たまたま』なんだよ。
だったら、『たまたま』ホビットMk-Ⅱに発見されて保護されて育てられたとしても何も問題ないよな。『たまたま』なんだから。
<種の総数>についても、
<ホビットサンク村の周辺でホビットMk-Ⅱに保護される数>
なんて、全体から見ればそれこそ<誤差の範囲>程度のものだろうさ。実際、ホビットサンク村ではまだこれで三羽目だしな。
だから別に気負うこともなく、ホビットMk-Ⅱにそういうヒナを保護し育ててもらってる。
で、今回も、朝から晩まで、途絶えることなく<長い棒が付いた精工に作られた親鳥の人形>を用いてヒナに餌を与え続けてると。
だがこの日、
「あ……!」
俺がタブレット越しにその様子を見守っていると、<親鳥の人形>がボトリと床に落ちてしまった。しかも、床に落ちた状態でバタバタと羽ばたく。
それを、ホビットMk-Ⅱがさっとマニピュレータを伸ばして回収した。
棒との接続部分が疲労により破損してしまったんだ。親鳥の人形を敢えて羽ばたかせることで大きな負荷が掛かることは最初から分かっていたし、計算上は十分な強度と耐久性を与えていたはずの部品だが、想定していた以上に過酷な使用だったということなんだろう。
いやはや、親鳥の大変さが偲ばれるな。
幸い、<親鳥の人形>なのでペアとして二体用意してあるから、壊れた方を修理中はもう一体で対処ができた。
ところで、以前に触れた<巣から落ちたヒナ>については、当然、とっくの昔に巣立って野生に帰っていった。ホビットサンク村のすぐ近くでパートナーを見付けて巣を作り、卵を生み、ヒナを育て、そのヒナも近々巣立ちそうだ。ここまでのところ、これといって問題も生じていない。しっかりと野生のままの形で生きていけている。
<長い棒が付いた精工に作られた親鳥の人形>
を使ってなるべく野生に近い状態で飼育したことが功を奏した形だな。
が、その<長い棒が付いた精工に作られた親鳥の人形>は、
『お役御免』
とはいかなかった。今まさに現役で役に立っている。
と言うのも、また村のすぐ近くで巣から落ちていたヒナが保護されたんだ。まあ、こういうのは割と頻繁に起こっていることなんだろう。その中で生き延びた個体が次の世代を残すことができると。
とは言え、<巣から落ちた個体>が他に比べて劣っているかと言えば必ずしもそうじゃないのも事実だ。巣から落ちて命も落とすか、しっかりと親鳥に育ててもらえて巣立っていくかは、『たまたま』なんだよ。
だったら、『たまたま』ホビットMk-Ⅱに発見されて保護されて育てられたとしても何も問題ないよな。『たまたま』なんだから。
<種の総数>についても、
<ホビットサンク村の周辺でホビットMk-Ⅱに保護される数>
なんて、全体から見ればそれこそ<誤差の範囲>程度のものだろうさ。実際、ホビットサンク村ではまだこれで三羽目だしな。
だから別に気負うこともなく、ホビットMk-Ⅱにそういうヒナを保護し育ててもらってる。
で、今回も、朝から晩まで、途絶えることなく<長い棒が付いた精工に作られた親鳥の人形>を用いてヒナに餌を与え続けてると。
だがこの日、
「あ……!」
俺がタブレット越しにその様子を見守っていると、<親鳥の人形>がボトリと床に落ちてしまった。しかも、床に落ちた状態でバタバタと羽ばたく。
それを、ホビットMk-Ⅱがさっとマニピュレータを伸ばして回収した。
棒との接続部分が疲労により破損してしまったんだ。親鳥の人形を敢えて羽ばたかせることで大きな負荷が掛かることは最初から分かっていたし、計算上は十分な強度と耐久性を与えていたはずの部品だが、想定していた以上に過酷な使用だったということなんだろう。
いやはや、親鳥の大変さが偲ばれるな。
幸い、<親鳥の人形>なのでペアとして二体用意してあるから、壊れた方を修理中はもう一体で対処ができた。
0
あなたにおすすめの小説
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話
家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。
高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。
全く勝ち目がないこの恋。
潔く諦めることにした。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる