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第四世代
凛編 命が終わることについての納得
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しばらくモニター越しに凛の群れの様子を見ていると、さすがに少し落ち着いてきた。
そして落ち着いてくると今度は眠気が襲ってくる。加えて夕食は済ませていたもののなんだか腹も減ってきたから、軽く食事にする。
用意してくれたのは<鈴夏>だ。
かつては<鈴夏六型亜式>として惑星探査チームに所属していたが、アリアンと同じく本来のボディは風雨に曝されたゆえに完全に駄目になっていたことでアリスシリーズのボディにAIを移植し復帰した彼女は、今ではアンデルセンと共にコーネリアス号の管理全般を受け持ってくれている。内部のリフォームを指揮したのも彼女だ。
その彼女も、エレクシアやセシリアおよびアリスシリーズやドライツェンシリーズが蓄えた膨大なデータを基にアップデートが行なわれ、
<アリスシリーズの鈴夏>
として高いパフォーマンスを発揮してくれている。そんな彼女にとっては、ドーベルマンMPMらを自身の手足として運用し急な食事の用意に対処するなどはまさしく朝飯前だった。
おかげで俺達は突然の凛の訃報に対処することに集中できているんだ。本当にありがたい。
こうして軽く食事を済ませ、風呂に入り、各々割り振られた部屋へと移って休む。ちなみに風呂も、資材に転換するために解体した区画に新たに作った大浴場だった。
子供らには、実は帰り支度をする前に入ってもらっていたからまあいいだろう。誰も性差というものを気にしないので全員一緒に。で、風呂に入ってさっぱりしたから余計に眠くなったというのもあったかもしれない。
それはさておき、割り振られた個室に移ってからも、部屋のモニターで凛の群れの様子を見る。
さすがに彼女の体を舐める者は減っていた。それぞれ納得したんだろうな。しかし、萌だけはまだ母親の顔を丁寧に丁寧に舐めていた。萌が一番、諦めが悪いようだ。だがそれで何か問題があるわけでもないさ。侑も按も朗も彪も、好きにさせてくれていた。
そんな萌も、日付が変わる頃には凛の体を舐めるのをやめ、ただ寄り添うだけになった。
ただただ冷たくなっていく母親の体に。
これが萌の悼み方なんだろうな。
どういう悼み方をしようと本人に任せるつもりだったが、『悼む』どころかそれこそ無造作に放りだしたままで見向きもしなかったとしても構わないが、その上でこうやってそれなりの情を見せてくれたことには素直に胸にくるものがあったよ。
そしてそれは、<命が終わることについての納得>そのものだった。
フィクションとして見るのならロクなものじゃなくても、実際に残された者にとって納得がいけば、それでいいじゃないか。
誰しもが他人の娯楽になるために生きてるってわけじゃないんだし。
そして落ち着いてくると今度は眠気が襲ってくる。加えて夕食は済ませていたもののなんだか腹も減ってきたから、軽く食事にする。
用意してくれたのは<鈴夏>だ。
かつては<鈴夏六型亜式>として惑星探査チームに所属していたが、アリアンと同じく本来のボディは風雨に曝されたゆえに完全に駄目になっていたことでアリスシリーズのボディにAIを移植し復帰した彼女は、今ではアンデルセンと共にコーネリアス号の管理全般を受け持ってくれている。内部のリフォームを指揮したのも彼女だ。
その彼女も、エレクシアやセシリアおよびアリスシリーズやドライツェンシリーズが蓄えた膨大なデータを基にアップデートが行なわれ、
<アリスシリーズの鈴夏>
として高いパフォーマンスを発揮してくれている。そんな彼女にとっては、ドーベルマンMPMらを自身の手足として運用し急な食事の用意に対処するなどはまさしく朝飯前だった。
おかげで俺達は突然の凛の訃報に対処することに集中できているんだ。本当にありがたい。
こうして軽く食事を済ませ、風呂に入り、各々割り振られた部屋へと移って休む。ちなみに風呂も、資材に転換するために解体した区画に新たに作った大浴場だった。
子供らには、実は帰り支度をする前に入ってもらっていたからまあいいだろう。誰も性差というものを気にしないので全員一緒に。で、風呂に入ってさっぱりしたから余計に眠くなったというのもあったかもしれない。
それはさておき、割り振られた個室に移ってからも、部屋のモニターで凛の群れの様子を見る。
さすがに彼女の体を舐める者は減っていた。それぞれ納得したんだろうな。しかし、萌だけはまだ母親の顔を丁寧に丁寧に舐めていた。萌が一番、諦めが悪いようだ。だがそれで何か問題があるわけでもないさ。侑も按も朗も彪も、好きにさせてくれていた。
そんな萌も、日付が変わる頃には凛の体を舐めるのをやめ、ただ寄り添うだけになった。
ただただ冷たくなっていく母親の体に。
これが萌の悼み方なんだろうな。
どういう悼み方をしようと本人に任せるつもりだったが、『悼む』どころかそれこそ無造作に放りだしたままで見向きもしなかったとしても構わないが、その上でこうやってそれなりの情を見せてくれたことには素直に胸にくるものがあったよ。
そしてそれは、<命が終わることについての納得>そのものだった。
フィクションとして見るのならロクなものじゃなくても、実際に残された者にとって納得がいけば、それでいいじゃないか。
誰しもが他人の娯楽になるために生きてるってわけじゃないんだし。
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