2,579 / 2,979
第五世代
ルイーゼ編 仕事場
しおりを挟む
そうやってルイーゼには鉱物の研究に集中してもらってるんだが、同時に彼女は斗真のことも受け入れてるみたいなんだよな。
ただその『受け入れる』というのがいわゆる<普通>とは大きく違っている印象が確かにある。
まあこれは相手が斗真だからというのもあるだろう。斗真の方も俺達人間(地球人)に分かりやすい形でルイーゼと接してるわけじゃないし。
お互いの生活パターンがまったく噛み合わず、夜明けと共に目を覚まして<鍛冶としての仕事>を始める彼は、ルイーゼを起こさないように気配を忍ばせてそっと自宅の寝室から出てくる。
そしてダイニングでアリニが作った朝食を無言のまま食べ、それを終えると仕事着に着替えて家を出、歩いて数分のところにある<仕事場>へと向かう。
その彼の視線の先には、高さ三十メートルほどの二基の製鉄用高炉。それによって鉄鉱石から銑鉄を得、さらに各種の鋼材にまで加工する<製鉄所>が出来上がっていた。これまで必要に応じて更新し、現在ではそういう形になったんだ。
なお、今の時点ではそこまで需要がないのもあって昼間だけの稼働なので、彼が仕事場に向かう時点ではまだ静寂に包まれている状態ではある。もう少しすると稼働し始め、それなりの騒音を発しだす。
そんな製鉄所の一角に、斗真の仕事場がある。そこでは本当に昔ながらの手法で鉄が作られていた。<たたら製鉄>と言われるものだ。
<たたら製鉄>の施設はその構造上、割と短い期間で耐用年数を迎え、その都度更新していかなきゃいけないそうだ。なので現在、彼が仕事しているそれはすでに四代目とのこと。ちなみに五代目の<たたら>の建造がすぐ隣で始まっている。五代目が稼働を始めれば四代目だったそれは解体され、新たに六代目として建造が始まる。
単に鉄を得るだけなら高炉があればいいんだが、万が一、何らかの理由で高炉を稼働させられるだけの技術が失われたとしても<製鉄の技術>だけは残るようにと敢えて稼働させているんだ。
というのはまあ建前で、結局のところは、
『斗真の仕事を残しておきたいから』
ってのが本音だな。
これまた『個人の仕事を維持する』だけならとんでもない高コストではあるものの、少なくとも今の時点ではそれほどコストを考える必要がないからそれを行ってるわけだ。まあこれに比べれば<ルイーゼの特別扱い>も可愛いもんではある。
なお、高炉を備えた<製鉄所>の方はそれ自体がロボットであり、中で働いているのもドーベルマンMPMとホビットMk-Ⅱだ。
ただその『受け入れる』というのがいわゆる<普通>とは大きく違っている印象が確かにある。
まあこれは相手が斗真だからというのもあるだろう。斗真の方も俺達人間(地球人)に分かりやすい形でルイーゼと接してるわけじゃないし。
お互いの生活パターンがまったく噛み合わず、夜明けと共に目を覚まして<鍛冶としての仕事>を始める彼は、ルイーゼを起こさないように気配を忍ばせてそっと自宅の寝室から出てくる。
そしてダイニングでアリニが作った朝食を無言のまま食べ、それを終えると仕事着に着替えて家を出、歩いて数分のところにある<仕事場>へと向かう。
その彼の視線の先には、高さ三十メートルほどの二基の製鉄用高炉。それによって鉄鉱石から銑鉄を得、さらに各種の鋼材にまで加工する<製鉄所>が出来上がっていた。これまで必要に応じて更新し、現在ではそういう形になったんだ。
なお、今の時点ではそこまで需要がないのもあって昼間だけの稼働なので、彼が仕事場に向かう時点ではまだ静寂に包まれている状態ではある。もう少しすると稼働し始め、それなりの騒音を発しだす。
そんな製鉄所の一角に、斗真の仕事場がある。そこでは本当に昔ながらの手法で鉄が作られていた。<たたら製鉄>と言われるものだ。
<たたら製鉄>の施設はその構造上、割と短い期間で耐用年数を迎え、その都度更新していかなきゃいけないそうだ。なので現在、彼が仕事しているそれはすでに四代目とのこと。ちなみに五代目の<たたら>の建造がすぐ隣で始まっている。五代目が稼働を始めれば四代目だったそれは解体され、新たに六代目として建造が始まる。
単に鉄を得るだけなら高炉があればいいんだが、万が一、何らかの理由で高炉を稼働させられるだけの技術が失われたとしても<製鉄の技術>だけは残るようにと敢えて稼働させているんだ。
というのはまあ建前で、結局のところは、
『斗真の仕事を残しておきたいから』
ってのが本音だな。
これまた『個人の仕事を維持する』だけならとんでもない高コストではあるものの、少なくとも今の時点ではそれほどコストを考える必要がないからそれを行ってるわけだ。まあこれに比べれば<ルイーゼの特別扱い>も可愛いもんではある。
なお、高炉を備えた<製鉄所>の方はそれ自体がロボットであり、中で働いているのもドーベルマンMPMとホビットMk-Ⅱだ。
0
あなたにおすすめの小説
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
勇者パーティーに追放された支援術士、実はとんでもない回復能力を持っていた~極めて幅広い回復術を生かしてなんでも屋で成り上がる~
名無し
ファンタジー
突如、幼馴染の【勇者】から追放処分を言い渡される【支援術士】のグレイス。確かになんでもできるが、中途半端で物足りないという理不尽な理由だった。
自分はパーティーの要として頑張ってきたから納得できないと食い下がるグレイスに対し、【勇者】はその代わりに【治癒術士】と【補助術士】を入れたのでもうお前は一切必要ないと宣言する。
もう一人の幼馴染である【魔術士】の少女を頼むと言い残し、グレイスはパーティーから立ち去ることに。
だが、グレイスの【支援術士】としての腕は【勇者】の想像を遥かに超えるものであり、ありとあらゆるものを回復する能力を秘めていた。
グレイスがその卓越した技術を生かし、【なんでも屋】で生計を立てて評判を高めていく一方、勇者パーティーはグレイスが去った影響で歯車が狂い始め、何をやっても上手くいかなくなる。
人脈を広げていったグレイスの周りにはいつしか賞賛する人々で溢れ、落ちぶれていく【勇者】とは対照的に地位や名声をどんどん高めていくのだった。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる