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歴史上最も忌むべき悪女
前置き
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『私はマオレルトン領の者達については、今後、国を盛り上げていく上で数に入れておらん。なので、敵の攻撃を受け止める盾に使っても構わんし、囮に使っても構わん。貴公の好きに使え。彼らのようなやる気のない者でもそういう形であれば国の役に立つだろうし、それこそが彼らにとっての栄誉だろう』
ミカがマオレルトン領の領民についてそう発言したという話はすさまじい勢いで帝国全土に広がり、さすがにこれには日和見的であった元マオレルトン領の領民達も憤った。
当然か。犠牲になった者達はほとんどすべて、ミカの所為で命を落としたようなものなのだから。
しかも、何故かは分からないが、犠牲者達の遺体が消え失せていたのは、ミカが自身の美しさを保つための魔術薬の材料にしたからだという噂さえ、一緒に広まっていった。
おそらく、誰かが何の根拠もなく無責任にそれっぽい話をしたのが尾ひれと共に拡散したのだろうが、それがさらにミカへの反発を煽ったことは間違いないだろう。
これら諸々の状況を力に<議会>はミカを糾弾。そしてミカの権限を大きく抑制する<新法>を全会一致で可決。さらにリオポルド王との婚礼そのものを無効だったとする決を採ったのである。
こうしてミカは、
<セヴェルハムト帝国王妃>
としての地位を剥奪され、
<ミカ=ティオニフレウ=ヴィ=モーハンセウ>
から、
<ミカ=ティオニフレウ=ヴァレーリア>
へと戻ってしまったのだった。
こうなれば当然、
<帝国を蝕んだ史上最悪の悪女>
として弾劾され、捕らわれることになる。
しかし、当のミカは、直前まで自分の命に従って動いていた兵士達が自分に刃を向けても平然とし、
「決まったことであれば、是非もない」
と、おとなしく従ったのだという。
これにより彼女は、ミカに従属的であったとして一緒に貴族としての地位を剥奪されたルパードソン家の邸宅でもあった城に<罪人>として収監されることとなった。
だが、彼女についての話は、実はここからが本番だと言えるかもしれない。
<歴史上最も忌むべき悪女>
とも証されるようになった彼女は、帝国国民が持つ、<憎悪>をはじめとしたすべての悪感情の標的として悪い意味で祭り上げられ、それまでの鬱憤を晴らすべく、<歴史上最も忌むべき悪女>に相応しい扱いを受けることとなったのだから。
よってこれより先は、彼女が、最後に断罪されるためにギロチン台へと送られることになるまでの間、どのような経験をしてきたかについて、詳細に触れていくことにしよう。
つまりここまでの話は、このための<前置き>でしかなかったということである。
ミカがマオレルトン領の領民についてそう発言したという話はすさまじい勢いで帝国全土に広がり、さすがにこれには日和見的であった元マオレルトン領の領民達も憤った。
当然か。犠牲になった者達はほとんどすべて、ミカの所為で命を落としたようなものなのだから。
しかも、何故かは分からないが、犠牲者達の遺体が消え失せていたのは、ミカが自身の美しさを保つための魔術薬の材料にしたからだという噂さえ、一緒に広まっていった。
おそらく、誰かが何の根拠もなく無責任にそれっぽい話をしたのが尾ひれと共に拡散したのだろうが、それがさらにミカへの反発を煽ったことは間違いないだろう。
これら諸々の状況を力に<議会>はミカを糾弾。そしてミカの権限を大きく抑制する<新法>を全会一致で可決。さらにリオポルド王との婚礼そのものを無効だったとする決を採ったのである。
こうしてミカは、
<セヴェルハムト帝国王妃>
としての地位を剥奪され、
<ミカ=ティオニフレウ=ヴィ=モーハンセウ>
から、
<ミカ=ティオニフレウ=ヴァレーリア>
へと戻ってしまったのだった。
こうなれば当然、
<帝国を蝕んだ史上最悪の悪女>
として弾劾され、捕らわれることになる。
しかし、当のミカは、直前まで自分の命に従って動いていた兵士達が自分に刃を向けても平然とし、
「決まったことであれば、是非もない」
と、おとなしく従ったのだという。
これにより彼女は、ミカに従属的であったとして一緒に貴族としての地位を剥奪されたルパードソン家の邸宅でもあった城に<罪人>として収監されることとなった。
だが、彼女についての話は、実はここからが本番だと言えるかもしれない。
<歴史上最も忌むべき悪女>
とも証されるようになった彼女は、帝国国民が持つ、<憎悪>をはじめとしたすべての悪感情の標的として悪い意味で祭り上げられ、それまでの鬱憤を晴らすべく、<歴史上最も忌むべき悪女>に相応しい扱いを受けることとなったのだから。
よってこれより先は、彼女が、最後に断罪されるためにギロチン台へと送られることになるまでの間、どのような経験をしてきたかについて、詳細に触れていくことにしよう。
つまりここまでの話は、このための<前置き>でしかなかったということである。
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