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日常編
数十年目の思い付き
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ここまで数十年。<書庫>での暮らしに慣れるためにただただ日常を繰り返すことに集中してきたユウカだったが、地球にいる自分のオリジナルの存在を知ったことで、その心境に変化が生じていた。
『私も、今の自分をもっと楽しんでもいいのかな……』
今までも楽しんでいるつもりではあったが、アパートと職場とその周辺だけの限られた場所で決まったことを行うだけで満足してきたのだ。元よりユウカ自身がそういう小さい世界でまとまることに安心感を覚えるタイプだったことで、それで満足できていたのだろう。
そのこと自体は別に珍しくもない。自分が満足いくまで、納得するまで、ルーチンワークを続けるというのは割とよくあるパターンだった。自らが納得いくまでそのようにして、飽きたらまた別の生き方をする。ここはそれができてしまう世界なのだから。ユウカにも、その時期が来たということかもしれない。
そこで、ガゼに訊いてみる。
「ねえガゼちゃん。ピクニックとかって行ったことある?」
「え? あるけど、どうして?」
「ここでもピクニックとか行けるのかなって思って」
そんなユウカの言葉に、ガゼの表情がパアッと明るくなった。
「もちろん行けるよ! ひょっとしてピクニックとか行きたい!?」
「え、あ、うん。行けるんなら行ってみたいなって」
ということで、急遽、ピクニックに行くことに決まったのだった。予定は次のユウカとガゼの休みが重なっている日。仕事は四勤二休で、一日だけ重なっているのだ。申し出れば長期休暇ももらえるが、今回はまずお試しのピクニックということで日帰りということになった。
そして休みが重なっていたメジェレナとヌラッカとマニ、さらにどこから聞き付けたのかレルゼーも一緒に行くことになったのだった。
レンとキリオとシェルミは仕事があって来られないし、ポルネリッカは当然部屋から出てこないし、クォ=ヨ=ムイは酒がないと釣れないしということで、今回は参加しない。
『ユウカの為なら仕事だってキャンセルするさ』とキリオは言っていたが、マネージャーがそんなことを許す筈もない。逆に言くるめられて『残念だけど次の機会を待つことにするよ』と引き下がることになった。
こうして、ピクニック当日、マニの用意した弁当を抱えて、ユウカ、ガゼ、レルゼー、メジェレナ、ヌラッカ、マニの六人はアパートを出発した。
「これがゲートだよ。今日は日帰りのピクニックだからキヨターキがいいかな」
ユウカ達が暮らす街にはあらゆるところに別のエリアへと繋がるゲートがあった。長距離の移動もそれで行えるので、大型の乗り物は殆ど発達しない。今回は徒歩で行くことになったのだった。
『私も、今の自分をもっと楽しんでもいいのかな……』
今までも楽しんでいるつもりではあったが、アパートと職場とその周辺だけの限られた場所で決まったことを行うだけで満足してきたのだ。元よりユウカ自身がそういう小さい世界でまとまることに安心感を覚えるタイプだったことで、それで満足できていたのだろう。
そのこと自体は別に珍しくもない。自分が満足いくまで、納得するまで、ルーチンワークを続けるというのは割とよくあるパターンだった。自らが納得いくまでそのようにして、飽きたらまた別の生き方をする。ここはそれができてしまう世界なのだから。ユウカにも、その時期が来たということかもしれない。
そこで、ガゼに訊いてみる。
「ねえガゼちゃん。ピクニックとかって行ったことある?」
「え? あるけど、どうして?」
「ここでもピクニックとか行けるのかなって思って」
そんなユウカの言葉に、ガゼの表情がパアッと明るくなった。
「もちろん行けるよ! ひょっとしてピクニックとか行きたい!?」
「え、あ、うん。行けるんなら行ってみたいなって」
ということで、急遽、ピクニックに行くことに決まったのだった。予定は次のユウカとガゼの休みが重なっている日。仕事は四勤二休で、一日だけ重なっているのだ。申し出れば長期休暇ももらえるが、今回はまずお試しのピクニックということで日帰りということになった。
そして休みが重なっていたメジェレナとヌラッカとマニ、さらにどこから聞き付けたのかレルゼーも一緒に行くことになったのだった。
レンとキリオとシェルミは仕事があって来られないし、ポルネリッカは当然部屋から出てこないし、クォ=ヨ=ムイは酒がないと釣れないしということで、今回は参加しない。
『ユウカの為なら仕事だってキャンセルするさ』とキリオは言っていたが、マネージャーがそんなことを許す筈もない。逆に言くるめられて『残念だけど次の機会を待つことにするよ』と引き下がることになった。
こうして、ピクニック当日、マニの用意した弁当を抱えて、ユウカ、ガゼ、レルゼー、メジェレナ、ヌラッカ、マニの六人はアパートを出発した。
「これがゲートだよ。今日は日帰りのピクニックだからキヨターキがいいかな」
ユウカ達が暮らす街にはあらゆるところに別のエリアへと繋がるゲートがあった。長距離の移動もそれで行えるので、大型の乗り物は殆ど発達しない。今回は徒歩で行くことになったのだった。
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