何でリアルな中世ヨーロッパを舞台にしないかですって? そんなのトイレ事情に決まってるでしょーが!!

京衛武百十

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現実にはどんな<いい人>だって不幸になる時はなる

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てなことを思いつつ、翌日、

「で、彼が住む家を探してるんだけど」

と、本来は休みの筈なのに詰所に<出勤>してたブルイファリドに、彼を紹介しつつお願いしてみた。

「は、はあ……分かりました。探してみます」

なんて、ブルイファリドも呆気に取られてる感じだったな。まあ、無理もないか。

だけどその日の夕方には、

「すぐ近所に、ちょうどよさげな空き物件がありました。少し古いですが、お二人で住むにはいい感じだと思いますよ」

って。

『いや、まだ二人で一緒に住むとは言ってない……!』

とは思ったけど、まあ、いいか。

「じゃあ、実際に見せてもらえますか?」

「お世話になります」

私とルイスベントがそう言うと、ブルイファリドは嬉しそうに笑顔を浮かべて、

「こちらです……!」

だってさ。

彼にしてみると、本来は国賓級の重要人物である私が独身用の職員宿舎に住んでるってのがどうにも落ち着かなかったらしい。だからせめて<家>に住んでもらえればと思っていたところに今回の話が出てきて、渡りに船ってことだったみたいだ。

で、案内された家は、

『思ってたよりも大きい……』

それは、この辺りではそこそこ力のあった商人が建てた家で、商売の本拠地を別の地方に移すことになったことで引き払ったものだった。確かに新しくはないけど造りはしっかりしてて、しかも二人で住むには少々大きすぎるかなっていうのも正直なところだったけど、

「…分かりました。ここでいいです……」

と承諾した。ブルイファリドが、

『お願いします…! ここで手を打ってください……!』

みたいな目で見てたから。

まあ、あの部屋じゃ資料とかサンプルとかを保管するのに手狭になってきたかなとは確かに思ってたしね。

という訳で早速、詰所の職員総出で新しい家の掃除と引っ越しを手伝ってくれることになった。

その中には、アルカセリスの姿もあった。

「ありがとう。でも、いいの……?」

さすがに若干の気まずさも感じながら問い掛けた私に、彼女は、

「カリンさんは私の国にとって大切なお客様ですから」

と、クマの浮かんだ顔で微笑みながら言ってくれた。だから私としても、

「ありがとう。でも無理しないでね」

って言うしかなかった。

「いい人ですね。彼女にも是非、いい人が見付かって欲しいものです」

私の傍に立ってルイスベントがそう言う。

「まったくだよ。彼女みたいなコが幸せになれないとか、あっちゃいけないことだって思う……」

もちろん、現実にはどんな<いい人>だって不幸になる時はなる。そんなことは分かってる。

だけど、正直な気持ちとしてはそう思うんだよね。

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