281 / 535
……ごめん、嘘です。ほとんどベントにやってもらってます
しおりを挟む
『なんだかおかしなことになってきちゃったな~……』
アルカセリスが使用人としてうちで働くことになって、さっそく今日から<仕事>を始めいろいろと手伝ってもらうことになった。彼女にやってもらうのは、基本的に使ってない部屋の清掃だ。私達が普段使う部屋については自分達で掃除とかしてる。
……ごめん、嘘です。ほとんどベントにやってもらってます。
ええ、そうですとも……!
だってだって! 彼の方が手際が良くて、私が資料のチェックやサンプルの整理をしてる間にさっさと片付けちゃうんだも~ん…!
ちくしょ~!
なんてこともありつつ、私達の<新生活>はこうして新たなスタートを切ったんだ。
だけど、懸念もある。
エマとアルカセリスのことだ。
二人の仕事は明確に分けて、なるべく顔を合わさずに済むように気を付けた。
庭掃除は、表玄関に通じる辺りはアルカセリスが。
表からはほとんど見えない辺りはエマにやってもらって、かつ、エマには夕暮れまでの間にそれを終わらせて奴隷小屋に戻ってもらうようにした。
アルカセリスは立場上は<使用人>だけど、使用人用のスペースはエマの為に使ってるから、アルカセリスには母屋の空き部屋を新たに<使用人室>にして、そこで待機してもらうことにした。お風呂は、公衆浴場の方に入ってもらう。
この邸宅を使ってた豪商はわざわざ使用人用のお風呂まで作ってたけど、むしろそれがここでは普通だからね。
まったく、どうしてここまで気を遣わなきゃいけないんだか。
普通にみんな一緒にいたらそれでいいじゃん。ほんっとにもうメンドくさい…!
使える資源や物資に余裕がなかった頃にはそうやって身分を厳しく分けて限りあるリソースを分配しないといけなかったんだろうけど、余裕ができてくればそこまでしなくてもよくなるのは、地球の歴史が証明してきてる。
余裕ができればその分だけ人間が増えてさらに資源や食料が必要になるというイタチごっこになったのも事実でありつつ、それは豊かになった先進諸国が少子化に転じたことからも分かる通り、発展するまでの一時的なことだろうし、そうなることが分かっているなら回避する方法だってあるはずだ。
『方法があったってどうせ同じ道を辿る』
って言う人もいるだろうけど、それは人間を馬鹿にし過ぎだと思う。
それに、たとえ同じ道を辿るとしても、だからと言って、
『身分制度を維持して厳しい戒律を守るべきだ』
とか言ったって、<同じ道>を辿るなら、いずれそれが崩壊するという同じ道を辿ることになる筈だよね。
だったら私は、エマがあんな目に遭わずに済むような社会を目指したい。
アルカセリスが使用人としてうちで働くことになって、さっそく今日から<仕事>を始めいろいろと手伝ってもらうことになった。彼女にやってもらうのは、基本的に使ってない部屋の清掃だ。私達が普段使う部屋については自分達で掃除とかしてる。
……ごめん、嘘です。ほとんどベントにやってもらってます。
ええ、そうですとも……!
だってだって! 彼の方が手際が良くて、私が資料のチェックやサンプルの整理をしてる間にさっさと片付けちゃうんだも~ん…!
ちくしょ~!
なんてこともありつつ、私達の<新生活>はこうして新たなスタートを切ったんだ。
だけど、懸念もある。
エマとアルカセリスのことだ。
二人の仕事は明確に分けて、なるべく顔を合わさずに済むように気を付けた。
庭掃除は、表玄関に通じる辺りはアルカセリスが。
表からはほとんど見えない辺りはエマにやってもらって、かつ、エマには夕暮れまでの間にそれを終わらせて奴隷小屋に戻ってもらうようにした。
アルカセリスは立場上は<使用人>だけど、使用人用のスペースはエマの為に使ってるから、アルカセリスには母屋の空き部屋を新たに<使用人室>にして、そこで待機してもらうことにした。お風呂は、公衆浴場の方に入ってもらう。
この邸宅を使ってた豪商はわざわざ使用人用のお風呂まで作ってたけど、むしろそれがここでは普通だからね。
まったく、どうしてここまで気を遣わなきゃいけないんだか。
普通にみんな一緒にいたらそれでいいじゃん。ほんっとにもうメンドくさい…!
使える資源や物資に余裕がなかった頃にはそうやって身分を厳しく分けて限りあるリソースを分配しないといけなかったんだろうけど、余裕ができてくればそこまでしなくてもよくなるのは、地球の歴史が証明してきてる。
余裕ができればその分だけ人間が増えてさらに資源や食料が必要になるというイタチごっこになったのも事実でありつつ、それは豊かになった先進諸国が少子化に転じたことからも分かる通り、発展するまでの一時的なことだろうし、そうなることが分かっているなら回避する方法だってあるはずだ。
『方法があったってどうせ同じ道を辿る』
って言う人もいるだろうけど、それは人間を馬鹿にし過ぎだと思う。
それに、たとえ同じ道を辿るとしても、だからと言って、
『身分制度を維持して厳しい戒律を守るべきだ』
とか言ったって、<同じ道>を辿るなら、いずれそれが崩壊するという同じ道を辿ることになる筈だよね。
だったら私は、エマがあんな目に遭わずに済むような社会を目指したい。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる