何でリアルな中世ヨーロッパを舞台にしないかですって? そんなのトイレ事情に決まってるでしょーが!!

京衛武百十

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カリンの為にと思って練習したんです。まだまだ上手くはできませんが……

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家に戻ると、アルカセリスは<使用人>としての仕事を始める。

掃除をして、食事の用意をして。

ただ、食事の用意をしている時の手つきを見ると、正直、危なっかしい印象もある。

「大丈夫?」

おぼつかない様子で食材を切り分けていく姿に、私も思わず声を掛けてしまう。

「すいません。修行不足なもので……」

申し訳なさそうに応える彼女に、

「私も手伝うよ」

と。

アルカセリスの料理の腕は、味そのものはまあまあ大丈夫なんだけど、見た目にはお世辞にも上手じゃなかった。普段あまり料理をしない人がやったんだなっていうのが見ただけでも分かる感じかな。

すると、私に続いて、

「私も手伝います」

って声が。

ベントだった。ベントも続けてキッチンに入ってきたんだ。

「すいません、すいません…!」

使用人なのに、家の人間に料理を手伝ってもらうという有り得ない状況がいたたまれないみたいで、アルカセリスは何度も頭を下げてた。

でも私は、

「はいはい、いいからいいから。そんなことしてる暇があったら手を動かす」

バンクレンチ達も一緒だった頃は自分達で食事を作るなんてことは殆どなくてだいたい外に食べに行ってたし、そのせいもあって<使用人>とか使うことにいまだに慣れてないから、自分もやった方が気が楽なんだ。

正直、私も料理はさっぱりな方だけど、こうやって手分けすればそれぞれ目の前の作業に集中できると思ったっていうのもある。しかも、ここの厨房、専門の料理人が何人も作業する為のもので、少人数の食事を用意するには無駄に広いんだよね。

で、三人で自分達の夕食を作ることになったんだけど、はっきり言って、女二人よりもベントの方がよっぽど手際が良かった。

おかしい。貴族の子息のクセになんでそんなに料理が上手い?

ついつい私が変な顔で見てるのを察したらしく、ベントは、

「カリンの為にと思って練習したんです。まだまだ上手くはできませんが……」

って、イヤミか? イヤミなのか!?

私とアルカセリスよりよっぽど美味しそうじゃないか!

お前は<〇水も〇みち>か!?

まあ、イケメン度で言ったらあちらの方が上だけどさ。

そんなこんなで、三人がかりで用意したのは、

川魚の煮物と、野菜のソテーと、大量のマッシュポテトだった。

煮物はベントが、野菜のソテーはアルカセリスが、マッシュポテトは私が作った。はっきり言ってただの力技だけど。

農作業とかも普段するから、力だけはあるんだよね。

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