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勉強って、本来、そういうものなのかなって
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『人生って不思議ですよね』
アルカセリスがそう言って土木関係の知識を身に付けて行った一方、エマの<汲み取りの仕事の引継ぎ>がようやく終わった。
これで晴れて私専用の奴隷ということになったわけだ。
「という訳で、今日からうちの仕事に専念してもらうから。余計なことは考えない、しない、とにかく私の言うことには口答えせずに従って。いいね?」
私にできる精一杯の尊大で横柄な態度で、畏まって立つ彼女にそう<命令>した。
で、まず、うちで仕事をする以上は、読み書きを覚えてもらう。
「……」
目の前に出された紙と羽ペンに、戸惑ったような視線を私に向ける。
「なに? その目は? 文句でもあるの?」
そう訊き返してやると、彼女はブンブンと頭を横に振って一層畏まった。
恐る恐る紙とペンを受け取り、手作りのボロッちいテーブルに置き、椅子に腰かけた。
それから私は、アルファベットによく似たこの国の言葉の一覧表をその前に差し出して、
「とにかくこれを真似して書きなさい。反抗も反論も認めない。とにかくやりなさい」
って高圧的に命令する。
内心では、
『やだな~、こういう教師とか大っ嫌いだったのに……』
なんて思いながら。
でもこうしないと怖がってやらないんだよね。紙とかペンとかに触るのすら畏れ多いって感じでさ。
あ~、メンドクサっ!
なんて思いながらも、とにかくやらせれば後はすごく真面目にやってくれるのも彼女の特徴だ。
壊れないか確かめながら、もう一つの手作りの椅子に腰かけて、彼女が文字を写し取っていく様子を見守る。
この辺りは、リレ達に読み書きを教えた時とよく似てる。彼女達もすごく真面目で、しかもやり始めるとだんだん分かってくるのが楽しいのか、目をキラキラさせて勉強に打ち込んでたな。
勉強って、本来、そういうものなのかなって、彼女達の様子を見てて余計に思った。
学ぶことそのものが<楽しい>ことなんだと思う。
分からなかったことが分かってくるのって、楽しいんだ。
それが当たり前にあると、押し付けられるのが苦痛になってくるのかな。
読み書きくらいはできた方がいいって私も思うけど、それ以上については、本人が楽しくできる範囲内で留めておいてあげるのも、勉強を楽しめるコツなのかもしれないね。
無理にやらされたことって、使わないとすぐに忘れちゃうし。
エマがこうやって命令しないとやらないのは、やりたくないからじゃなくて、余計なことをして怒られるのが怖いからなんだろうな。今まで、下手に何かに興味を持ったりするとそれで怒られたりしてきただろうしさ。
アルカセリスがそう言って土木関係の知識を身に付けて行った一方、エマの<汲み取りの仕事の引継ぎ>がようやく終わった。
これで晴れて私専用の奴隷ということになったわけだ。
「という訳で、今日からうちの仕事に専念してもらうから。余計なことは考えない、しない、とにかく私の言うことには口答えせずに従って。いいね?」
私にできる精一杯の尊大で横柄な態度で、畏まって立つ彼女にそう<命令>した。
で、まず、うちで仕事をする以上は、読み書きを覚えてもらう。
「……」
目の前に出された紙と羽ペンに、戸惑ったような視線を私に向ける。
「なに? その目は? 文句でもあるの?」
そう訊き返してやると、彼女はブンブンと頭を横に振って一層畏まった。
恐る恐る紙とペンを受け取り、手作りのボロッちいテーブルに置き、椅子に腰かけた。
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「とにかくこれを真似して書きなさい。反抗も反論も認めない。とにかくやりなさい」
って高圧的に命令する。
内心では、
『やだな~、こういう教師とか大っ嫌いだったのに……』
なんて思いながら。
でもこうしないと怖がってやらないんだよね。紙とかペンとかに触るのすら畏れ多いって感じでさ。
あ~、メンドクサっ!
なんて思いながらも、とにかくやらせれば後はすごく真面目にやってくれるのも彼女の特徴だ。
壊れないか確かめながら、もう一つの手作りの椅子に腰かけて、彼女が文字を写し取っていく様子を見守る。
この辺りは、リレ達に読み書きを教えた時とよく似てる。彼女達もすごく真面目で、しかもやり始めるとだんだん分かってくるのが楽しいのか、目をキラキラさせて勉強に打ち込んでたな。
勉強って、本来、そういうものなのかなって、彼女達の様子を見てて余計に思った。
学ぶことそのものが<楽しい>ことなんだと思う。
分からなかったことが分かってくるのって、楽しいんだ。
それが当たり前にあると、押し付けられるのが苦痛になってくるのかな。
読み書きくらいはできた方がいいって私も思うけど、それ以上については、本人が楽しくできる範囲内で留めておいてあげるのも、勉強を楽しめるコツなのかもしれないね。
無理にやらされたことって、使わないとすぐに忘れちゃうし。
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