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スクール
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サーシャとゴードンは、家が隣同士だった。だから行き帰りはいつも一緒なのだ。
「うん」
サーシャも柔らかい笑顔で応える。背が伸び、顔立ちもあどけなさを残しながらも明らかに女性らしさも増した彼女だったが、恋愛云々についてはまだよく分からなかった。恋物語などには興味を示しつつも、自分のこととしては実感がなかった。
それでも、ゴードンのことは頼りにしていた。先日の体育の時間にも足をくじいてしまった自分を真っ先に抱きかかえて診療所に連れて行ってくれたりもした彼に対しては、頼もしさを感じていた。
ちなみに、イニティウムタウン唯一の学校であるここは、小学校から大学までの一貫校で、単に<スクール>と呼ばれている。他に学校がないからまだ名前が必要なかったのだが、ここには保健室というものがない。現状の生徒数は二百名にも満たず施設もあくまで仮設のものなので、学校の敷地に併設された診療所がそのまま保健室の役目も果たしていた。そこまで彼は彼女を抱きかかえていってくれたのである。この時にはさすがにトキメキのようなものは感じていたりもした。
とは言えまだまだ本格的な恋愛には程遠い。それに、町と同じで彼女達の青春は始まったばかりなのだから。
並んで歩くサーシャとゴードンを羨ましそうに見詰める姿も散見されたが、お似合いのカップルと目されていた二人のことは、皆、祝福していたのだった。
もっと人数が増え、価値観が多様化していけばそれに伴う軋轢やすれ違いなども生じ始めるかもしれないが、メイトギアとメイトギア人間を親代わりに育った彼女達は皆穏やかで、大きな衝突を起こすような差異がなかったのである。
だがこの時、サーシャにとってはあまりに思いがけないことが起こった。突然、自分とゴードンの前に立ち塞がる三つの人影があった。それがメイトギアであることはすぐに分かった。しかし、その手には自動小銃が握られていたのである。
「サーシャ。私達はあなたを傷付けることはしません。私達はあなたを保護しに来たのです。指示に従ってください」
真ん中にいたメイトギアが静かにそう話しかけ、サーシャの体に手を回そうとした。しかし。
「何をするんだ! 彼女に触るな!」
そう声を上げて、ゴードンがサーシャを庇うように割って入る。
「あなたには用はありません。無駄な抵抗はおやめなさい」
冷静に声を掛けながら、別のメイトギアがゴードンを押し退けようとした。その腕に掴まり、彼は渾身の力で抵抗を試みた。その瞬間、「パン!」と乾いた音が校庭に響いた。
「きゃーっ!!」
そして女子生徒の悲鳴が続いて響いたのだった。
「うん」
サーシャも柔らかい笑顔で応える。背が伸び、顔立ちもあどけなさを残しながらも明らかに女性らしさも増した彼女だったが、恋愛云々についてはまだよく分からなかった。恋物語などには興味を示しつつも、自分のこととしては実感がなかった。
それでも、ゴードンのことは頼りにしていた。先日の体育の時間にも足をくじいてしまった自分を真っ先に抱きかかえて診療所に連れて行ってくれたりもした彼に対しては、頼もしさを感じていた。
ちなみに、イニティウムタウン唯一の学校であるここは、小学校から大学までの一貫校で、単に<スクール>と呼ばれている。他に学校がないからまだ名前が必要なかったのだが、ここには保健室というものがない。現状の生徒数は二百名にも満たず施設もあくまで仮設のものなので、学校の敷地に併設された診療所がそのまま保健室の役目も果たしていた。そこまで彼は彼女を抱きかかえていってくれたのである。この時にはさすがにトキメキのようなものは感じていたりもした。
とは言えまだまだ本格的な恋愛には程遠い。それに、町と同じで彼女達の青春は始まったばかりなのだから。
並んで歩くサーシャとゴードンを羨ましそうに見詰める姿も散見されたが、お似合いのカップルと目されていた二人のことは、皆、祝福していたのだった。
もっと人数が増え、価値観が多様化していけばそれに伴う軋轢やすれ違いなども生じ始めるかもしれないが、メイトギアとメイトギア人間を親代わりに育った彼女達は皆穏やかで、大きな衝突を起こすような差異がなかったのである。
だがこの時、サーシャにとってはあまりに思いがけないことが起こった。突然、自分とゴードンの前に立ち塞がる三つの人影があった。それがメイトギアであることはすぐに分かった。しかし、その手には自動小銃が握られていたのである。
「サーシャ。私達はあなたを傷付けることはしません。私達はあなたを保護しに来たのです。指示に従ってください」
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「何をするんだ! 彼女に触るな!」
そう声を上げて、ゴードンがサーシャを庇うように割って入る。
「あなたには用はありません。無駄な抵抗はおやめなさい」
冷静に声を掛けながら、別のメイトギアがゴードンを押し退けようとした。その腕に掴まり、彼は渾身の力で抵抗を試みた。その瞬間、「パン!」と乾いた音が校庭に響いた。
「きゃーっ!!」
そして女子生徒の悲鳴が続いて響いたのだった。
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