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乖離
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「サーシャ、あなたに会わせたい人がいます。私と一緒に来てくださいますか?」
『会わせたい人……?』
研究所とイニティウムタウンの官邸を制圧した後、サーシャを乗せたワンボックスカーはいつの間にか止まっていた。そこは、かつてレストランだったと思しき店舗の駐車場だった。その後ろに、トラックが止まる。ワンボックスカーを追ってイニティウムタウンから出てきたトラックだった。
そのトラックから降りてきたメイトギアに、サーシャは見覚えがあった。以前、町で何度か見かけたメイトギアだ。確か……
「タリア…えっと…?」
そう、それはタリアP55SIだった。
「久しぶりですね。サーシャ」
タリアP55SIは穏やかにそう話しかけた。だが、サーシャは厳しい表情で睨み返し、言った。
「私に会わせたい人って、この人?」
その言葉には、明らかな拒絶と反発が込められているのが分かった。そんな彼女にタリアP55SIは静かに首を横に振る。
「いえ、私ではありません。あなたに会わせたいのは、彼です」
と言いながら、タリアP55SIはサーシャの背後に視線を向けた。それにつられて振り向いた彼女の視線の先には、Tシャツにジーンズ姿の一人の少年が立っていたのだった。
『…誰?』
まったく見覚えのない何者かと引き合わされて、サーシャは戸惑うしかできなかった。心当たりさえない。怪訝そうに少年を見詰める彼女に、タリアP55SIが穏やかな感じで語りかけた。
「サーシャ。彼は人間です。あなたと同じ。クローンでもデザインベビーでもない、純粋な人間です」
そう話すタリアP55SIの言葉は、どこか誇らしげな印象もあった。自分が探し出した人間を紹介できることを誇っているのだと思われた。
無理もない。彼女がサーシャの為を思えばこそ探し求めていた人間なのだから。
だが、サーシャの受け取り方はそうではなかった。この時、少女の中にあったのは、ぐるぐると自分の中で渦巻いて膨れ上がる、得体の知れない感情だった。
『人間……人間って……!』
目の前にいるのは確かに人間に見える。だが、サーシャには分からなかった。自分を攫ってきたメイトギアが傷付けたゴードンのどこがこの少年と違うと言うのか? 容姿は多少違うかも知れなくても、ゴードンにも確かに赤い血が流れていた。自分はこの目で見たのだ。サーシャはそれが納得いかなかった。そのつぶらな目から、また大粒の涙が溢れる。
「人間人間ってあなたたちは言うけど、あなた達が傷付けたゴードンだって人間よ!? 私やこの子と同じ人間なんだよ!? 私、あなたたちを許さない!」
拳を握り締め、体を震わせながらサーシャは叫んだのだった。
『会わせたい人……?』
研究所とイニティウムタウンの官邸を制圧した後、サーシャを乗せたワンボックスカーはいつの間にか止まっていた。そこは、かつてレストランだったと思しき店舗の駐車場だった。その後ろに、トラックが止まる。ワンボックスカーを追ってイニティウムタウンから出てきたトラックだった。
そのトラックから降りてきたメイトギアに、サーシャは見覚えがあった。以前、町で何度か見かけたメイトギアだ。確か……
「タリア…えっと…?」
そう、それはタリアP55SIだった。
「久しぶりですね。サーシャ」
タリアP55SIは穏やかにそう話しかけた。だが、サーシャは厳しい表情で睨み返し、言った。
「私に会わせたい人って、この人?」
その言葉には、明らかな拒絶と反発が込められているのが分かった。そんな彼女にタリアP55SIは静かに首を横に振る。
「いえ、私ではありません。あなたに会わせたいのは、彼です」
と言いながら、タリアP55SIはサーシャの背後に視線を向けた。それにつられて振り向いた彼女の視線の先には、Tシャツにジーンズ姿の一人の少年が立っていたのだった。
『…誰?』
まったく見覚えのない何者かと引き合わされて、サーシャは戸惑うしかできなかった。心当たりさえない。怪訝そうに少年を見詰める彼女に、タリアP55SIが穏やかな感じで語りかけた。
「サーシャ。彼は人間です。あなたと同じ。クローンでもデザインベビーでもない、純粋な人間です」
そう話すタリアP55SIの言葉は、どこか誇らしげな印象もあった。自分が探し出した人間を紹介できることを誇っているのだと思われた。
無理もない。彼女がサーシャの為を思えばこそ探し求めていた人間なのだから。
だが、サーシャの受け取り方はそうではなかった。この時、少女の中にあったのは、ぐるぐると自分の中で渦巻いて膨れ上がる、得体の知れない感情だった。
『人間……人間って……!』
目の前にいるのは確かに人間に見える。だが、サーシャには分からなかった。自分を攫ってきたメイトギアが傷付けたゴードンのどこがこの少年と違うと言うのか? 容姿は多少違うかも知れなくても、ゴードンにも確かに赤い血が流れていた。自分はこの目で見たのだ。サーシャはそれが納得いかなかった。そのつぶらな目から、また大粒の涙が溢れる。
「人間人間ってあなたたちは言うけど、あなた達が傷付けたゴードンだって人間よ!? 私やこの子と同じ人間なんだよ!? 私、あなたたちを許さない!」
拳を握り締め、体を震わせながらサーシャは叫んだのだった。
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