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瓦解
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『フィーナQ3-Ver.2002! 何故ここに!?』
メルシュ博士の研究施設を制圧したフィーナQ3-Ver.1911の前に、リルフィーナが立っていた。
『まさか…罠…!?』
その通りだった。すべてはメルシュ博士によって仕組まれた実験の一部でしかなかったのだ。この時、既に、彼女らの計画は終わりを告げていたのである。
ロボットとの戦闘になることも想定してハンドカノンを装備していたメイトギアもいて、火力だけならフィーナQ3-Ver.1911の側が有利な筈だった。しかし、殆どが百年前後の時間を経た旧式のメイトギアと、現行型最強を誇るフィーナQ3-Ver.2002であるリルフィーナが相手では、次元が違いすぎた。演算能力も反応速度も的確な機体制御も、何もかもが圧倒的なのである。開発時期に三十年ほどの開きがあるスポーツカーに技能が同等のドライバーを乗せて、あくまでマシンの性能で決定的に差がつくサーキットでレースをさせるようなものだろう。しかも新しい方は完璧なメンテナンスが行われ、古い方は簡易なメンテナンスしか行われていない状態である。
そもそも最初から勝負にすらならない。
同じフィーナQ3同士であれば、さらにその差は歴然だった。超振動ワイヤーの出力さえ違うし、ワイヤーの制御の正確さも比べ物にならない。
『せめて一太刀……!』
そんなことを考えたフィーナQ3-Ver.1911の想いも届かない。両腕を切り落とされ超振動ワイヤーを失って最後の足掻きと蹴りを繰り出すが、ガキャッ!っという破壊音と共に膝の部分が逆方向に折れ曲がった。リルフィーナの強烈な掌底による一撃で粉砕されたのだ。
『こんな…こんなことって……』
それが、フィーナQ3-Ver.1911の最後の思考だった。再び伸ばされたリルフィーナの超振動ワイヤーが彼女の体を捉え、メインフレームごと切り分けられていく。
ロボットの体を持つメルシュ博士のいる手術室に踏み込んだメイトギアも、ことごとくバラバラに切り刻まれて朽ち果てた。博士を人質に取るという手段も考えられたかもしれないが、実際にはただのインターフェースでしかないそれが人質として成立する筈もなかった。
さらにこの時、イニティウムタウンで、フィリス・フォーマリティの執務室につながる別のドアを開けてメイトギア達の前に現れたのは、白衣を纏った方のメルシュ博士であった。
「ま、こういうことだよ。残念だったね」
静かにそう声を掛けながら、博士はポケットの中のスイッチを押す。その瞬間、その場にいた全てのメイトギア及びフィリス・フォーマリティも床に倒れ伏したのだった。
メルシュ博士の研究施設を制圧したフィーナQ3-Ver.1911の前に、リルフィーナが立っていた。
『まさか…罠…!?』
その通りだった。すべてはメルシュ博士によって仕組まれた実験の一部でしかなかったのだ。この時、既に、彼女らの計画は終わりを告げていたのである。
ロボットとの戦闘になることも想定してハンドカノンを装備していたメイトギアもいて、火力だけならフィーナQ3-Ver.1911の側が有利な筈だった。しかし、殆どが百年前後の時間を経た旧式のメイトギアと、現行型最強を誇るフィーナQ3-Ver.2002であるリルフィーナが相手では、次元が違いすぎた。演算能力も反応速度も的確な機体制御も、何もかもが圧倒的なのである。開発時期に三十年ほどの開きがあるスポーツカーに技能が同等のドライバーを乗せて、あくまでマシンの性能で決定的に差がつくサーキットでレースをさせるようなものだろう。しかも新しい方は完璧なメンテナンスが行われ、古い方は簡易なメンテナンスしか行われていない状態である。
そもそも最初から勝負にすらならない。
同じフィーナQ3同士であれば、さらにその差は歴然だった。超振動ワイヤーの出力さえ違うし、ワイヤーの制御の正確さも比べ物にならない。
『せめて一太刀……!』
そんなことを考えたフィーナQ3-Ver.1911の想いも届かない。両腕を切り落とされ超振動ワイヤーを失って最後の足掻きと蹴りを繰り出すが、ガキャッ!っという破壊音と共に膝の部分が逆方向に折れ曲がった。リルフィーナの強烈な掌底による一撃で粉砕されたのだ。
『こんな…こんなことって……』
それが、フィーナQ3-Ver.1911の最後の思考だった。再び伸ばされたリルフィーナの超振動ワイヤーが彼女の体を捉え、メインフレームごと切り分けられていく。
ロボットの体を持つメルシュ博士のいる手術室に踏み込んだメイトギアも、ことごとくバラバラに切り刻まれて朽ち果てた。博士を人質に取るという手段も考えられたかもしれないが、実際にはただのインターフェースでしかないそれが人質として成立する筈もなかった。
さらにこの時、イニティウムタウンで、フィリス・フォーマリティの執務室につながる別のドアを開けてメイトギア達の前に現れたのは、白衣を纏った方のメルシュ博士であった。
「ま、こういうことだよ。残念だったね」
静かにそう声を掛けながら、博士はポケットの中のスイッチを押す。その瞬間、その場にいた全てのメイトギア及びフィリス・フォーマリティも床に倒れ伏したのだった。
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