6 / 115
リリアテレサの章
モーテル
しおりを挟む
モーテルに到着すると、さっそく<奴ら>が出てきた。<動く死体>だ。三体いる。元は成人男性だったと思われるラフな格好のが二体。ワンピース姿の髪の長い女性だったと思われるのが一体。モーテルの客だった可能性が高いか。人間がいたところではどうしても奴らがいる可能性が高くなる。
コンビニに立ち寄った時に回収していた包丁二本を手に、私は手近な奴から始末した。一切の手加減なく頭に包丁を突き立てて、その中にある<器官>を破壊すると、即座に活動を停止する。出血は殆どない。こいつらの頭の中にあるのは<脳>じゃないからだ。生体で構成はされているけれど、機能的にはむしろ私達のに近い器官。そう、電子頭脳に。
それを破壊すればこいつらは活動を停止する。簡単な話だ。
こいつらの頭の中にあるのが人間の脳じゃない以上、こいつらは既に<人間>じゃない。私はそれを知ってるから手加減なく対処できる。でなければ、私達ロボットは決して人間を傷付けることができない。もし倫理回路が故障しようものなら即座にセーフティーが働いて電源が落ちるように設計されている。それをかいくぐるには、そういう改造を施すしかないけれど、当然、厳重に禁止されていた。破ればテロの準備をしているとして逮捕され、終身刑すらあり得る重罪だ。
でも、相手が<人間>じゃないならそもそも関係ない。
二体目の頭に包丁を突き立てた時、バキン!と音を立てて包丁の刃が根元から折れた。こんな使い方は想定されていないから無理もないか。
三体目も残った包丁で始末する。
取り敢えず目についた奴をまず始末して、私はセンサーの感度を上げてモーテル内の気配を探った。部屋の中などにもいるかもしれないからだ。
だけど、それは探知できなかった。部屋の中で感染して発症した奴は、部屋から出られず食料を確保できず、そのまま活動を停止した可能性がある。試しに手近な部屋を開けてみると、そこには二つの人間の形をした塵の山と服があった。活動を停止したこいつらの成れの果てだ。骨さえ残さず塵と化す。コンビニにあったのも、何かの理由で活動を停止したこいつらの一体が塵になったものだろう。
モーテルの事務所も開けてみたけれど、そこには何もいなかった。ドアは自動ドアだったから、外に出られたんだろうな。
あと、ここまで店舗を管理する為のAIの信号を受信できなかった。その原因も判明する。事務所の奥にあったAI用のサーバーが壊れていた。と言っても、室内のあちこちに弾痕があったから、ここにいた誰かが闇雲に発砲したのが当たったのかもしれない。まあこの方が煩いことを言われなくて済むからいいけど。
事務所の机の引出しを開けると、自衛用の拳銃があった。私はそれを手に取って、他にも使えそうなものがないか探ってみる。予備の弾丸、五十発入りが二箱。レジには金もそのままだった。今では何の役にも立たないけどね。
事務所のロッカーにあった業務用掃除機で、私はさっきの客室の中を掃除した。これが私の元々の役目だから慣れたものだ。
そして私とリリア・ツヴァイは、その部屋で一晩を過ごしたのだった。
コンビニに立ち寄った時に回収していた包丁二本を手に、私は手近な奴から始末した。一切の手加減なく頭に包丁を突き立てて、その中にある<器官>を破壊すると、即座に活動を停止する。出血は殆どない。こいつらの頭の中にあるのは<脳>じゃないからだ。生体で構成はされているけれど、機能的にはむしろ私達のに近い器官。そう、電子頭脳に。
それを破壊すればこいつらは活動を停止する。簡単な話だ。
こいつらの頭の中にあるのが人間の脳じゃない以上、こいつらは既に<人間>じゃない。私はそれを知ってるから手加減なく対処できる。でなければ、私達ロボットは決して人間を傷付けることができない。もし倫理回路が故障しようものなら即座にセーフティーが働いて電源が落ちるように設計されている。それをかいくぐるには、そういう改造を施すしかないけれど、当然、厳重に禁止されていた。破ればテロの準備をしているとして逮捕され、終身刑すらあり得る重罪だ。
でも、相手が<人間>じゃないならそもそも関係ない。
二体目の頭に包丁を突き立てた時、バキン!と音を立てて包丁の刃が根元から折れた。こんな使い方は想定されていないから無理もないか。
三体目も残った包丁で始末する。
取り敢えず目についた奴をまず始末して、私はセンサーの感度を上げてモーテル内の気配を探った。部屋の中などにもいるかもしれないからだ。
だけど、それは探知できなかった。部屋の中で感染して発症した奴は、部屋から出られず食料を確保できず、そのまま活動を停止した可能性がある。試しに手近な部屋を開けてみると、そこには二つの人間の形をした塵の山と服があった。活動を停止したこいつらの成れの果てだ。骨さえ残さず塵と化す。コンビニにあったのも、何かの理由で活動を停止したこいつらの一体が塵になったものだろう。
モーテルの事務所も開けてみたけれど、そこには何もいなかった。ドアは自動ドアだったから、外に出られたんだろうな。
あと、ここまで店舗を管理する為のAIの信号を受信できなかった。その原因も判明する。事務所の奥にあったAI用のサーバーが壊れていた。と言っても、室内のあちこちに弾痕があったから、ここにいた誰かが闇雲に発砲したのが当たったのかもしれない。まあこの方が煩いことを言われなくて済むからいいけど。
事務所の机の引出しを開けると、自衛用の拳銃があった。私はそれを手に取って、他にも使えそうなものがないか探ってみる。予備の弾丸、五十発入りが二箱。レジには金もそのままだった。今では何の役にも立たないけどね。
事務所のロッカーにあった業務用掃除機で、私はさっきの客室の中を掃除した。これが私の元々の役目だから慣れたものだ。
そして私とリリア・ツヴァイは、その部屋で一晩を過ごしたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
暗算参謀は王国を追放される――戦わずして勝ち続けた男の失脚譚――
まさき
ファンタジー
現代日本から異世界へ転生した主人公。
彼に与えられた唯一の能力は、瞬時にあらゆる数値を弾き出す「暗算」だった。
剣も魔法も使えない。
だが確率と戦略を読み解くことで、王国の戦を幾度も勝利へ導いていく。
やがて王国の戦略顧問として絶大な信頼を得るが、
完璧すぎる功績は貴族の嫉妬を招き、巧妙な罠により不正の罪を着せられてしまう。
証明できぬ潔白。
国の安定を優先した王の裁定。
そして彼は、王国を追放される。
それでも彼は怒らない。
数字は嘘をつかないと知っているからだ。
戦わずして勝ち続けた参謀が、国を去るその日までを描く、
知略と静かな誇りの異世界戦略譚。
スキル買います
モモん
ファンタジー
「お前との婚約を破棄する!」
ローズ聖国の国立学園第139期卒業記念パーティーの日、第3王子シュナル=ローズレアは婚約者であるレイミ・ベルナール子爵家息女に宣言した。
見習い聖女であるレイミは、実は対価と引き換えにスキルを買い取ることのできる特殊な能力を有していた。
婚約破棄を受け入れる事を対価に、王子と聖女から特殊なスキルを受け取ったレイミは、そのまま姿を消した。
レイミと王妃の一族には、数年前から続く確執があり、いずれ王子と聖女のスキル消失が判明すれば、原因がレイミとの婚約破棄にあると疑われるのは明白だ。
そして、レイミを鑑定すれば消えたスキルをレイミがもっている事は明確になってしまうからだ。
かくして、子爵令嬢の逃走劇が幕を開ける。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
異世界転生したおっさんが普通に生きる
カジキカジキ
ファンタジー
第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位
応援頂きありがとうございました!
異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界
主人公のゴウは異世界転生した元冒険者
引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。
知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる