私が異世界物を書く理由

京衛武百十

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『編集がいなくちゃ、作家はそれこそ好き勝手なことしかしない』それは確かにあると思う。だって、<作品>と<商品>は、別物だから。<商品>に

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『編集がいなくちゃ、作家はそれこそ好き勝手なことしかしない』

それは確かにあると思う。だって、<作品>と<商品>は、別物だから。

<商品>にするためには<客観的な目>ってのも必要なのは事実だと私も思う。

だけどさ、散々<商品作り>に携わってきてるはずの編集の意見が常に正しいってわけじゃないじゃん? 事実、編集の言うとおりに作った作品が鳴かず飛ばずで終わることも現にあるじゃん。

凄腕編集者が担当した作品がすべて大ヒットを飛ばすなら、その編集者はむしろ生涯、現場にいるべきじゃないの? 現場で作家の担当を続けるべきじゃないの? 出世なんかさせちゃダメなんじゃないの?

<売れる商品>を生み出し続けたいのならさ。

でも、<担当した作品がすべて大ヒットを飛ばす編集者>なんて、どれだけいる? どれだけいた? 五人? 十人? 百人はいないでしょ。それどころか、一人もいないかもしれない。たとえ一人二人いたところで、その人がいなくなったらおしまいじゃん。

『<担当した作品がすべて大ヒットを飛ばす編集者>を意図的に作り出す』

ことができないならさ。ただの<偶然の産物>じゃん。

その偶然に産物に頼るのが、<商売>なの? 商売ってそんなことで成り立つの?

違うじゃん。

ただ<商品>を生み出し利益を得続けるのが目的なら、偶然の産物みたいな大ホームランを狙うより、コストを下げて確実な利益を生み出してくれる小さなヒットを狙う方が、正しいんじゃないの? 漫画やアニメや小説に限らず、今のエンタメ業界って、そういう形で商売してるって印象があるんだけどな。

自分の好みばっかり押し付けようとしてごちゃごちゃ煩い消費者なんかの相手をしてるより細かく確実に稼ごうとしてる。っていう印象しかないんだけどな。

それこそ、<作品の質>よりも、

『手元にある<商材>をいかに金に換えるか』

ってのが重視されてる気がする。<作品作り>に対して熱意が感じられない気がするんだよね。

ほしいのは、安く用意できて、大きな利益は出さなくても確実に利益を出すもの。となればやっぱり<コスト>はかけられない。変な拘りを発揮する熱意なんて邪魔なだけ。

で、たまに偶発的に大ホームランが出たら、とことんしゃぶりつくす。それこそ、ダメになるまで。

そんな印象、ない?

私はそんな印象しかないんだよね。

だから、自分の好みに合わないからっていくらケチ付けても、ううん、そんな形でケチを付けるからこそ、<商品>を作る側も、熱意なんて込めてられなくなってる気しかしないんだよ。

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