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ちゃんと言葉にして伝えないと
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『私はこんなに好きなのに、ウルイは私のことを<子供>としか思ってない気がする……!』
イティラは幸せだった。上手いものを食べられなくても、可愛らしい服で着飾れなくても、キラキラと美しい宝石を手にできなくても、まったく気にならなかった。
なにしろ、自分がこうして生きていられることが楽しいのだ。ウルイと一緒に狩をして、自分がウルイの役に立ってることが、ウルイが自分を頼りにしてくれているのが嬉しくて仕方ない。
が、それが楽しいからこそ、僅かな<不満>がむしろ際立ってしまうのかもしれない。
『ウルイが自分を子供扱いしている気がする』
という部分が。
いや、実際にまだ子供なのだが、それでもこう、恋心的な意味ではもう十分に育っていると思うのだ。
だから彼女は、夕食で彼と向き合っている時に言った。
「ウルイは優しいよ? 私のこと大切にしてくれてるのも分かるよ? でもさ、そうじゃないんだよ。それだけじゃないんだよ。
私、あなたのこと、<お父さん>だとか思ってないんだからね、お父さんとしてじゃなくて、男の人として好きなんだからね、ウルイ……!」
と、はっきりと。
言うべきことは、自分が思ってることはちゃんと言葉にして伝えないといけないのは、『好き』だと打ち明けた時に実感した。だから今度もそれを言葉にする。
けれど、肝心のウルイの方は、
「そうか……俺は気が利かない男だからな……イティラの思ってることに気付いてやれなくてすまない……だからこれからも気に入らないことがあったら言ってくれ……なるべく努力するから……」
とは言うものの、それは完全に、
<子供の不平不満に対して、しっかりと耳を傾けようとしている親>
の姿でしかなかった。明らかにそれ以外の意図がないのがはっきりと分かる。
分かってしまう。
ウルイ自身は<親>をやってるつもりはなくても、無自覚でも、まぎれもなく親のそれだと。
「違うよ! そうじゃないんだよ! 私の言いたいのはそういうことじゃなくて……!」
ここまではっきり言ってるのに自分の<想い>が伝わらないことがもどかしくて、イティラは気持ちが昂ぶってしまう。
しかし、客観的に見るとそれは、やはり、
<子供が我儘を言っている>
姿以外の何ものにも見えないのも事実。
親子と言われればそうとしか見えないくらいに歳の差を感じさせる、何より、当のイティラ自身がまだまだあどけなさの残る<子供>そのものの振る舞いだから、ウルイばかりが悪いわけでもないのだろう。
「ウルイのバカ! ボクネンジン! 鈍感男! べーっ!!
もう、寝る!!」
今の彼女なりに精一杯痛罵して、イティラは背中を向けて横になってしまった。
そんな彼女に、ウルイは苦笑いを浮かべる。
『やっぱり、こんな風にして急に感情的になるんだな。女って……』
などと思ってしまったりもする。
ただ、それでいて、子供の頃に見ていたヒステリックに金切り声を上げる女達に対して感じていたものは、不思議と湧いてこなかった。
『五月蝿え、消えて失せろ……!』
という悪感情は。
それはきっと、イティラ自身が本質的に誠実でいられているからなのだろう。
イティラは幸せだった。上手いものを食べられなくても、可愛らしい服で着飾れなくても、キラキラと美しい宝石を手にできなくても、まったく気にならなかった。
なにしろ、自分がこうして生きていられることが楽しいのだ。ウルイと一緒に狩をして、自分がウルイの役に立ってることが、ウルイが自分を頼りにしてくれているのが嬉しくて仕方ない。
が、それが楽しいからこそ、僅かな<不満>がむしろ際立ってしまうのかもしれない。
『ウルイが自分を子供扱いしている気がする』
という部分が。
いや、実際にまだ子供なのだが、それでもこう、恋心的な意味ではもう十分に育っていると思うのだ。
だから彼女は、夕食で彼と向き合っている時に言った。
「ウルイは優しいよ? 私のこと大切にしてくれてるのも分かるよ? でもさ、そうじゃないんだよ。それだけじゃないんだよ。
私、あなたのこと、<お父さん>だとか思ってないんだからね、お父さんとしてじゃなくて、男の人として好きなんだからね、ウルイ……!」
と、はっきりと。
言うべきことは、自分が思ってることはちゃんと言葉にして伝えないといけないのは、『好き』だと打ち明けた時に実感した。だから今度もそれを言葉にする。
けれど、肝心のウルイの方は、
「そうか……俺は気が利かない男だからな……イティラの思ってることに気付いてやれなくてすまない……だからこれからも気に入らないことがあったら言ってくれ……なるべく努力するから……」
とは言うものの、それは完全に、
<子供の不平不満に対して、しっかりと耳を傾けようとしている親>
の姿でしかなかった。明らかにそれ以外の意図がないのがはっきりと分かる。
分かってしまう。
ウルイ自身は<親>をやってるつもりはなくても、無自覚でも、まぎれもなく親のそれだと。
「違うよ! そうじゃないんだよ! 私の言いたいのはそういうことじゃなくて……!」
ここまではっきり言ってるのに自分の<想い>が伝わらないことがもどかしくて、イティラは気持ちが昂ぶってしまう。
しかし、客観的に見るとそれは、やはり、
<子供が我儘を言っている>
姿以外の何ものにも見えないのも事実。
親子と言われればそうとしか見えないくらいに歳の差を感じさせる、何より、当のイティラ自身がまだまだあどけなさの残る<子供>そのものの振る舞いだから、ウルイばかりが悪いわけでもないのだろう。
「ウルイのバカ! ボクネンジン! 鈍感男! べーっ!!
もう、寝る!!」
今の彼女なりに精一杯痛罵して、イティラは背中を向けて横になってしまった。
そんな彼女に、ウルイは苦笑いを浮かべる。
『やっぱり、こんな風にして急に感情的になるんだな。女って……』
などと思ってしまったりもする。
ただ、それでいて、子供の頃に見ていたヒステリックに金切り声を上げる女達に対して感じていたものは、不思議と湧いてこなかった。
『五月蝿え、消えて失せろ……!』
という悪感情は。
それはきっと、イティラ自身が本質的に誠実でいられているからなのだろう。
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