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「昨日は言い過ぎた…ごめんなさい……」
翌朝、ウルイより先に目覚めて彼の寝顔をずっと見詰めていたイティラが、落ち込んだ様子でそう詫びてきた。
とは言え、
「ん…? ああ、大丈夫だ。気にするな……」
ウルイはそれこそ平然とした様子で応え、彼女の頭を撫でてくれた。
「……~♡」
そんな彼に、イティラも申し訳なさそうにしながらも、同時に嬉しそうに笑みを浮かべる。その様子がまた愛らしくて、ウルイの表情がほころんだ。
実際、ウルイ自身、大して気にもしていなかった。不思議と気にもならなかった。ただただ、
『そういうものだ』
と思えていた。
ただしこれ自体、ウルイの<器>が大きいというだけでなく、イティラがこうして、
『言い過ぎたかもしれない』
と自省して詫びることができる<器>を備えていたからというのもある。
ウルイが彼女の<器>を育ててきたことで、彼自身にとっても受け止め切れる存在でいてくれたのだ。
手間を惜しむことなく彼女も言葉に耳を傾け、気持ちを受け止めるようにしてきたから、イティラも彼と同じことができるようになりつつあるということだ。
もし、ウルイが、彼女の言葉に耳を傾けず気持ちを受け止めようともしない態度を取ってきていれば、幼く未熟で<心持つ者としての在り方>を学んでいる最中だったイティラも、そんな姿勢を学び取ってしまい、ウルイの言葉に耳を貸さず気持ちを受け止めようともしない者に育ってしまっていた可能性は高い。
つまり、ウルイ自身が、
『自分にとって受け入れ難い者を作り上げてしまっていた』
かもしれないのだ。
けれど、彼自身がキトゥハの姿から学んだ姿勢を実践することで、今の、
『昨日は言い過ぎた…ごめんなさい……』
と、自らの態度を省みることができる者としてイティラも育つことができた。
『情けは人のためならず』
なる言葉があるが、それはこういうことも差しているのかもしれない。イティラを気遣い敬うウルイの姿勢が、結果として彼女を、気遣いのできる者に育てることとなったのだから。
また、楽をして自分に都合のよい結果を得ようとすれば結局は余計な面倒を引き起こすということも、よくある話だろう。
そこで手を抜かず横着をせず、確実に手間をかけてきたことで、今の関係を築くことができた。ウルイにとっては望外の出来だったと言える。
とは言え、それはあくまで『ウルイにとっては』の話。
イティラとしてはこれでは物足りなかった。十分ではなかった。
なぜなら彼女は、ウルイに<恋>をしているから。ウルイに、
『女性として愛してもらいたい』
から。
それを望むなら、ここからは彼女が努力しなくてはならないだろう。
仮にも<大人>である彼に、自分が、
<生涯の伴侶>
として相応しい者であることを認めてもらわなくてはいけないのだから。
翌朝、ウルイより先に目覚めて彼の寝顔をずっと見詰めていたイティラが、落ち込んだ様子でそう詫びてきた。
とは言え、
「ん…? ああ、大丈夫だ。気にするな……」
ウルイはそれこそ平然とした様子で応え、彼女の頭を撫でてくれた。
「……~♡」
そんな彼に、イティラも申し訳なさそうにしながらも、同時に嬉しそうに笑みを浮かべる。その様子がまた愛らしくて、ウルイの表情がほころんだ。
実際、ウルイ自身、大して気にもしていなかった。不思議と気にもならなかった。ただただ、
『そういうものだ』
と思えていた。
ただしこれ自体、ウルイの<器>が大きいというだけでなく、イティラがこうして、
『言い過ぎたかもしれない』
と自省して詫びることができる<器>を備えていたからというのもある。
ウルイが彼女の<器>を育ててきたことで、彼自身にとっても受け止め切れる存在でいてくれたのだ。
手間を惜しむことなく彼女も言葉に耳を傾け、気持ちを受け止めるようにしてきたから、イティラも彼と同じことができるようになりつつあるということだ。
もし、ウルイが、彼女の言葉に耳を傾けず気持ちを受け止めようともしない態度を取ってきていれば、幼く未熟で<心持つ者としての在り方>を学んでいる最中だったイティラも、そんな姿勢を学び取ってしまい、ウルイの言葉に耳を貸さず気持ちを受け止めようともしない者に育ってしまっていた可能性は高い。
つまり、ウルイ自身が、
『自分にとって受け入れ難い者を作り上げてしまっていた』
かもしれないのだ。
けれど、彼自身がキトゥハの姿から学んだ姿勢を実践することで、今の、
『昨日は言い過ぎた…ごめんなさい……』
と、自らの態度を省みることができる者としてイティラも育つことができた。
『情けは人のためならず』
なる言葉があるが、それはこういうことも差しているのかもしれない。イティラを気遣い敬うウルイの姿勢が、結果として彼女を、気遣いのできる者に育てることとなったのだから。
また、楽をして自分に都合のよい結果を得ようとすれば結局は余計な面倒を引き起こすということも、よくある話だろう。
そこで手を抜かず横着をせず、確実に手間をかけてきたことで、今の関係を築くことができた。ウルイにとっては望外の出来だったと言える。
とは言え、それはあくまで『ウルイにとっては』の話。
イティラとしてはこれでは物足りなかった。十分ではなかった。
なぜなら彼女は、ウルイに<恋>をしているから。ウルイに、
『女性として愛してもらいたい』
から。
それを望むなら、ここからは彼女が努力しなくてはならないだろう。
仮にも<大人>である彼に、自分が、
<生涯の伴侶>
として相応しい者であることを認めてもらわなくてはいけないのだから。
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