JC邪神の超常的な日常

京衛武百十

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怨嗟の章

噴水とシャワー

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タンクに水を入れたところで流れ出てこないのでシャワーとしては使い物にならないものの、公園の噴水でバケツに水を汲んでくれば、簡易シャワー室内で水浴びすることはできる。だから、アリーネ、エレーン、シャリーの順に汗を流していった。

でもみほちゃんは、

「こっちのほうがきもちいいよ」

と言って、服を脱いでそのまま噴水の中に入ってしまった。

面白いことに、彼女が触れている部分から数センチほどの水は普通に動くようになり、彼女の動きに合わせてその範囲も動いた。だからなんにも不自由がないらしい。

でもそれは、まだ人前で裸になることに抵抗のない彼女だからできることでもある。

と思ってたら、

「水着になれば問題ないデス!」

などと言って、アリーネは、せっかく自分が持ってきた簡易シャワー室を翌日には使わなくなってしまった。

蛍光カラーのビキニをグラマラスな体にまとい、すっぽんぽんのみほちゃんと一緒に噴水で汗を流す。すると、アリーネが持ってきた水着を使って、エレーンとシェリーまでが噴水で汗を流すようになった。

綾乃だけは水着になるのが抵抗あるのか、頑なに簡易シャワー室を使う。なので、そちらも無駄にはなってない。

『この辺りもそれぞれの性格が出ていて面白いな……』

アリーネ達が噴水で水浴びする様子をぼんやりと眺めながら錬治はそんなことを思った。

「Having fun? Shelly(シェリー、楽しい?)」

アリーネがシェリーに尋ねる。

彼女も、シェリーやエレーンのことをそれなりに気遣ってるんだろう。錬治や綾乃の感覚からしたらデリカシーがないように見えても、その辺りは習慣の違いもあって一概には言えないのかもしれない。

「分かってはいるんです……でも、私、自分の感覚に合わないものを見るとついイラっとしてしまって…」

綾乃も、自分がついつい他人に対して当たりがきつくなってしまうことを気にしてるようだった。

せっかくだから仲良くして欲しいと錬治も素直に思った。喧嘩したり衝突してるところを見るのはやっぱりいい気分じゃない。

『…ただ、吉佐倉さんがそう思ってしまうことも、頭ごなしに否定はしたくないんだ……

でもそういうのがまた、人間の面倒なところだよね……』

そんなことも思いつつ、アリーネと錬治とで手分けして、怪物退治にも向かう。作業自体は非常に順調だった。

だからとうとう、その時が来てしまった。

「……今日、ちょうど百体目を対処してきまシた。私にできるのは、ここまでデス……」

いつもより早めに帰ってきたアリーネがそう言って錬治の前で敬礼したのは、事が始まってから、彼らにとっての経過時間として一週間後のことであった。

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