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第二部
感覚の違いの難しさ
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そうして私と少佐が驚嘆している間にも櫓は見る見る組み上がり、日が暮れるまでには、大まかな全体像が分かる程度にまではできてしまったのでした。
とは言え、さすがに、
『明日には完成』
とまではいきません。ゴヘノヘ御輿を製造するための細かい<仕掛け>などの設置も必要ですから、その辺りは改めて丁寧に作業しないと後々の工程に支障が出る可能性もあります。
しかし、櫓としての躯体については明日中には完成しそうですね。ただ、猪人は高いところが苦手で、三層目以上では作業ができないそうです。
「コワクナイ! コワクナイ! ガ、ソセン、ノ、マモリ! タカイトコロ、ニハ、トドカナイ!」
ブオゴが言いました。
つまり、要約すると、
『祖先の加護は地上三メートルまでしか届かない』
ということのようですね。
『決して怖いからできないんじゃない』
と。
私達も決して彼らに無理をさせたいわけではありませんので、その辺りの事情については配慮します。それに、山羊人は高所作業はまったく苦にならないようなので、大きな丸太を抱えたまま、すいすいと足場を渡っていました。
本当は、安全ベルトなどを装着して対策したいところでしたが、
「ナワ、ツケル、ウゴキニクイ…!」
と拒絶されてしまいました。
「いえ、これは、万が一落下しそうになった時に命を守るためのもので…!」
等々、説明はするのですが、彼らには高所作業の危険性が理解できないらしく、頑として聞き入れてはくれませんでした。
この辺り、
<感覚の違いの難しさ>
でしょうね。
さりとてここであまり強引に押し付けては反感を招きかねません。今のところは彼らが納得してくれるまで地道に説得と言うか説明を続けていくしかないでしょう。
でも、<事故>というものは起こる時には起こるもので、翌日、早速、それは起こったのです。
翌日も、朝から獣人達は楽しそうに作業を始めました。私と少佐と伍長が来る前から勝手に。そして、
「あ…! まさか……!」
私達が広場に向かう途中、やけに賑やかなのに気付いて急ぐと、彼らは昨日とまったく同じように作業をしていたのです。監督役で責任者である私達がいない間に。
これは正直、好ましい状態ではないですね。この状態が続くと、統率が取れなくなる可能性が高いです。
そして、私達が駆けつけたその時、一人の山羊人がバランスを崩して足場から落ちるのが見えてしまいました。
高さは優に五メートルはあったでしょう。担いでいた丸太ごと途中の足場に体をぶつけながらその山羊人が地面に叩きつけられたのです。
「救護班!!」
少佐が声を上げると、救急キット(と言っても包帯や薬効成分を含んだ野草などを入れただけの箱ですが)を手にした梟人が駆けつけたのでした。
とは言え、さすがに、
『明日には完成』
とまではいきません。ゴヘノヘ御輿を製造するための細かい<仕掛け>などの設置も必要ですから、その辺りは改めて丁寧に作業しないと後々の工程に支障が出る可能性もあります。
しかし、櫓としての躯体については明日中には完成しそうですね。ただ、猪人は高いところが苦手で、三層目以上では作業ができないそうです。
「コワクナイ! コワクナイ! ガ、ソセン、ノ、マモリ! タカイトコロ、ニハ、トドカナイ!」
ブオゴが言いました。
つまり、要約すると、
『祖先の加護は地上三メートルまでしか届かない』
ということのようですね。
『決して怖いからできないんじゃない』
と。
私達も決して彼らに無理をさせたいわけではありませんので、その辺りの事情については配慮します。それに、山羊人は高所作業はまったく苦にならないようなので、大きな丸太を抱えたまま、すいすいと足場を渡っていました。
本当は、安全ベルトなどを装着して対策したいところでしたが、
「ナワ、ツケル、ウゴキニクイ…!」
と拒絶されてしまいました。
「いえ、これは、万が一落下しそうになった時に命を守るためのもので…!」
等々、説明はするのですが、彼らには高所作業の危険性が理解できないらしく、頑として聞き入れてはくれませんでした。
この辺り、
<感覚の違いの難しさ>
でしょうね。
さりとてここであまり強引に押し付けては反感を招きかねません。今のところは彼らが納得してくれるまで地道に説得と言うか説明を続けていくしかないでしょう。
でも、<事故>というものは起こる時には起こるもので、翌日、早速、それは起こったのです。
翌日も、朝から獣人達は楽しそうに作業を始めました。私と少佐と伍長が来る前から勝手に。そして、
「あ…! まさか……!」
私達が広場に向かう途中、やけに賑やかなのに気付いて急ぐと、彼らは昨日とまったく同じように作業をしていたのです。監督役で責任者である私達がいない間に。
これは正直、好ましい状態ではないですね。この状態が続くと、統率が取れなくなる可能性が高いです。
そして、私達が駆けつけたその時、一人の山羊人がバランスを崩して足場から落ちるのが見えてしまいました。
高さは優に五メートルはあったでしょう。担いでいた丸太ごと途中の足場に体をぶつけながらその山羊人が地面に叩きつけられたのです。
「救護班!!」
少佐が声を上げると、救急キット(と言っても包帯や薬効成分を含んだ野草などを入れただけの箱ですが)を手にした梟人が駆けつけたのでした。
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