獣人のよろずやさん

京衛武百十

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第二部

悪循環を打破するためにも

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私達が本来の社会で暮らしていた頃には、

『何のために仕事をするのか? という点で長らく<迷走>してきた』

と評する人がいました。

実は私も、何となくそれに共感してしまう部分はあります。

他人を過剰に働かせた上で搾取するという悪習が長らく続き、<仕事>というものが大変な苦痛となっていた時期があったと聞きます。

しかし、<仕事>とはなんなのでしょう? 

『生きるために』というだけであれば、食料を確保できれば済む話ですね。

ですが、地球人の社会においては、世界のすべてがすべからく<誰かの所有物>であり、所有権を持つ<誰か>に<対価>を支払うことによって譲り受けるということが必要になったため、対価として通用する<貨幣>を得るために<仕事>というものができました。

でもその仕組みは、<奴隷>というものが禁じられたことで<搾取>が難しくなったのを補うために作られたものだという説があります。

事実、貨幣を得るために多くの人はそれこそ馬車馬のように働き、肉体も精神も疲弊していったのだとか。

そして精神的に追い詰められた労働者達は、自身のストレスを緩和するためにアルコールや射幸心を煽る遊興に溺れ、時には禁止薬物にさえ手を出して、さらにそれらを得るためにも仕事をするという悪循環へと。

けれど、そんな悪循環を打破するためにも地球人は技術を高め、それらの構造的な歪みを担うことができるロボットをはじめとした道具を生み出していったのです。

それにより、

『生きている実感を得るために仕事をする』

ということが実現できたわけですね。

一応は、ロボットを<社員>や<職員>として働かせることは法律で禁止されているものの、あくまで、

『人間の社員や職員のサポートを行う』

という形であれば導入できるので、

『ロボットを導入するために人間を雇う』

面もあるという。

この点、軍においてはあくまで戦略的戦術的なメリットや意義が最重要なので、民間におけるロボットの導入とはやや意味合いが違うかもしれませんが。

また、以前にも触れた、

『殺戮を楽しむ者は関わらせない』

という意味もあるそうです。ロボットには心がありませんから、当然、『殺戮を楽しむ』こともない。

<命を奪うこともある役目>

だからこそ、そういう部分は厳しいんです。

どこまでも、

『任務だからこそ免責される。そして、自身の享楽のために人の命を奪うことは許されない』

ことを忘れてはいけない。

『殺戮を楽しみたい』だけの人間を軍に入れるくらいなら、ロボットで代用する。

それができるようになったのは、本当に大きいでしょう。

一方で、ここではまだ、<仕事という概念>が確立されていません。

それもすべて、これからの話ですね。

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