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第四部
無駄に広いよりも小さい巣の方が
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<目が見えない猪人の子>を連れ帰った伍長は、その子とクレアと自身のために新しく家を建てると言います。
しかももうすでに、
「じゃあ、よろしく頼むわ」
何人もの鼠人と兎人と猪人を連れてきていて。唖然としている私達を余所に集まっていた者達に指示を出して、作業を始めてしまいました。
「オウ!」
集められた者達も、笑顔で気前よく<伍長の家>をすぐさま建て始めます。鼠人と兎人が木々を伐採し、猪人が根の部分を掘り起こして除去、整地し、あっという間に小さな家なら十分に建ってられるだけのスペースを確保します。
さらに、伐採した木を加工して建材にしていると、山羊人達がさらに建材を運んできたのです。
しかも皆、嫌がる風でもなく。伍長のために進んでそうしてくれている。
これは結局、伍長が彼らからそれだけの信頼を得ているからということでしょう。獣蟲による被害が減ったのは、それこそ伍長やクレアや少佐が防衛ラインを構築してくれているから。特に伍長は、倒した獣蟲の数が一桁違うんです。獣蟲の対応に加わったのが遅かったクレアはもとより、少佐よりもはるかに多い。
暗闇でも確実に獣蟲を捉えていち早く対処する伍長の方が圧倒的に有利だからでしょうね。加えて彼は、素手で獣蟲を倒すことができる。暗闇の中で確実に捕らえ、一撃で頭を引きちぎってしまう。それで終わりです。対して少佐は、ナイフを用いて弱点を突き、動きを封じてからとどめを刺す。
かかる手間がまったく違う。
本当に、
『敵を駆逐することに特化した』
能力を持ってるんですね。伍長は。
それでいて、自分より弱い相手には横暴な態度を取らない。特に子供に対しては。
なるほど好かれるわけです。
彼のためなら喜んで家くらい建ててくれるんでしょうね。
建てられる家は、基本的に同じ場所に定住する猪人のそれ。よろずやの建物の基礎にもなった<丸太小屋>的な建物です。
手慣れた者が作業すれば三日で建てることができる。まあ、内装などについては実際に住む者が自分でしなくちゃいけないですけど。それぞれ好みもありますから。
ノーラとトームとリータの家もこの方式で建てられました。でも今回のそれは、三人の家よりもさらに小ぶりなもののようです。
「目が見えないんだから、無駄に広いよりも小さい巣の方が把握しやすいだろ」
伍長は言うんです。つまり彼は自分が引き取ってきた子供のためにそれを選んだ。
「ま、俺もクレアも、寝られる場所があればいいしな」
赤ん坊をあやしながらそう言ったのでした。
しかももうすでに、
「じゃあ、よろしく頼むわ」
何人もの鼠人と兎人と猪人を連れてきていて。唖然としている私達を余所に集まっていた者達に指示を出して、作業を始めてしまいました。
「オウ!」
集められた者達も、笑顔で気前よく<伍長の家>をすぐさま建て始めます。鼠人と兎人が木々を伐採し、猪人が根の部分を掘り起こして除去、整地し、あっという間に小さな家なら十分に建ってられるだけのスペースを確保します。
さらに、伐採した木を加工して建材にしていると、山羊人達がさらに建材を運んできたのです。
しかも皆、嫌がる風でもなく。伍長のために進んでそうしてくれている。
これは結局、伍長が彼らからそれだけの信頼を得ているからということでしょう。獣蟲による被害が減ったのは、それこそ伍長やクレアや少佐が防衛ラインを構築してくれているから。特に伍長は、倒した獣蟲の数が一桁違うんです。獣蟲の対応に加わったのが遅かったクレアはもとより、少佐よりもはるかに多い。
暗闇でも確実に獣蟲を捉えていち早く対処する伍長の方が圧倒的に有利だからでしょうね。加えて彼は、素手で獣蟲を倒すことができる。暗闇の中で確実に捕らえ、一撃で頭を引きちぎってしまう。それで終わりです。対して少佐は、ナイフを用いて弱点を突き、動きを封じてからとどめを刺す。
かかる手間がまったく違う。
本当に、
『敵を駆逐することに特化した』
能力を持ってるんですね。伍長は。
それでいて、自分より弱い相手には横暴な態度を取らない。特に子供に対しては。
なるほど好かれるわけです。
彼のためなら喜んで家くらい建ててくれるんでしょうね。
建てられる家は、基本的に同じ場所に定住する猪人のそれ。よろずやの建物の基礎にもなった<丸太小屋>的な建物です。
手慣れた者が作業すれば三日で建てることができる。まあ、内装などについては実際に住む者が自分でしなくちゃいけないですけど。それぞれ好みもありますから。
ノーラとトームとリータの家もこの方式で建てられました。でも今回のそれは、三人の家よりもさらに小ぶりなもののようです。
「目が見えないんだから、無駄に広いよりも小さい巣の方が把握しやすいだろ」
伍長は言うんです。つまり彼は自分が引き取ってきた子供のためにそれを選んだ。
「ま、俺もクレアも、寝られる場所があればいいしな」
赤ん坊をあやしながらそう言ったのでした。
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