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ネズミはまだ、機械の下の方をうろついているのが気配で察せられた。そこで私は、逃げ込める隙間を常に確認しつつ部屋の探索を続ける。
この部屋に設置された機械は、ただの個人の邸宅に設置するには明らかに大仰な設備だった。大規模な商業施設、いや、<工場>にあるようなものだったろうな。
この屋敷の中を、人間が安全に安穏として暮らせるようにする為にはそれだけのものが必要なのだというのがこれで推測される。
おそらくその出力の大半が、<気温の維持>に費やされているのだろう。
完璧な気密と断熱。それでもなお気温を維持することにこれだけの大出力が必要だという点で、屋敷の外の環境がどのようなものかはお察しという感じか。
また、システム的には私の人間体が存在した地球の技術の延長線上にあるものだというのが、計器などや制御盤らしきものの形状等から分かる。技術的に次元の違うようなものじゃないのだ。
多少は進歩しているであろうものの、精々数十年、多く見積もっても百年単位程度の技術差しかないと推測できる。
二十世紀初頭から二十世紀の終わりにかけての技術の進歩はそれこそ爆発的であったが、二十世紀の終わり頃から二十一世紀にかけての技術の進歩は、それに比べれば緩やかになっているな。
第二次大戦当時の機器と、数十年が経った現在の機器とでは、確かに比較にならないほどに進歩はしているにしても、あくまで改良に改良を重ねたものであろうというのは分かるだろう。
計器類は計器類と分かる形をしているし、内燃機関などは、補機類やカバーを外せばやはり内燃機関だと分かる形状をしている。
まあ、そんな感じだ。
それが、私の人間体が存在したものとは異なるもののここがあくまで<地球>である可能性を示していた。
もっとも、実は<地球>と呼ばれるものはこの宇宙にいくつも存在しているんだがな。
<人間>は、地球に自然に発生したものではない。いや、そもそも生物自体が、私や私に類する存在達が、それぞれ、生存に適した環境を持つ惑星に植え付けたという面もある。
そうして私達は気まぐれにいくつもの<地球>を作り出しては、それぞれの地球がどのように変化していくかを眺めたりもしていたのだ。
私が今いる<地球|(おそらく)>も、そういうものの一つである可能性もある。
そう、いわゆる<平行世界>などではなく、同じ宇宙で、お互いに認識できないほどに離れてはいるもののどちらも<地球>として同時に存在しているものもあるのだ。
まあ、分かりやすく言えばコピーだな。
どちらの地球がオリジナルかコピーかはこの際関係ない。と言うよりも、すべてがそこに存在する人間にとってはオリジナルではある。
この部屋に設置された機械は、ただの個人の邸宅に設置するには明らかに大仰な設備だった。大規模な商業施設、いや、<工場>にあるようなものだったろうな。
この屋敷の中を、人間が安全に安穏として暮らせるようにする為にはそれだけのものが必要なのだというのがこれで推測される。
おそらくその出力の大半が、<気温の維持>に費やされているのだろう。
完璧な気密と断熱。それでもなお気温を維持することにこれだけの大出力が必要だという点で、屋敷の外の環境がどのようなものかはお察しという感じか。
また、システム的には私の人間体が存在した地球の技術の延長線上にあるものだというのが、計器などや制御盤らしきものの形状等から分かる。技術的に次元の違うようなものじゃないのだ。
多少は進歩しているであろうものの、精々数十年、多く見積もっても百年単位程度の技術差しかないと推測できる。
二十世紀初頭から二十世紀の終わりにかけての技術の進歩はそれこそ爆発的であったが、二十世紀の終わり頃から二十一世紀にかけての技術の進歩は、それに比べれば緩やかになっているな。
第二次大戦当時の機器と、数十年が経った現在の機器とでは、確かに比較にならないほどに進歩はしているにしても、あくまで改良に改良を重ねたものであろうというのは分かるだろう。
計器類は計器類と分かる形をしているし、内燃機関などは、補機類やカバーを外せばやはり内燃機関だと分かる形状をしている。
まあ、そんな感じだ。
それが、私の人間体が存在したものとは異なるもののここがあくまで<地球>である可能性を示していた。
もっとも、実は<地球>と呼ばれるものはこの宇宙にいくつも存在しているんだがな。
<人間>は、地球に自然に発生したものではない。いや、そもそも生物自体が、私や私に類する存在達が、それぞれ、生存に適した環境を持つ惑星に植え付けたという面もある。
そうして私達は気まぐれにいくつもの<地球>を作り出しては、それぞれの地球がどのように変化していくかを眺めたりもしていたのだ。
私が今いる<地球|(おそらく)>も、そういうものの一つである可能性もある。
そう、いわゆる<平行世界>などではなく、同じ宇宙で、お互いに認識できないほどに離れてはいるもののどちらも<地球>として同時に存在しているものもあるのだ。
まあ、分かりやすく言えばコピーだな。
どちらの地球がオリジナルかコピーかはこの際関係ない。と言うよりも、すべてがそこに存在する人間にとってはオリジナルではある。
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