Gの愉悦

京衛武百十

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もっと丁寧に扱わんか!

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中年男と若造が車両を降りる時にも死に掛けるかと思ったが、幸い、そちらは回避された。

車両は大きな地下駐車場らしきところに入っていって、停車する。

一旦停車して、シャッターらしきものが開く気配の後に結構な斜度の下り坂を下り、音がやけに反響する場所で止まったからな。

それから袋を持って車両を降り、扉を開ける気配があって、無造作に袋が放り出されて、私は危うく、エネルギーバーに挟まれて潰されるところだった。

まったく、もっと丁寧に扱わんか!

が、その後は静まり返ってしまい、何も起こらない。

どうやら奴らはまた別の、ロッカーにでも行って着替えるのだろう。

取り敢えずはここでお別れのようだ。

遠くの方で微かに機械が動作する音や、人間の気配がする。

ふむ。こちらはあの<洋館>と違ってそれなりの数の人間がいるようだな。

さしずめ、あの洋館のような小規模な施設にメンテナンス用の人員を派遣したり物品の受け渡しをしたりという<センター>のような場所ということだろうか。

ここであればさらに多くの情報が得られるかもしれん。

もっとも、いまさらそんな情報を得たところで何がどう変わるというものでもないとは思うが。

ともあれ、私は慎重に周囲の様子を窺いながら、袋から顔を出した。

見ると、いかにも<一時保管庫>といった風情の空間に、同じような袋がいくつも置かれていた。つまり、あの洋館のような施設が他にもいくつもあって、そこから回収されてきたものということだろう。

それを裏付けるかのように、再び扉が開けられる気配。

私は袋に身を隠してやはり様子を窺う。

すると、またあの宇宙服のような防寒具を身に着けたのが、無造作に袋を投げ入れるのが見えた。

淡々と仕事をこなしているのが分かる。

なんにせよ、これであの洋館と同様の施設が他にもあるということがほぼ確定したな。

しかしこちらの方が規模も大きく人間も多いようだから、きっと食料も豊富だろう。

となればこちらで寿命を迎えるまで過ごした方がいいかもしれん。



と、思ったが、食料が豊富ということは、当然、他にもゴキブリをはじめとした虫の類がおり、それを餌とするアシダカグモのようなのもいるということだ。

最初に放り込まれたところで二回、何とか脱出した先で三回、アシダカグモに襲われた。

幸い、広い場所で逃げ場も多かったから振り切れたが、やれやれ、気が休まらんな。

逃げ込んだ先は、どうやら<食品工場>らしき場所だった。

小学校などの体育館くらいの広さの場所で二百人くらいの人間がライン作業を行っている。

極めてごく普通の光景だ。

ここは地下のようだが、そうやって人間達は冷気から逃れ、今もこうして生き延びているということか。

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