Gの愉悦

京衛武百十

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メンタリティ

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人間共は私の行動について、

『言ってることとやってることがバラバラだ!』

『ブレまくってる!!』

的なことを言うだろうが、貴様らが<邪神>とか呼ぶ存在のメンタリティが人間と同じだなどと本気で思うのか? 

いくらでも同時に存在できて、それぞれの体は死んでも<邪神本体>は決して滅びることがなく、自分で自分の姿を見ることができて、永劫の時間をただただ暇潰しに費やしているようなもののメンタリティが人間と同じになるわけがなかろうが。

このゴキブリの体で死ぬかどうかも、取り敢えず<敵>の意図を探るために可能な限りクリアを目指しているだけで、加えて、せっかく楽しんでいる宇宙を台無しにしてはかなわんから慎重にと思っているだけで、万が一御破算になったとしても、

『もったいないことをした』

と思うだけなのだ。

で、なるべくならそれを避けようということで多少の努力をしているに過ぎん。

だからその時の気分で、当然、することも変わる。言うことも変わる。

人間共はただ、自分達の世界が破滅しないことを祈ればいいのだ。



などということを考えつつ<その時>を待ったが、一つ目の扉を開けた時にはこれといって大きな変化はなかった。いや、気温は確実に下がっているか。

中の暖気を外に逃がさぬように、外の冷気を中に入れないように、そのために二重の扉にしているのだろう。

そして二つ目の扉を開ける気配。

瞬間、袋の中でしかもビニールで包装されたエネルギーバーの間に潜んでいたというのに、一瞬で温度が下がるのが分かった。

「ぬおっ!?」

凄まじい<冷気の圧>が私を包み込む。やはり外は<極寒の地獄>であったか。

それが確認できたことからといって、『だからどうした?』という話でもあるがな。

なにしろ、一秒一秒、死に近付いているのが実感できる。このままではほんの数十秒で<冷凍ゴキブリ>の出来上がりだ。

いやはや、これでもう終わりかな。

でもまあ、私自身がこの結果を覚悟しての行動だからな。これで死んでも大丈夫だろう。

たぶん……

さて、<日守かもりこよみの肉体>に戻れるか、それとも、

『寿命を全うしなかった』

ということで再びゴキブリに転生するか、楽しみだ……



しかし、結論から言えば、今回は助かった。

中年男と若造は、やはり車両に乗って移動してきたのだ。車両の中は気密性が高く暖房が効いていた。

ほぼ凍死寸前だったものの私は辛うじて意識も保つことができていて、奴らがヘルメットのバイザーを開ける気配も感じ取れた。

バイザーを開けたと思われる音の後で、呼吸音がはっきり聞こえるようになったのだ。

生身の人間が顔を出していられる環境であれば、まあ大丈夫だろう。

もっとも、今度は車両を降りる時にまた同じ目に遭う可能性もあるが。

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