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棄民
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<隔離区画>に住む者達は、要するに<棄民>だな。住人を十分に養えるだけの余裕がないがゆえに、少しでも<規格>から外れた者は見捨てられるのだ。
<基本的人権>や<生存権>などというものは、所詮、それを保障できるだけの余裕がある環境があってこそのもの。だからこそ、そのリソースが確保できる環境の維持が重要ということなのだが、いかんせん、外の環境があれでは、限られた人口環境の中でしか食料なども生み出せんだろう。となるとこの種の棄民政策もあって当然だな。
だが、そうやって見捨てられた者達も、ただ黙ってその立場に甘んじるというのもなかなか難しいだろうな。中には<一発逆転>や<破れかぶれ>、もしくは<道連れ>を臨む者も出てくるのは世の常。
地上に近いということはそれだけ寒く、しかも、この施設が作られた時のそれこそ初期も初期のものだろうから、まだノウハウも十分じゃなかっただろう。
かなり寒い。
だから私としては迂闊に近付くこともままならん。
それでも、換気用のダクトを通じて、何人かがクーデターを目論んで話し合っているのが聞き取れた。
しかも、そのダクトには集音機らしきものも仕掛けられていて盗聴され、管理側には筒抜けだった。
で、密談しているところに踏み込まれて、警告もなく、銃弾の雨あられ。
若いうちからこの隔離区画に置かれた者はロクな教育も受けられなくて、それで盗聴されている可能性にも気付けない、か。
憐れなものだ。
こうして<処分>された者は、ここにも当然ある<例の装置>で処理されて、あのエネルギーバーとなる。
しかし、破砕機で丸ごと処理されるとなると、体内に残った弾丸ごとということになるが、はて、その辺りはどうしているんだろうな。
まあ、除去する工程があるのか、もしくは人体への害が少ない弾丸を使っているのか。
いずれにせよ私にとってはどうでもいいことではある。
また、クーデターという形ではなく、今の状況から抜け出そうとする者もいる。
監視用のモニターがずらりと並んだ部屋で、私はそれを見た。
隔離区画には、地上へと繋がる通路がいくつもあるようだ。そこを、大小の<ボロ布の塊>が二つ、のそのそと歩いているのが見える。
いや、違うな。ボロ布をいくつも重ねて縫い合わせて作った、
<自作の防寒着>
だろう。だから本当は<ボロ布>ではなく、こいつらが持ってる衣服なのだと思われる。
それを身にまとって外に出て、ここよりマシな場所を探そうというのか。
「おい。またバカがいるぜ」
モニターを見ていた係の男が、普段は使われていないのであろう通路を通る<ボロ布の塊>に気付いて嘲った。
「ホント懲りねえな。ここよりマシなところとか、あるわけねえのに……」
先に気付いた男の言葉を受けて、一緒に監視してたもう一人の男も呆れたように返したのだった。
<基本的人権>や<生存権>などというものは、所詮、それを保障できるだけの余裕がある環境があってこそのもの。だからこそ、そのリソースが確保できる環境の維持が重要ということなのだが、いかんせん、外の環境があれでは、限られた人口環境の中でしか食料なども生み出せんだろう。となるとこの種の棄民政策もあって当然だな。
だが、そうやって見捨てられた者達も、ただ黙ってその立場に甘んじるというのもなかなか難しいだろうな。中には<一発逆転>や<破れかぶれ>、もしくは<道連れ>を臨む者も出てくるのは世の常。
地上に近いということはそれだけ寒く、しかも、この施設が作られた時のそれこそ初期も初期のものだろうから、まだノウハウも十分じゃなかっただろう。
かなり寒い。
だから私としては迂闊に近付くこともままならん。
それでも、換気用のダクトを通じて、何人かがクーデターを目論んで話し合っているのが聞き取れた。
しかも、そのダクトには集音機らしきものも仕掛けられていて盗聴され、管理側には筒抜けだった。
で、密談しているところに踏み込まれて、警告もなく、銃弾の雨あられ。
若いうちからこの隔離区画に置かれた者はロクな教育も受けられなくて、それで盗聴されている可能性にも気付けない、か。
憐れなものだ。
こうして<処分>された者は、ここにも当然ある<例の装置>で処理されて、あのエネルギーバーとなる。
しかし、破砕機で丸ごと処理されるとなると、体内に残った弾丸ごとということになるが、はて、その辺りはどうしているんだろうな。
まあ、除去する工程があるのか、もしくは人体への害が少ない弾丸を使っているのか。
いずれにせよ私にとってはどうでもいいことではある。
また、クーデターという形ではなく、今の状況から抜け出そうとする者もいる。
監視用のモニターがずらりと並んだ部屋で、私はそれを見た。
隔離区画には、地上へと繋がる通路がいくつもあるようだ。そこを、大小の<ボロ布の塊>が二つ、のそのそと歩いているのが見える。
いや、違うな。ボロ布をいくつも重ねて縫い合わせて作った、
<自作の防寒着>
だろう。だから本当は<ボロ布>ではなく、こいつらが持ってる衣服なのだと思われる。
それを身にまとって外に出て、ここよりマシな場所を探そうというのか。
「おい。またバカがいるぜ」
モニターを見ていた係の男が、普段は使われていないのであろう通路を通る<ボロ布の塊>に気付いて嘲った。
「ホント懲りねえな。ここよりマシなところとか、あるわけねえのに……」
先に気付いた男の言葉を受けて、一緒に監視してたもう一人の男も呆れたように返したのだった。
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