転生したら甘々な人達に囲まれてます!第2の人生は幸せになれそうです

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私と家族

気持ちの変化1

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 1日お兄様のお勉強を一緒にしたり、お母様とお兄様の3人で午後のおやつタイムしたりして過ごした。
その日の夕食の時間にお父様が

「今年の建国祭にはジェイス達が来てくれるようだよ」

そうお母様に話した。

「あら!それは楽しみだわ!もちろんイブも来るのでしょう?前回会ったのはレイアちゃんが3歳の時だったかしら?そう考えるともう5年近く会ってなかったのね」

「もちろんイブさんも来るみたいだし、レイアちゃんと長男のジェラード君も一緒みたいだよ。ジェラード君ももうすぐ3歳で丁度レイアちゃんを連れて建国祭に来た時と同じ歳みたいだからね」

「私達もノアやリリアが生まれてから向こうの建国祭には代理をたてるだけで自分達で行けてなかったものねぇ」

なんてお母様は久しぶりに親友のイブさんに会えると喜んでいるようで、いつもよりも晴れやかな笑みを浮かべていた。

「セドニア王国の国王の家族が直々に参加してくれるんだし、今年の建国祭は頑張らないとならないね」

大変だよとぼやきながら、それでも嬉しそうにお父様も笑って話していた。

その日の夕食はお父様の友人のセドニア国王ジェイス様と、お母様の大親友とも言えるイブ様のお話を、楽しそうにお父様とお母様が話すのを聞きながら終えた。






 建国祭にセドニア国王が家族で来る話を聞いてから2ヶ月が経ち、本格的に建国祭の準備にお父様とお母様は忙しくなった。
けれど、私はというと基本それまでと変わらずで、暇な時間はお兄様にくっついて歩いたり、与えられた絵本を読んだりして過ごした。

そうそう、転生する時に言ってたいくらか条件を付けてに当てはまるのか、単純に転生前が22歳だったからかなのかは分からないけど、文字が読めます。
それもしっかりと大人と変わらないレベルで。
お兄様の教科書の内容読めるなとか、普通に本も読めちゃうなとか思って眺めていたら、読めてると思っていないお兄様の教育係の人がお父様お母様に

「リリアーヌ様は本に興味がある様子で、読んでいるわけではないと思いますが教科書や本など眺めていました。絵本などの子供向けの本などを早いうちに見せておけば、文字の読み書きを出来るようになるのも早いかもしれません。」

なんて報告してくれたおかげで、お父様お母様が沢山の絵本をプレゼントしてくれた。
周りの人はまだ絵本の絵を眺めて楽しんでるくらいに思ってるかもしれないけれど、内容全部読めてるんだよね。

 

 まぁ、それはいいとして建国祭が近付いてきて私とかお兄様はドレスとかを作るからって理由で、採寸されたりする以外は特にこれといった準備はないんだけど、お父様とお母様がとても忙しいみたい。
それまで何があっても欠かさず一緒に朝食と夕食をとっていたのも、朝食は一緒に食べれているけど、夕食には来ないことが増えた。
そういう時はお兄様と私の2人で食べているけど、それまでずっと4人だったから少し寂しいかな。

お母様とお兄様との午後のおやつタイムもお兄様と2人になったりと、ひどい時には朝食の席でしかお父様とお母様に会えない日もあって、寂しくなってお父様の仕事場を覗いて見たこともあったけど忙しそうで声をかけれる雰囲気ではなかった。

なんとなく、家族がバラバラになったようで悲しくて夜1人でいると泣いてしまいそうになった。
こんな時に1人で眠ると明日にはお兄様も私といてくれないんじゃないか。
自分1人で過ごさないとならないのではないかという不安が湧いてきて眠れない。

転生して精神も体に合わせて幼くなっているのかもしれない。
考えてみれば当たり前か。

私はもう長谷川菜那歌ではなく、リリアーヌ・ギア・カンダルなんだ。

そう思うと自分の心に素直になっていいような気がして。
今までの自分が前世での22歳の大人の女だった事を引きずって、子供の体と精神で無理に大人ぶっていようとしたみたいに思えた。
もう、子供でもいいじゃないか。
今の私はリリアーヌで優しくて甘やかしてくれて、受け入れてくれて、愛してくれる家族がいる。
父も母も兄もみんなそれぞれ家族が大事で愛し合ってるんだから。
素直に甘えたっていいじゃないか。
なかなか、素直に甘えに行くことが出来なかった気持ちとの折り合いが着いたようだった。


 そう思えた私は早速行動に移した。
まず自分の枕をもってお兄様の部屋に行った。

ドアをノックすると眠そう目を擦りながらお兄様がドアから顔を出した。

「リリア?どうしたの?怖い夢でもみちゃった?」

眠そうにしながらも心配そうな顔をしてくれるお兄様。ほんと天使みたい。

「ここ最近お父様とお母様が忙しそうで寂しいです。お兄様、お父様とお母様の所で寝るお願いを一緒にしてくれませんか?」

お兄様は心配そうな顔をキョトンとした顔に変化させ、あぁ、と微笑んだ。

「もちろんだよ!リリアがしたい事なら僕はなんでも一緒にしてあげるから。ちょっと待っててね、僕も枕、持ってくるよ」

最後には少しイタズラっぽい笑みを浮かべて部屋の中に入っていって、直ぐに部屋から出てきた。

よし行こうかと言って、私の手を握ってくれたお兄様の手はいつもよりも暖かいような気がした。
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