17 / 64
変身
2
しおりを挟む
苦い経験だ。俺にとって美容院は鬼門なのだ。
顔を晒す自信も無いからいつも少し目の隠れる長さで前髪をつくってもらう。全体的に、ちょっともっさりとはしている。でも俺にはこれくらいがちょうどいい。
「全美容師を代表して俺が謝る。一番やっちゃいけないことを、初めて来たお客さんにやっちゃったんだと思う。勇気を出して来た結果がそれじゃ、嫌いになるのも仕方がないよ。ごめんね」
島田さんは優しいおじさんだった。
「でもここはそんな心配はないよ。僕は島田さんにいつもやってもらってるんだ。ここは、ちゃんとその人に似あうようにしてくれるし、希望もちゃんと聞いてくれるから」
渚ちゃんに言われて俺は大きな鏡の前に座った。絶対にNGなスタイルだけ聞かれて、エミちゃんと島田さんがあーでもないこーでもないと相談していた。それからシャンプーのところへ連れて行かれて、エミちゃんがシャンプーをしてくれる。これが、ものすごい、鳥肌立つくらい……きもちがいい。
こんなの、はじめて……
「浩二くん、その顔、まただよ」
シャンプーから戻ると鏡越しの渚ちゃんがクスクス笑って俺の顔を見た。渚ちゃんは俺の横で島田さんに髪の毛をやってもらってた。”また”って?俺、変な顔してたかな。でもすごく気持ちよかったから。他人にシャンプーしてもらうのって、やっぱすごく気持ちイイんだな。床屋でもしてくれるけど、こんなに良くはなかったなぁ。エミちゃんすごい。
エミちゃんのカットをチェックしながら島田さんは横で、渚ちゃんと、なんかすげー仲いいな。お客さんだって言ってたな。それに渚ちゃんはここで髪切ってるって。お互いに顧客ってことか。まあ、仲は良いんだな。にしても距離、近くね?まさか彼氏とか。
「橘さん、あの二人はそういうんじゃないから心配しなくて平気ですよ」
小さい声でエミちゃんが言った。何言ってんの、心配なんかしてないけどっ。
「ちょっと、何言ってるかわかんないっス」
鏡越しにニコッとされて、俺はドキッとして眼を逸らしちゃった。なんか勘違いされてないか?
顔を晒す自信も無いからいつも少し目の隠れる長さで前髪をつくってもらう。全体的に、ちょっともっさりとはしている。でも俺にはこれくらいがちょうどいい。
「全美容師を代表して俺が謝る。一番やっちゃいけないことを、初めて来たお客さんにやっちゃったんだと思う。勇気を出して来た結果がそれじゃ、嫌いになるのも仕方がないよ。ごめんね」
島田さんは優しいおじさんだった。
「でもここはそんな心配はないよ。僕は島田さんにいつもやってもらってるんだ。ここは、ちゃんとその人に似あうようにしてくれるし、希望もちゃんと聞いてくれるから」
渚ちゃんに言われて俺は大きな鏡の前に座った。絶対にNGなスタイルだけ聞かれて、エミちゃんと島田さんがあーでもないこーでもないと相談していた。それからシャンプーのところへ連れて行かれて、エミちゃんがシャンプーをしてくれる。これが、ものすごい、鳥肌立つくらい……きもちがいい。
こんなの、はじめて……
「浩二くん、その顔、まただよ」
シャンプーから戻ると鏡越しの渚ちゃんがクスクス笑って俺の顔を見た。渚ちゃんは俺の横で島田さんに髪の毛をやってもらってた。”また”って?俺、変な顔してたかな。でもすごく気持ちよかったから。他人にシャンプーしてもらうのって、やっぱすごく気持ちイイんだな。床屋でもしてくれるけど、こんなに良くはなかったなぁ。エミちゃんすごい。
エミちゃんのカットをチェックしながら島田さんは横で、渚ちゃんと、なんかすげー仲いいな。お客さんだって言ってたな。それに渚ちゃんはここで髪切ってるって。お互いに顧客ってことか。まあ、仲は良いんだな。にしても距離、近くね?まさか彼氏とか。
「橘さん、あの二人はそういうんじゃないから心配しなくて平気ですよ」
小さい声でエミちゃんが言った。何言ってんの、心配なんかしてないけどっ。
「ちょっと、何言ってるかわかんないっス」
鏡越しにニコッとされて、俺はドキッとして眼を逸らしちゃった。なんか勘違いされてないか?
1
あなたにおすすめの小説
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。
【完結】男の後輩に告白されたオレと、様子のおかしくなった幼なじみの話
須宮りんこ
BL
【あらすじ】
高校三年生の椿叶太には女子からモテまくりの幼なじみ・五十嵐青がいる。
二人は顔を合わせば絡む仲ではあるものの、叶太にとって青は生意気な幼なじみでしかない。
そんなある日、叶太は北村という一つ下の後輩・北村から告白される。
青いわく友達目線で見ても北村はいい奴らしい。しかも青とは違い、素直で礼儀正しい北村に叶太は好感を持つ。北村の希望もあって、まずは普通の先輩後輩として付き合いをはじめることに。
けれど叶太が北村に告白されたことを知った青の様子が、その日からおかしくなって――?
※本編完結済み。後日談連載中。
王様の恋
うりぼう
BL
「惚れ薬は手に入るか?」
突然王に言われた一言。
王は惚れ薬を使ってでも手に入れたい人間がいるらしい。
ずっと王を見つめてきた幼馴染の側近と王の話。
※エセ王国
※エセファンタジー
※惚れ薬
※異世界トリップ表現が少しあります
身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される
秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました!
最終17位でした!応援ありがとうございます!
あらすじ
魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。
ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。
死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――?
傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。
【完結】抱っこからはじまる恋
* ゆるゆ
BL
満員電車で、立ったまま寄りかかるように寝てしまった高校生の愛希を抱っこしてくれたのは、かっこいい社会人の真紀でした。接点なんて、まるでないふたりの、抱っこからはじまる、しあわせな恋のお話です。
ふたりの動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵もあがります。
YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!
完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
BLoveさまのコンテストに応募しているお話を倍以上の字数増量でお送りする、アルファポリスさま限定版です!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる