23 / 60
「悪川シリーズ」
「業火」六之巻
しおりを挟む
何故、魔物でもない水本耕二が操られたのか…いくつか可能性は考えられたが、その答えは直ぐに服部半蔵によって提示された。
「…魔族とは元々、神に仕える者たち…その加護が無い離反者たち…そういった面では、この者も神に力を与えられながら神の加護から離れた離反者…不安定な状態の力を洗脳するなど造作もないこと…」
おそらく火の神の入れ知恵か…
「その能力も修行で手に入れたと?」
「…まだ能力を使いこなせていないようでしたので…水面に写ったものを感じとる能力…実際は水を操る事もできるはずなのに…感知特化になっていましたから…」
確かに、水本耕二は、水面や鏡面による感知だけなく、水も操る事ができる。それは「ナイト」終盤で、海波洋一の死後、水や時間を操る事で水の神を倒している事からもわかる。
しかしまあ、余裕ぶって語っているが、実際は服部半蔵は大変なはず…水本耕二を操作しながら自分も会話などをしなければならない…脳を2倍活用するとまではいかないかもしれないが…それなりに負担はあるはずであった。
実際、操る事だけに洗脳して自身は伊賀の国なり武蔵の国なりに身を隠していればよかったのに…これには、服部半蔵の性格設定が原因しているのだろう…服部半蔵は、洗脳している者であろうと、他人を信用しない…どういう状況であろうと、とどめは自らの手で刺しにくる。
まあ、だからこそ、ここに服部半蔵が現れることは予想が着いていた。…水本耕二が操られるというのは予想外だったが、人質なりとして連れて来ることは予想していた。
そのため、服部半蔵には悪いが、すでに対策は立ててある。魔物の誰かが再び操られたとき用の対策を…
「この男の洗脳をときたい…」
私の言葉を合図に、風とバット・ズーが、私と水本の体をそれぞれ移動させ距離を開けさせた。
水本にタックルする形となった風は、そのまま凍った水の巨人に突っ込んでいった。
「…!…そうだ!氷、解かさないと…」
風やバット・ズーに遅れて、サラマンダー・ズーが作戦の意図に気付き、炎を出して氷を解かした。
水の巨人の成分は、真の隠し湯…身体を正常に戻す効果を持つ。この隠し湯が洗脳を解く効果があることはわかっていた。
「鬼火」で負傷したバット・ズーが、ウルフ・ズーに担がれ、真の隠し湯に入ったときに、一度、洗脳が解けている。その後、洗脳されたふりをして、服部半蔵を裏切り、義経に情報をもらしていたが、最期はそれがわかり再び洗脳され義経に斬られることになった。
水本は、解けた水の巨人の中に入った。
「水を操る者を、水に入れるなど…まさに水を得た魚…無意味にもほどがある。」
服部半蔵はそう言いながら、ウルフ・ズーと義経に何十本ものクナイを投げつけた。
だが、それが当たることは無かった。
正気を取り戻した水本が、水の巨人の中からクナイを投げ、その軌道を変えていた。
「修業で、力を開花させてくれたことには感謝する…」
触れる事で相手を洗脳する服部半蔵にとって、水を操作できるようになった水本は相性が最悪であった。
水の遠隔操作というだけでも攻略が難しいのに、水の巨人を纏われては、直接触れる事など不可能に近かった。
服部半蔵は水の巨人の中でもがいていたが、水本は、水の巨人の中の水流を操作し、そこから出る事は困難だった。
「…ガハ!…飼い犬に手を噛まれるとはこのことか……が、直ぐにあの方からの神の制裁が来るであろう…」
それが服部半蔵の最期の言葉だった。服部半蔵はそのまま意識を失った。
「…魔族とは元々、神に仕える者たち…その加護が無い離反者たち…そういった面では、この者も神に力を与えられながら神の加護から離れた離反者…不安定な状態の力を洗脳するなど造作もないこと…」
おそらく火の神の入れ知恵か…
「その能力も修行で手に入れたと?」
「…まだ能力を使いこなせていないようでしたので…水面に写ったものを感じとる能力…実際は水を操る事もできるはずなのに…感知特化になっていましたから…」
確かに、水本耕二は、水面や鏡面による感知だけなく、水も操る事ができる。それは「ナイト」終盤で、海波洋一の死後、水や時間を操る事で水の神を倒している事からもわかる。
しかしまあ、余裕ぶって語っているが、実際は服部半蔵は大変なはず…水本耕二を操作しながら自分も会話などをしなければならない…脳を2倍活用するとまではいかないかもしれないが…それなりに負担はあるはずであった。
実際、操る事だけに洗脳して自身は伊賀の国なり武蔵の国なりに身を隠していればよかったのに…これには、服部半蔵の性格設定が原因しているのだろう…服部半蔵は、洗脳している者であろうと、他人を信用しない…どういう状況であろうと、とどめは自らの手で刺しにくる。
まあ、だからこそ、ここに服部半蔵が現れることは予想が着いていた。…水本耕二が操られるというのは予想外だったが、人質なりとして連れて来ることは予想していた。
そのため、服部半蔵には悪いが、すでに対策は立ててある。魔物の誰かが再び操られたとき用の対策を…
「この男の洗脳をときたい…」
私の言葉を合図に、風とバット・ズーが、私と水本の体をそれぞれ移動させ距離を開けさせた。
水本にタックルする形となった風は、そのまま凍った水の巨人に突っ込んでいった。
「…!…そうだ!氷、解かさないと…」
風やバット・ズーに遅れて、サラマンダー・ズーが作戦の意図に気付き、炎を出して氷を解かした。
水の巨人の成分は、真の隠し湯…身体を正常に戻す効果を持つ。この隠し湯が洗脳を解く効果があることはわかっていた。
「鬼火」で負傷したバット・ズーが、ウルフ・ズーに担がれ、真の隠し湯に入ったときに、一度、洗脳が解けている。その後、洗脳されたふりをして、服部半蔵を裏切り、義経に情報をもらしていたが、最期はそれがわかり再び洗脳され義経に斬られることになった。
水本は、解けた水の巨人の中に入った。
「水を操る者を、水に入れるなど…まさに水を得た魚…無意味にもほどがある。」
服部半蔵はそう言いながら、ウルフ・ズーと義経に何十本ものクナイを投げつけた。
だが、それが当たることは無かった。
正気を取り戻した水本が、水の巨人の中からクナイを投げ、その軌道を変えていた。
「修業で、力を開花させてくれたことには感謝する…」
触れる事で相手を洗脳する服部半蔵にとって、水を操作できるようになった水本は相性が最悪であった。
水の遠隔操作というだけでも攻略が難しいのに、水の巨人を纏われては、直接触れる事など不可能に近かった。
服部半蔵は水の巨人の中でもがいていたが、水本は、水の巨人の中の水流を操作し、そこから出る事は困難だった。
「…ガハ!…飼い犬に手を噛まれるとはこのことか……が、直ぐにあの方からの神の制裁が来るであろう…」
それが服部半蔵の最期の言葉だった。服部半蔵はそのまま意識を失った。
0
あなたにおすすめの小説
大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
特に呼ばれた記憶は無いが、異世界に来てサーセン。
黄玉八重
ファンタジー
水無月宗八は意識を取り戻した。
そこは誰もいない大きい部屋で、どうやら異世界召喚に遭ったようだ。
しかし姫様が「ようこそ!」って出迎えてくれないわ、不審者扱いされるわ、勇者は1ヶ月前に旅立ってらしいし、じゃあ俺は何で召喚されたの?
優しい水の国アスペラルダの方々に触れながら、
冒険者家業で地力を付けながら、
訪れた異世界に潜む問題に自分で飛び込んでいく。
勇者ではありません。
召喚されたのかも迷い込んだのかもわかりません。
でも、優しい異世界への恩返しになれば・・・。
追放された俺のスキル【整理整頓】が覚醒!もふもふフェンリルと訳あり令嬢と辺境で最強ギルドはじめます
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の【整理整頓】なんてゴミスキル、もういらない」――勇者パーティーの雑用係だったカイは、ダンジョンの最深部で無一文で追放された。死を覚悟したその時、彼のスキルは真の能力に覚醒する。鑑定、無限収納、状態異常回復、スキル強化……森羅万象を“整理”するその力は、まさに規格外の万能チートだった! 呪われたもふもふ聖獣と、没落寸前の騎士令嬢。心優しき仲間と出会ったカイは、辺境の街で小さなギルド『クローゼット』を立ち上げる。一方、カイという“本当の勇者”を失ったパーティーは崩壊寸前に。これは、地味なスキル一つで世界を“整理整頓”していく、一人の青年の爽快成り上がり英雄譚!
異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜
沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。
数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。
最強の異世界やりすぎ旅行記
萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。
そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。
「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」
バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!?
最強が無双する異世界ファンタジー開幕!
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる