この異世界は、かつて私が創造した世界

時雨竜

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「神西暦シリーズ VANE」

「VANE」Ⅳ

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風田哲也かぜたてつやが、マミーの元に降り立ったとき、金属と金属がぶつかる金属音が鳴り響いた。

赤井義経あかいよしつねとランスロットの剣がぶつかり合った音であった。
ランスロットのモデルは、「アーサー王伝説」に登場するランスロットであるが、デザインは「キャメロット城を守る亡霊」という映画に登場した幽霊が操る鎧をモデルにしていて、その中身は空洞である。
「VANE」内でも、ランスロットと呼ばれた鎧の中身は空洞で本体は別にいた。
その事を私が赤井義経に伝えるべきであったが、私の方も近くにいた渡房太郎が襲われそれどころではなかった。
「何と精錬された剣術か…まるで数千年の剣のためだけに生きたかのようなムダの無い動き…」
まあ、その通りだろう。ランスロットの正体は、「アーサー王伝説」に登場したランスロットそのもの…既に「アーサー王伝説」の時点でかなりの剣の腕を持っていたランスロット…
神に力を見込まれたランスロットは、「アーサー王伝説」とは異なり、神を討たんとしたアーサー王を見放した。円卓の騎士を分裂させ、アーサー王とその息子を相討ちにすると、その成果が見込まれ、木の神に不老の力を与えられた。
木の神同様、地球から回復エネルギーを得る事で、年を取らずに数千年の時を生きていた。
その中で研かれた剣術は確かに、「VANE」内で記憶喪失となった赤井隆あかいたかしに芸術的とまで言わせたほどである。
だが…
「しかし、この剣は何故か軽い…」
これは西洋のサーベルだからとか、鎧が空洞だからとかではない。
「まるで、自分が戦場にいないかのように気迫を感じない…」
長く戦国の世で生き、そこで命のやり取りをしてきた赤井義経だから早急に気付くことができたのかもしれない。
赤井義経は、ランスロットと呼ばれていた鎧を一刀両断した。
ビルの物陰から、エネルギーを送り込み鎧を操っていた真のランスロットは、鎧という器を真っ二つにされたことで操れなくなり、仕方なく鎌を取り出し赤井義経に襲いかかった。
鎌にエネルギーを送り込むことで、黄色く発光した鎌は、岩や鉄筋すらも切り裂いていった。
「それが…そんなものが、お主が剣術を検算して見えたものか?」
赤井義経は、大剣に鬼の力を流し込み、大剣を赤く燃やした。
勝負は一瞬で決まった。
黄色く発光する鎌の方が切れ味は上であったが、赤井義経はそれを大剣で軽くいなし軌道を変えるとランスロットの胴体を斬り抜いた。
「剣術無き剣など意味が無い…剣の切れ味などよりも研くべきは剣術…お主がその歳月を剣術のみに生きていれば、拙者が敗れていたであろう。」
が、その言葉がランスロットの耳に入ることはなかった。

ランスロットの胴が斬られたと同時期、風田の方も胴を痛めつけられていた。
マミーの腕から伸びた包帯が風田の胴体を締め上げていた。
「ウッ…何故、こんな事をするだ、真美ちゃん!」
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