ふっくらフードの魔法

あやてぃ

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おそろい

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土曜日の午後。綾菜は足取り軽く、親友のあいちゃんの家へと向かっていた。
休日の私服も、選ぶのはやっぱりあのクリーム色のパーカーだ。学校のときのようにランドセルを背負っていない分、中綿ボアのフードが背中でゆったりと、その綺麗な形を主張している。

「あ、綾菜ちゃん! いらっしゃい!」

玄関のドアが開くと同時に、あいちゃんが元気よく飛び出してきた。その瞬間、綾菜は「あっ」と声を上げ、あいちゃんも同じように目を見開いた。

「ええっ! あいちゃんも……!」

「あはは! 綾菜ちゃんとおそろいだ!」

そこには、綾菜が着ているのと同じ、ふっくらとしたクリーム色のパーカーを身に纏ったあいちゃんが立っていた。紐のないすっきりした首元も、サイドのリブ切り替えも、そしてマシュマロのようなフードのボリュームも、全部一緒。

「えへへ、実はね、この前学校で綾菜ちゃんが着てるのを見て、お母さんに『あれ、すっごく可愛くて暖かそうなんだよ』って話したの。そうしたらお母さんも気に入っちゃって、『これなら長く着られそうね』って買ってくれたんだよ」

あいちゃんが嬉しそうに、自分のフードをポンポンと弾ませる。

「お母さんたち、気が合うのかもね」

綾菜は、自分の部屋でお母さんと話した昨夜のことを思い出し、心がじんわりと温かくなった。
二人で並んであいちゃんの部屋に入ると、まるでお部屋の中に二つの大きなマシュマロが転がっているみたいだ。

「これ、本当にあったかいよね。座っててもお腹のあたりがボアでポカポカするし」

「そうそう。それにね、二人で並ぶとこのクリーム色、もっと優しく見える気がする」

二人は鏡の前に並んで立ってみた。
一人で着ているときも自信をくれたパーカーだけど、大好きなお友達とおそろいになると、その「お気に入り」の気持ちは何倍にも膨らんでいく。

「ねえ、今日はこのまま公園にも行かない? おそろいのパーカーでブランコに乗ったら、後ろ姿が双子みたいに見えるかも!」 

「あ、それいい! 行こう行こう!」

二人の笑い声が部屋に響く。
お母さんが選んでくれた「優しさ」の色。それが今、大好きな友達との絆をさらに深めてくれている。
綾菜は、ふっくらしたフードを揺らしながら、おそろいの幸せを全身で感じていた。
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