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8.5 登校 凛side
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正義と別れた俺と日向はヤバキタまでの通学路を手を繋いであるく。
高校が別々になってしまったため、こうして手を繋いで学校に行くのは高校生になって初めてだ。正義には悪いがこの一週間存分に楽しませてもらうつもりである。
日向も楽しそうに鼻歌を歌いながら歩いている。
「なぁ、ひとつ聞いてもいいか?」
「何? 凛」
「なんで正義を星学に行かせたんだ? 久住ごときお前ならどうにでも出来るだろ」
俺は昨日からいや、久住とのデートを入れ替わることを提案した時から気になっていたことを日向に問いかける。
こうして日向と一緒に通学できるのは嬉しいが、オメガの正義をアルファの巣窟とも呼ばれる星宮学園に通わせるのはかなり危険なことだ。
いつもは兄の正義で楽しんでいる日向だが、正義のことを常に気にかけている。
そんな兄を危険に晒すなんてことをなぜ日向がしたのか気になっていた。
「正義はさ、番なんて作らないって言ってるけど、あいつには番になるアルファが必要だと思う。今は僕たちが守ってあげられるけどずっと守ってあげられるわけじゃない」
「確かにそうだな」
「だから、無理やりにでも正義には自分がオメガだって自覚を持ってほしくてさ……ついでに将来番になる人を見つけられたらラッキーかなって」
「なるほどな、相変わらずお節介だな」
「だって、正義には幸せになってほしいんだもん」
なぜ日向がこんなにも兄のことが大好きで心配をしているのか。もちろん双子の片割れということもあるのだろう。
しかし、一番の理由はきっとまだ第二の性がわかる前の出来事のせいだろう。昔の日向は泣き虫で弱虫でいつも正義の後ろに隠れてた。正義はそんな弟 日向を常に守っていた。
そんな姿を見ていた俺からしたら今の日向は全くの別人のように強くて勇ましい。
弱虫だった日向が別人のように変わったのは、第二の性がわかってからだった。
◇◇◇
「血液検査の結果は必ず親御さんに渡してくださいね、くれぐれも友達同士で見せ合ったりしないように!」
小学生中学年頃に行われた第二の性の判別する血液検査の結果が返ってきた。
俺たちは先生の言ったことを聞かずに三人で封筒に入った検査結果を見せ合うことにした。
言い出しっぺはもちろん正義だ。
「いくぜー」
「う、うん」
「へいへい」
「「「せーの!」」」
開いた紙には俺と日向の紙にはアルファの文字、正義の紙にはオメガの文字が書かれていた。
正直三人とも驚いた。アルファ同士の親からはかなりの確率でアルファの子が生まれる。正義を含めた周りの連中は正義はきっとアルファだろうと確信していたから。
そして、日向はベータなんじゃないのかとも思われていた。だから正義も日向を守っていたんだと思う。
オメガなんて気にしてないと本人は言ってるが、誰よりも気にしてるのは正義だ。
自分がオメガだと知った正義はそのあとも変わることなく元気に家に帰っていった。公園へ遊びに行く約束をしていた俺は家に帰りランドセルを置いて御子柴家に行った。
インターホンを鳴らすと出てきたのは日向のみで、正義は出てこなかった。
「正義は?」
「それが……」
気まずそうにしている日向。俺は家に上がり2階の正義の部屋へ足を進めた。すると扉の奥から正義の声が聞こえた。
正義は泣いていた、必死に声を押し殺して……
「凛……」
「おじさんとおばさんに電話しよう」
「う、うん」
俺は正義の部屋に入ることができなかった。きっと正義は泣くのを我慢してしまうと思ったから、オメガなんて誰もなりたくない。ましてや自分や周りがアルファだと思っていたのにオメガだったなんて、辛すぎる。
俺たちは急いで正義と日向の両親に電話して、家に帰ってきてもらった。
「日向! 凛くん!」
電話をしてすぐにおじさんとおばさんは帰ってきてくれた。
「パパ~、ママ~」
日向はずっと我慢していた涙が溢れて、両親に抱きついていた。
「正義は……」
「部屋にいます……これ」
俺は正義の検査結果の紙をおじさんとおばさんに渡した。
「正義はオメガだったのか」
「凛くん、日向のことよろしくね」
そう言うと二人は正義の部屋に入っていった。
それから一時間ほど経ってようやく正義を連れておじさんとおばさんは部屋から出てきた。
正義の目は見たこともないほどに赤く腫れていた。鼻もずびずびと啜っている。こんな正義を見るのは出会ってから初めてだった。
「俺……オメガだけどそんなの気にしねぇ! 俺は俺だから!!」
いつもの正義だった、でもいつもより真っ直ぐでかっこよかった。
泣き疲れたのかそのあと正義は眠ってしまった。
おじさんとおばさんに夕飯を食べていくよう誘われたのでその間、俺は日向の部屋で夕飯ができるのを待っていた。
ずっと黙っていた日向がおもむろに口を開く。
「凛……僕、正義を守りたい。オメガは危険がいっぱいだって本に書いてあった。だからアルファの僕が正義を守ってあげたいんだ。今まで正義は僕を守ってきてくれたから!」
「どうしたんだよ急に……」
「でも、僕一人じゃ無理かもしれないから……凛にも手伝ってほしい」
いつもの日向じゃなかった、まるで何かを決意したような弱っちいと思っていた日向がこんなにもまっすぐな目をするから、俺はかっこいいと思ってしまった。
それから日向は、強くなるために空手を習い始め、みるみるうちに強くなってさすがアルファだと脱帽した。
まぁ、俺もアルファなんだけど親がベータ同士のベータ寄りのアルファだから日向には到底敵わない。
◇◇◇
とまぁ、そんな感じで日向は正義に対して過保護になった。
だが、過保護になりすぎてだいぶアイツが捻くれた性格になってしまったのも事実である。日向もそれに気づいたのだろう。
「でも、アルファの中のアルファと呼ばれる久住に会わせるなんて危な過ぎたんじゃ無いのか?」
アルファの中には、俺たちのようにオメガなんて気にせず普通に接する人もいるが、そんな奴ばかりでは無い。むしろ俺たちが珍しいぐらいだ。
アルファの中でも優劣をつける久住がオメガを平等に扱うとはとてもじゃ無いが思えない。
「それがね……噂によると久住は男も女もアルファもベータも関係なしに抱くんだけど、オメガだけには絶対に手を出さないらしいんだよね」
「なんだそれ?」
「さぁ、噂だから本当かは知らないけど」
だから久住と会わせたにしても危険すぎだろ。
──ま、とりあえず頑張れよ正義
高校が別々になってしまったため、こうして手を繋いで学校に行くのは高校生になって初めてだ。正義には悪いがこの一週間存分に楽しませてもらうつもりである。
日向も楽しそうに鼻歌を歌いながら歩いている。
「なぁ、ひとつ聞いてもいいか?」
「何? 凛」
「なんで正義を星学に行かせたんだ? 久住ごときお前ならどうにでも出来るだろ」
俺は昨日からいや、久住とのデートを入れ替わることを提案した時から気になっていたことを日向に問いかける。
こうして日向と一緒に通学できるのは嬉しいが、オメガの正義をアルファの巣窟とも呼ばれる星宮学園に通わせるのはかなり危険なことだ。
いつもは兄の正義で楽しんでいる日向だが、正義のことを常に気にかけている。
そんな兄を危険に晒すなんてことをなぜ日向がしたのか気になっていた。
「正義はさ、番なんて作らないって言ってるけど、あいつには番になるアルファが必要だと思う。今は僕たちが守ってあげられるけどずっと守ってあげられるわけじゃない」
「確かにそうだな」
「だから、無理やりにでも正義には自分がオメガだって自覚を持ってほしくてさ……ついでに将来番になる人を見つけられたらラッキーかなって」
「なるほどな、相変わらずお節介だな」
「だって、正義には幸せになってほしいんだもん」
なぜ日向がこんなにも兄のことが大好きで心配をしているのか。もちろん双子の片割れということもあるのだろう。
しかし、一番の理由はきっとまだ第二の性がわかる前の出来事のせいだろう。昔の日向は泣き虫で弱虫でいつも正義の後ろに隠れてた。正義はそんな弟 日向を常に守っていた。
そんな姿を見ていた俺からしたら今の日向は全くの別人のように強くて勇ましい。
弱虫だった日向が別人のように変わったのは、第二の性がわかってからだった。
◇◇◇
「血液検査の結果は必ず親御さんに渡してくださいね、くれぐれも友達同士で見せ合ったりしないように!」
小学生中学年頃に行われた第二の性の判別する血液検査の結果が返ってきた。
俺たちは先生の言ったことを聞かずに三人で封筒に入った検査結果を見せ合うことにした。
言い出しっぺはもちろん正義だ。
「いくぜー」
「う、うん」
「へいへい」
「「「せーの!」」」
開いた紙には俺と日向の紙にはアルファの文字、正義の紙にはオメガの文字が書かれていた。
正直三人とも驚いた。アルファ同士の親からはかなりの確率でアルファの子が生まれる。正義を含めた周りの連中は正義はきっとアルファだろうと確信していたから。
そして、日向はベータなんじゃないのかとも思われていた。だから正義も日向を守っていたんだと思う。
オメガなんて気にしてないと本人は言ってるが、誰よりも気にしてるのは正義だ。
自分がオメガだと知った正義はそのあとも変わることなく元気に家に帰っていった。公園へ遊びに行く約束をしていた俺は家に帰りランドセルを置いて御子柴家に行った。
インターホンを鳴らすと出てきたのは日向のみで、正義は出てこなかった。
「正義は?」
「それが……」
気まずそうにしている日向。俺は家に上がり2階の正義の部屋へ足を進めた。すると扉の奥から正義の声が聞こえた。
正義は泣いていた、必死に声を押し殺して……
「凛……」
「おじさんとおばさんに電話しよう」
「う、うん」
俺は正義の部屋に入ることができなかった。きっと正義は泣くのを我慢してしまうと思ったから、オメガなんて誰もなりたくない。ましてや自分や周りがアルファだと思っていたのにオメガだったなんて、辛すぎる。
俺たちは急いで正義と日向の両親に電話して、家に帰ってきてもらった。
「日向! 凛くん!」
電話をしてすぐにおじさんとおばさんは帰ってきてくれた。
「パパ~、ママ~」
日向はずっと我慢していた涙が溢れて、両親に抱きついていた。
「正義は……」
「部屋にいます……これ」
俺は正義の検査結果の紙をおじさんとおばさんに渡した。
「正義はオメガだったのか」
「凛くん、日向のことよろしくね」
そう言うと二人は正義の部屋に入っていった。
それから一時間ほど経ってようやく正義を連れておじさんとおばさんは部屋から出てきた。
正義の目は見たこともないほどに赤く腫れていた。鼻もずびずびと啜っている。こんな正義を見るのは出会ってから初めてだった。
「俺……オメガだけどそんなの気にしねぇ! 俺は俺だから!!」
いつもの正義だった、でもいつもより真っ直ぐでかっこよかった。
泣き疲れたのかそのあと正義は眠ってしまった。
おじさんとおばさんに夕飯を食べていくよう誘われたのでその間、俺は日向の部屋で夕飯ができるのを待っていた。
ずっと黙っていた日向がおもむろに口を開く。
「凛……僕、正義を守りたい。オメガは危険がいっぱいだって本に書いてあった。だからアルファの僕が正義を守ってあげたいんだ。今まで正義は僕を守ってきてくれたから!」
「どうしたんだよ急に……」
「でも、僕一人じゃ無理かもしれないから……凛にも手伝ってほしい」
いつもの日向じゃなかった、まるで何かを決意したような弱っちいと思っていた日向がこんなにもまっすぐな目をするから、俺はかっこいいと思ってしまった。
それから日向は、強くなるために空手を習い始め、みるみるうちに強くなってさすがアルファだと脱帽した。
まぁ、俺もアルファなんだけど親がベータ同士のベータ寄りのアルファだから日向には到底敵わない。
◇◇◇
とまぁ、そんな感じで日向は正義に対して過保護になった。
だが、過保護になりすぎてだいぶアイツが捻くれた性格になってしまったのも事実である。日向もそれに気づいたのだろう。
「でも、アルファの中のアルファと呼ばれる久住に会わせるなんて危な過ぎたんじゃ無いのか?」
アルファの中には、俺たちのようにオメガなんて気にせず普通に接する人もいるが、そんな奴ばかりでは無い。むしろ俺たちが珍しいぐらいだ。
アルファの中でも優劣をつける久住がオメガを平等に扱うとはとてもじゃ無いが思えない。
「それがね……噂によると久住は男も女もアルファもベータも関係なしに抱くんだけど、オメガだけには絶対に手を出さないらしいんだよね」
「なんだそれ?」
「さぁ、噂だから本当かは知らないけど」
だから久住と会わせたにしても危険すぎだろ。
──ま、とりあえず頑張れよ正義
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