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21 強さ
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「テメェら、何やってんだよ!!」
俺は思いっきり空き教室の扉を開けた。
そこには俺が想像した通りの悲惨な状況が起きていた。
ただ、想像していなかったのはそこに久住はおらず金魚の糞ズだけがいることだった。
「あら~日向君じゃないですか。遅かったじゃーん」
「いないから、楽しませてもらってまーす」
二人は俺をみるなりケラケラと笑っている。
小森はワイシャツ一枚とパンツを履いているだけで手をネクタイで縛られていた。
口には男の性器を咥えさせられており、苦しそうに涙を流していた。
「おまえら、そいつから離れろ!」
「はぁ? なんでだよこいつも喜んで咥えてんだろ?」
「そーそー、日向君も混ざるー?」
「ふざけんな! 混ざるわけないだろ!」
俺の怒った姿を見て「こわ~」と顔を見合わせて笑っているだけだった。
俺は3人の近くに寄ると、金魚の糞ズをぶん殴った。
「てっめ! 何しやがる!!」
「うるせー、さっさと失せろ。じゃないとその面もっと悲惨なことになるぞ」
「くそ、覚えてやがれ!!」
二人はモブが言いそうな捨て台詞を吐いてあきっさり空き教室を出て行った。
二人が出て行ったのを確認した俺は苦しそうに咳き込んでいる小森に駆け寄る。
「ゴホっゴホっ」
「おい、大丈夫か?」
どう見ても大丈夫ではないのだが、なんて声をかければいいかわからない。
小森は俺の方に顔を向ける
「大丈夫だよ……また助けられちゃったね」
と、笑いながらそう言った。
その笑顔が痛々しく、俺の方が辛くなってしまう。辛いのは小森の方のはずなのに……
「なんで笑ってんだよ! あんなことされたのに!」
「ごめん……でも、本当に大丈夫だから。日向君が助けにきてくれて嬉しかったし、そもそも教室から出ないって約束破ったのは僕だから」
「……」
「日向君?」
なんだよこいつ、なんでこんなに強いんだよ!
あんなことされたら絶対怖いはずなのに、ナヨナヨしいやつだと思ってたのに……強いじゃねーか!
こんなにいい奴に、こんなことするなんてあいつらも久住も絶対許せねぇ!
「もしかして、泣いてる?」
「くずっ……泣いてねー!! 目にゴミが入っただけだ!!」
「……そっか、ありがとう」
小森は俺の泣き顔を見て笑っていた。俺が笑うなと言うとごめんと謝りながらまた笑っていた。
こいつの強さにあてられて泣いてしまった。こんな姿日向や凛に見られたら絶対に笑われちまう。
自分が傷つくよりも他人が傷つく方がよっぽど辛い。
◇◇◇
数分後なんとか泣き止んだ俺は、小森に大事な確認をする。
「あいつらに何された!」
「大丈夫、咥えさせられただけ、あと前を少し弄られたぐらいだよ」
どうやら後ろの貞操は守れたようで、ホッと一安心する。ふと、小森の弄られたという下半身に目をやると股間が膨らんでいるのが目に入ってしまった。
ナヨナヨしくてもこいつも男なんだよなと気づいた。なんか気まずい。凛とかだったら笑っていじり倒すのに、状況が状況だけにそんなこと言える雰囲気ではない。
なんで考え事をしていると小森も俺に気づかれたことに気づいたのか、顔を赤くしながら股を隠した。
「ご、ごめん、無理矢理されたのに気持ち悪いよね」
いやいや、こればっかりはしょうがないだろうと思ったが、そんなこと言っても恥ずかしがるだけなので黙る。
「それどうにかしとけよ、俺教室から鞄取ってくるから」
泣きそうな顔をしている小森に気を利かせて俺は立ち上がり教室を出て行こうとする。
すると小森は立ち上がった俺の手を掴んで、出ていくのを止めた。
「あ、あの……日向君!!」
「な、なに?」
「さ、触ってくれないかな……」
「…………は?」
俺は思いっきり空き教室の扉を開けた。
そこには俺が想像した通りの悲惨な状況が起きていた。
ただ、想像していなかったのはそこに久住はおらず金魚の糞ズだけがいることだった。
「あら~日向君じゃないですか。遅かったじゃーん」
「いないから、楽しませてもらってまーす」
二人は俺をみるなりケラケラと笑っている。
小森はワイシャツ一枚とパンツを履いているだけで手をネクタイで縛られていた。
口には男の性器を咥えさせられており、苦しそうに涙を流していた。
「おまえら、そいつから離れろ!」
「はぁ? なんでだよこいつも喜んで咥えてんだろ?」
「そーそー、日向君も混ざるー?」
「ふざけんな! 混ざるわけないだろ!」
俺の怒った姿を見て「こわ~」と顔を見合わせて笑っているだけだった。
俺は3人の近くに寄ると、金魚の糞ズをぶん殴った。
「てっめ! 何しやがる!!」
「うるせー、さっさと失せろ。じゃないとその面もっと悲惨なことになるぞ」
「くそ、覚えてやがれ!!」
二人はモブが言いそうな捨て台詞を吐いてあきっさり空き教室を出て行った。
二人が出て行ったのを確認した俺は苦しそうに咳き込んでいる小森に駆け寄る。
「ゴホっゴホっ」
「おい、大丈夫か?」
どう見ても大丈夫ではないのだが、なんて声をかければいいかわからない。
小森は俺の方に顔を向ける
「大丈夫だよ……また助けられちゃったね」
と、笑いながらそう言った。
その笑顔が痛々しく、俺の方が辛くなってしまう。辛いのは小森の方のはずなのに……
「なんで笑ってんだよ! あんなことされたのに!」
「ごめん……でも、本当に大丈夫だから。日向君が助けにきてくれて嬉しかったし、そもそも教室から出ないって約束破ったのは僕だから」
「……」
「日向君?」
なんだよこいつ、なんでこんなに強いんだよ!
あんなことされたら絶対怖いはずなのに、ナヨナヨしいやつだと思ってたのに……強いじゃねーか!
こんなにいい奴に、こんなことするなんてあいつらも久住も絶対許せねぇ!
「もしかして、泣いてる?」
「くずっ……泣いてねー!! 目にゴミが入っただけだ!!」
「……そっか、ありがとう」
小森は俺の泣き顔を見て笑っていた。俺が笑うなと言うとごめんと謝りながらまた笑っていた。
こいつの強さにあてられて泣いてしまった。こんな姿日向や凛に見られたら絶対に笑われちまう。
自分が傷つくよりも他人が傷つく方がよっぽど辛い。
◇◇◇
数分後なんとか泣き止んだ俺は、小森に大事な確認をする。
「あいつらに何された!」
「大丈夫、咥えさせられただけ、あと前を少し弄られたぐらいだよ」
どうやら後ろの貞操は守れたようで、ホッと一安心する。ふと、小森の弄られたという下半身に目をやると股間が膨らんでいるのが目に入ってしまった。
ナヨナヨしくてもこいつも男なんだよなと気づいた。なんか気まずい。凛とかだったら笑っていじり倒すのに、状況が状況だけにそんなこと言える雰囲気ではない。
なんで考え事をしていると小森も俺に気づかれたことに気づいたのか、顔を赤くしながら股を隠した。
「ご、ごめん、無理矢理されたのに気持ち悪いよね」
いやいや、こればっかりはしょうがないだろうと思ったが、そんなこと言っても恥ずかしがるだけなので黙る。
「それどうにかしとけよ、俺教室から鞄取ってくるから」
泣きそうな顔をしている小森に気を利かせて俺は立ち上がり教室を出て行こうとする。
すると小森は立ち上がった俺の手を掴んで、出ていくのを止めた。
「あ、あの……日向君!!」
「な、なに?」
「さ、触ってくれないかな……」
「…………は?」
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