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第一章 転移編
2 三人の男
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「ふむふむなるほどな、また厄介なモノを拾ってきたなギルよ」
「うるせぇ、仕方ねぇだろ。あんなところで死なれても寝覚めが悪いからな」
「ま、騎士としては立派なことだがな」
誰かが話している声が聞こえる。意識は戻ったのだが目を開けるのがなんだか気まずくて、狸寝入りをしながら二人の会話を聞いていた。
「そんで、コイツは何者なんだ」
さっきから言っている、「厄介なモノ」や「コイツ」というのは恐らく俺のことだと思われる。
話している男のうちの一人はさっき俺のことを見つけて近づいてきた男の声である。
「うむ、ギルも感じたと思うが此奴には魔力が一切感じられない」
「あぁ、だから敵国の兵士ではないと思ってここに連れてきたんだ」
「助けるつもりで連れてきたんなら残念だが……こいつはそのうち死ぬぞ」
「!?」
──死ぬ、誰が? 俺がか!?
ついさっき死んでこの世界に来たばかりなのに、また死ぬのか……?何のために転移したんだよ。神様の気まぐれにしてもタチが悪い。
心の中でツッコミを入れながら目覚めるタイミングを見失った俺は、二人の話の続きを聞く。
「……なんだ、拾い損だな」
「酷いやつだな……まぁ、致し方ないか」
流石の俺も二人の会話に驚き目を開く。助けるために運んできてくれたんじゃないのか!仕方ないはないだろう。兵士としてそんな簡単に人を見捨てるなんてことをしていいのか!
「あの? お、俺、死ぬんですか……」
心の中のツッコミを口に出せるほど俺のメンタルは強くない。男に告白しといてなんだが。
俺はおどおどしながら二人の会話に割って入る。意識を手放した時よりは息苦しさは減ったが、それでも話すのは辛かった。
二人は俺が話し始めたことにさほど驚きはしなかった。
「狸寝入りで盗み聴きとはいい趣味だな小僧」
「ちょっと、悪戯してみた。すまないな」
どうやら俺が狸寝入りをしていたことは二人にバレバレだったようで、さっきのはちょっとした冗談話だったようだ。
会話していた一人は、俺を助けてくれた男で間違いなかった。
しかし、もう一人の老人のような喋り方をしている人物は、俺よりも身長が低く顔もかなり幼くて可愛らしく女の子と思ってしまう見た目をしていた。一つ特徴的なのは耳が長くゲームに出てくるエルフのような形をしていた。
その愛らしい顔の人物は悪戯してみたと言ったわけで、俺が死ぬという会話も俺を起こすための冗談話だったようだ。
「はぁ、なんだ……冗談か」
俺はホッと胸を撫で下ろし安心する。さすがに転移してきて異世界生活でやり直すぞと思ってすぐに死亡なんて話あるわけがない。
「あぁでも、お前があと数時間程で死んでしまうのは事実だ」
「え"ぇ!」
「本当だったのかよ!?」
俺を助けたギルと呼ばれる男も冗談話だと思っていたようで俺と同じように、大きな声をだし驚いている。
俺はやっぱり死ぬのか……それも数時間もしないうちに……
さっきの話が本当だというのなら、魔力がどうとか言っていたが、それが関係あるのだろうか。
「どうしたんだ、ギル? 大きな声を出して」
あまりに衝撃的な言葉に固まっている俺たちがいるテントの中に、心配するような言葉を掛けながら男性が入ってきた。
金色に輝く髪に長身の見るからに優しそうな男だった。それにしても登場してくる男、全員が美形なのは異世界特有のモノなのだろうか。学校一のモテ男の俺ですら霞んでしまうほどだ。
「ああ、アルか」
入ってきた男はアルと呼ばれているらしい。彼は、俺の方に目を向けると心配そうに俺に近づいてきた。
「彼が、ギルが助けたという青年か……君、大丈夫かい?」
「え、あの……」
男は顔を近づけ心配そうに俺を見つめてきた。
近い……こんなイケメンの顔を近くで見たら、女の子だけでなく男でも惚れてしまう。俺はあまり男のかっこよさに言葉を失い見とれてしまっていた。
無言になってしまった俺の代わりに口を開いたのは、ギルと呼ばれた男だった。
「残念ながら大丈夫じゃないな……コイツはあと数時間もしないうちに死ぬらしい」
「えぇ! 大変じゃないか!?……ところで君の名前は?」
「えぇ! 今ですか」
「はぁ、相変わらずマイペースだなお前は」
男のあまりに唐突な質問に驚いてしまう。どうやら彼の行動は日常的なようで周りは呆れていた。
とりあえず自己紹介をすることにした俺は、ベッドから体を起こす。
だるすぎて体を起こすのも一苦労だ。アルと呼ばれる男が手伝ってくれたので、なんとか体を起こすことができた。
「えっと、俺は尾瀬佐太郎って言います」
「オゼ? サタロー? 不思議な名前だね」
俺の名乗った名前に不思議そうに首を傾げる。彼らの見た目や服装からして中世のヨーロッパのような感じだし、文明もそんなに発展していないように見える。日本人の名前を名乗っても違和感を感じてしまうのかもしれない。
「あの、サタローで大丈夫です」
俺はとりあえず名前だけでいいと訂正しておいた。
「そうかサタロー、私の名前はアルフレッド、そして彼がギルバードで彼がパスカルだよ」
アルは愛称らしく本名はアルフレッドというらしい。アルフレッドは自分の名前を名乗った後に後ろにいる二人のことも紹介してくれた。俺を助けてくれたギルと呼ばれる男はギルバードで、愛らしい少年は、パスカルという名前のようだ。
「それでパスカル、サタローが死んでしまうというのはどういうことなんだい」
アルフレッドは自己紹介も早々に深刻そうな顔でパスカルに状況の説明を頼んだ。
パスカルは、俺の方をチラリと見るとアルフレッドとギルバードの方を見て口を開く。
「二人ともちと悪いが、サタローと二人で話したいことがあるから出て行ってくれないか」
驚いた顔をする二人、ちなみに俺も驚いているから三人になる。二人には話せないほど深刻な状態なのだろうか。
電車で跳ねられたのは事故だったので、恐怖する前に死んでしまったが、死亡宣告されるのはかなり恐ろしいものだ。
アルフレッドとギルバードは顔を見合わせて頷く。
パスカルと呼ばれるこの小さな少年はどうやら二人から信頼されているようだ。
「あぁ、わかったよ。話が終わったら呼んでくれ」
「うむ」
二人は、潔くテントの外へ出て行った。
「うるせぇ、仕方ねぇだろ。あんなところで死なれても寝覚めが悪いからな」
「ま、騎士としては立派なことだがな」
誰かが話している声が聞こえる。意識は戻ったのだが目を開けるのがなんだか気まずくて、狸寝入りをしながら二人の会話を聞いていた。
「そんで、コイツは何者なんだ」
さっきから言っている、「厄介なモノ」や「コイツ」というのは恐らく俺のことだと思われる。
話している男のうちの一人はさっき俺のことを見つけて近づいてきた男の声である。
「うむ、ギルも感じたと思うが此奴には魔力が一切感じられない」
「あぁ、だから敵国の兵士ではないと思ってここに連れてきたんだ」
「助けるつもりで連れてきたんなら残念だが……こいつはそのうち死ぬぞ」
「!?」
──死ぬ、誰が? 俺がか!?
ついさっき死んでこの世界に来たばかりなのに、また死ぬのか……?何のために転移したんだよ。神様の気まぐれにしてもタチが悪い。
心の中でツッコミを入れながら目覚めるタイミングを見失った俺は、二人の話の続きを聞く。
「……なんだ、拾い損だな」
「酷いやつだな……まぁ、致し方ないか」
流石の俺も二人の会話に驚き目を開く。助けるために運んできてくれたんじゃないのか!仕方ないはないだろう。兵士としてそんな簡単に人を見捨てるなんてことをしていいのか!
「あの? お、俺、死ぬんですか……」
心の中のツッコミを口に出せるほど俺のメンタルは強くない。男に告白しといてなんだが。
俺はおどおどしながら二人の会話に割って入る。意識を手放した時よりは息苦しさは減ったが、それでも話すのは辛かった。
二人は俺が話し始めたことにさほど驚きはしなかった。
「狸寝入りで盗み聴きとはいい趣味だな小僧」
「ちょっと、悪戯してみた。すまないな」
どうやら俺が狸寝入りをしていたことは二人にバレバレだったようで、さっきのはちょっとした冗談話だったようだ。
会話していた一人は、俺を助けてくれた男で間違いなかった。
しかし、もう一人の老人のような喋り方をしている人物は、俺よりも身長が低く顔もかなり幼くて可愛らしく女の子と思ってしまう見た目をしていた。一つ特徴的なのは耳が長くゲームに出てくるエルフのような形をしていた。
その愛らしい顔の人物は悪戯してみたと言ったわけで、俺が死ぬという会話も俺を起こすための冗談話だったようだ。
「はぁ、なんだ……冗談か」
俺はホッと胸を撫で下ろし安心する。さすがに転移してきて異世界生活でやり直すぞと思ってすぐに死亡なんて話あるわけがない。
「あぁでも、お前があと数時間程で死んでしまうのは事実だ」
「え"ぇ!」
「本当だったのかよ!?」
俺を助けたギルと呼ばれる男も冗談話だと思っていたようで俺と同じように、大きな声をだし驚いている。
俺はやっぱり死ぬのか……それも数時間もしないうちに……
さっきの話が本当だというのなら、魔力がどうとか言っていたが、それが関係あるのだろうか。
「どうしたんだ、ギル? 大きな声を出して」
あまりに衝撃的な言葉に固まっている俺たちがいるテントの中に、心配するような言葉を掛けながら男性が入ってきた。
金色に輝く髪に長身の見るからに優しそうな男だった。それにしても登場してくる男、全員が美形なのは異世界特有のモノなのだろうか。学校一のモテ男の俺ですら霞んでしまうほどだ。
「ああ、アルか」
入ってきた男はアルと呼ばれているらしい。彼は、俺の方に目を向けると心配そうに俺に近づいてきた。
「彼が、ギルが助けたという青年か……君、大丈夫かい?」
「え、あの……」
男は顔を近づけ心配そうに俺を見つめてきた。
近い……こんなイケメンの顔を近くで見たら、女の子だけでなく男でも惚れてしまう。俺はあまり男のかっこよさに言葉を失い見とれてしまっていた。
無言になってしまった俺の代わりに口を開いたのは、ギルと呼ばれた男だった。
「残念ながら大丈夫じゃないな……コイツはあと数時間もしないうちに死ぬらしい」
「えぇ! 大変じゃないか!?……ところで君の名前は?」
「えぇ! 今ですか」
「はぁ、相変わらずマイペースだなお前は」
男のあまりに唐突な質問に驚いてしまう。どうやら彼の行動は日常的なようで周りは呆れていた。
とりあえず自己紹介をすることにした俺は、ベッドから体を起こす。
だるすぎて体を起こすのも一苦労だ。アルと呼ばれる男が手伝ってくれたので、なんとか体を起こすことができた。
「えっと、俺は尾瀬佐太郎って言います」
「オゼ? サタロー? 不思議な名前だね」
俺の名乗った名前に不思議そうに首を傾げる。彼らの見た目や服装からして中世のヨーロッパのような感じだし、文明もそんなに発展していないように見える。日本人の名前を名乗っても違和感を感じてしまうのかもしれない。
「あの、サタローで大丈夫です」
俺はとりあえず名前だけでいいと訂正しておいた。
「そうかサタロー、私の名前はアルフレッド、そして彼がギルバードで彼がパスカルだよ」
アルは愛称らしく本名はアルフレッドというらしい。アルフレッドは自分の名前を名乗った後に後ろにいる二人のことも紹介してくれた。俺を助けてくれたギルと呼ばれる男はギルバードで、愛らしい少年は、パスカルという名前のようだ。
「それでパスカル、サタローが死んでしまうというのはどういうことなんだい」
アルフレッドは自己紹介も早々に深刻そうな顔でパスカルに状況の説明を頼んだ。
パスカルは、俺の方をチラリと見るとアルフレッドとギルバードの方を見て口を開く。
「二人ともちと悪いが、サタローと二人で話したいことがあるから出て行ってくれないか」
驚いた顔をする二人、ちなみに俺も驚いているから三人になる。二人には話せないほど深刻な状態なのだろうか。
電車で跳ねられたのは事故だったので、恐怖する前に死んでしまったが、死亡宣告されるのはかなり恐ろしいものだ。
アルフレッドとギルバードは顔を見合わせて頷く。
パスカルと呼ばれるこの小さな少年はどうやら二人から信頼されているようだ。
「あぁ、わかったよ。話が終わったら呼んでくれ」
「うむ」
二人は、潔くテントの外へ出て行った。
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