異世界では総受けになりました。

西胡瓜

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第二章 本部編

38 脱ぐ

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「他に聞きたいことは?」

「いや、もう特にないけど……」

 あらかたの事はレオの説明で解決することができた。ギルが倒れているかもと言う言葉はやや不安ではあるが、真面目なギルが疲労だけで倒れるなんてことは考えにくいので心配する必要はないだろう。
 質問することがもうないことをレオに伝えるとさっきまでの不満そうな顔はどこへやら、満面の笑顔で耳をピンっとたてて尻尾も同じように立たせゆらゆらと揺れている。

「じゃヤりますかー」

 さも当然の流れのようにレオはまた俺の上に覆いかぶさる。飢えた獣の如く、獲物を捕らえる時のような眼差しをしてくる。目を逸らしたら今すぐにでも食われそうだ。

「ちょっと待て! どんだけやりたいんだよ、怖いんですけど!」

「任務、任務、任務で溜まりに溜まってんの!サタロー可愛いから全然イケそうだわ」

「俺を性欲の吐口はけぐちに使うな!」

 可愛いからイケそうとかゲイの俺だけど全く嬉しくない。よくもまぁこんな恥ずかしい言葉を平気な顔で言えるものだ。どうせ魔力は貰わなきゃいけないのだけれど、この気持ちのまま行為を行うのはどうにも腑に落ちない。

「何言ってんのどうせ魔力貰うんだからどうだってよくね? 王都で女買うのも金かかるしさ、ただで抱けるとか超ラッキーってね……一石二鳥だな」

「……」

 屈託のない笑顔で失礼なことを言いまくっている。そりゃ18歳なんだから性に対してこんなもんなのかもしれない。男だらけの軍に入っていたら、尚更飢えているだろう。アルやギルがとても紳士的だったことがよくわかる。
 だがそんな言葉で俺は流されない!軽い男なんて思われたくないからな!歳が近いからなのか謎の意地を張り始める。

「だめ! そんな気持ちで抱かれたくない!」

「えー、何そのめんどくさい女みたいな反応」

「ふん!」

 俺はそっぽを向いてレオの言葉を無視し反抗の意思を示す。俺の反応に面倒くさそうにため息を吐く。

「はぁー、ったく…………あっ! そうだ、サタローはさギルが疲れてるから俺に頼んできたんでしょ、ならさ俺がギルが疲れない行為の仕方教えてあげよっか?」

「…………!? ほんとか」

 俺の反抗はレオの一言であっさり終わりを迎えた。俺の反応にレオも調子良く話を続ける。

「もっちろーん、サタローが頑張ればギルが楽になるよ~」

「ぐぬぬ、わ、かった……教えてくれるんだったら」

「うんうん、素直でよろしい!」

 せっかくレオが教えてくれると言うんだ。性の知識が浅い俺には絶好のチャンスである。リズやソフィさんもそう言う知識は豊富そうなんだけど女の子に聞くのは男として情けないし、なにより恥ずかしい。
 女性しか抱いたことがないと言ったレオだが、やはりこの世界では同性同士の行為も受け入れられているようで、男性を抱くのに抵抗はないようだ。レオぐらいの年頃なら好き嫌いがはっきりしており、特に彼みたいな性格の奴は嫌なものはハッキリと嫌だと言うだろう。

「そんじゃ、服脱いで」

「えっ、自分で……」

「なに、脱がせて欲しいの~?それとも手伝ってもらわないとサタローちゃんは脱げませんかー」

「違うわ! 脱げるよ、たくっ」

 いちいちムカつくことを言ってくる。今までは脱がしてもらってたというかいつのまにか裸になってたから、自分で脱ぐのはなんだか恥ずかしい。レオに言われるがままサスペンダーを肩から外し、ワイシャツのボタンをプチプチと外していく。
 その間レオはじーっと俺の方を見てきて男に見られても恥ずかしくないし、パスカルやギルとは裸の付き合いをしたぐらいだ。
 普通のことなのに何なんだこの嫌な視線は、さっきまでベラベラと喋っていたのに無言で見てくる。ボタンを外す時の服が擦れる音だけが部屋に響いていた。変な空気に変に緊張してしまいボタンがうまく外せず四苦八苦する。

「ほらほら、早く脱ぎなよ」

 ボタンに悪戦苦闘している俺にレオはニヤリと笑う。これではほんとに一人じゃ服も脱げない子どもではないか。

「わかってるよ! ていうか俺だけ脱ぐのは恥ずかしいからレオも脱いでよ」

「はいはい、わかりましたよー」

 俺の言葉を素直に受け入れたレオは、着ていたワイシャツの上のボタンを数個開けるとガバッとそのまま勢いよく脱いだ。
 なんつーワイルドな脱ぎ方なんだ、これではワイシャツにシワができるし洗う時、面倒くさいだろうが!

「ほれほれ早くサタローも脱いで」

「わ、わかってるよ!」

 ──それにしても、やっぱりこいつもいい筋肉してやがる。同じ男として同年代として悔しい。兵士達のトレーニング一緒にやらしてもらおうかなと少し考える。

 やっとのことでワイシャツを脱いだ俺は、自分の身体をまじまじと見る。やっぱりひょろいし色が白すぎて余計弱々しく見える。

「なーに固まってんのほら下も脱いで」

「下も脱ぐのか!?」

「脱がなきゃできないでしょーが」

「そ、そうだけど」

 真顔で正論を言われベルトをカチャカチャと外しチャックを下ろす。ズボンを下ろす前にレオの方をチラリと見るとやはりまじまじと俺のズボンを脱ぐ姿を見ていた。俺はたまらずレオに文句を言う。

「そんな凝視するなよ、恥ずいだろ」

「はぁー、こんなことで恥ずかしがってどうすんだよ。アルやギルとはこれ以上のことしてんだろ」

「そ、そうだけど……あの二人の時は俺はされるがままだったと言うか……ごにょごにょ──」

「はいはい、文句はいいからつべこべ言わずにさっさと脱ぐ!」

 レオは俺のズボンを掴むと勢い良く下げて取っ払っい見事にパンツと靴下だけの姿となった。電気はついていないが窓の外から光が入って来て二人の姿はハッキリと見えている。
 いつも薄暗い中でやっていたから、この状況は初めてでそれだけで緊張感が増す。俺は縮こまり体育座りをしてできるだけ見える面積を減らす。

「ほら、縮こまらない!」

「うぅー、なんか恥ずかしいだけど……」

 俺の情けない声もレオの耳には入らず彼の手によって、体育座りを崩され脚を伸ばされ手も退かされ身体を隠すことができなくなる。
 恥ずかしい俺はふるふると震えながら顔を背ける。

「うわー、サタロー色白いね細くてすぐ折れちゃいそう」

「悪かったなヒョロヒョロで……」

「違うよ、守ってあげたくなるってこと」

 全く褒め言葉になってないし、守られるなんて情けない。涙目になりながら睨む。側から見たらまるで猛獣に襲われる哀れな子羊だろう。

「なにそれ、全然嬉しくない」

「はいはい、拗ねない拗ねない」

 拗ねてないし軽くあしらわれているようで腹が立つ。
 なんでこいつはこんなに余裕なんだ経験の差ってやつなのだろうか。大して歳も変わらないのにイケメンで百獣の王の獣人で、耳と尻尾で可愛さともふもふさを兼ね備えて、体も逞しくて女子からしたら理想的な男なんだろうな。そこも加味すると余計に腹が立つ、これはもうただの妬みでしかない。
 
 本当に今からこの男と行為に及ぶのだろうかと心配になるほどに乗り気になれない自分がいた。

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