異世界では総受けになりました。

西胡瓜

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第二章 本部編

66 通行人

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「はぁ……はぁ、もぉむりぃ──」

 俺は、散々ツルにイきそうになっては止められるという拷問とも言える行為でひんしの状態になっていた。

 パスカル達が早く戻ってきてくれないかと思う反面、こんな痴態を子ども達には見せられないのでどうか戻ってこないでくれという願う気持ちが頭の中で葛藤していた。

「あっ…………んっ……」

 あまりにしつこいツルの行為に疲れた俺は、声を出すことさえ気だるくなる。力を入れることさえかったるくて四肢に絡みついたツルだけで体を支えている状態になっていた。

 反応が鈍くなった俺に苛立ちを感じたのか、そもそもこのツルに自分の意志があるのかもわからないが、俺の性器からツルが退いた。

 やっと地獄から解放されたとホッと一安心した俺だが、俺の目の前にツルが一本現れて俺に見せしめるかのようにツルが形状を変えた。

 今までよりもさらに細く棒のような形に姿を変えたツル。一体それで何をしようというのだろうか。朦朧とする意識の中でボーッとその状況を眺めていると、四肢に絡みついたツルが唐突に動き始める。

 足を大きく開かされ恥ずかしい格好にさせられる。どんな格好になろうと恥ずかしさなどとうに吹き飛んでいるが、先程形を変えたツルが俺の勃ち上がった性器の先端に近づいてきて、背筋が震えた。

「ちょ、嘘だろ……まじやめろって!!」

 必死で近づいてくるツルから逃げようと暴れるが、相変わらずのすごい力で手足を封じられどうすることもできない。
 俺の抵抗も虚しく容赦なく俺の尿道の入り口に先端をつぷりと入ってきた。

「ひぃ!! ほんと、ムリだから! 誰か! 助けてくれ!」

 俺は子どものように泣きじゃくりながら懇願するがジリジリと先に進もうとするツル。怖くて見れなくなった俺は地面に目をやる。

 するとなんと俺の下に人が歩いていた。顔は見えないが紫がかった髪をしている。もしかしたら女性かもしれないがそんなこともはや気にしている場合ではなかった。

「ちょっと! そこの人! 助けてください!」

 紫髪の人物は俺の声にキョロキョロと辺りを見渡しているが上を見ることはしなかった。そりゃ上から声が聞こえるなんて思わないだろうけど一分一秒を争っているので早く気がついてほしい。

「うえ! 上見て!」
「ん?……何してるんだ?」

 何とか気がついてくれた上を見た人物には、シュリやソウヤのように額にツノが生えていた。顔もとても美しく整っており女性と見間違えそうだが、男だと思われる。
 それにしても全裸の男がツルに縛られて上空にいる姿を見たというのに、全然驚いていない。

「ちょっとこのツルに色々と酷いことされてまして!助けてくれませんかっ!」
「…………」
「ちょ! 無視しないで!」

 男は俺の必死な懇願に耳を傾けずに正面を向いて歩き始める。

「ちょ、ちょっと! なんで無視するんですか!?」
「……だって、君喜んでるようだったから」
「はぁ?!」

 相変わらず冷静な顔というかぼーっとした顔でとんでもないことを言った男に、大変な状況だというのに間抜けな声をあげてしまう。
 この状況のどこに俺が喜んでいるという結論に至ったのだろうか。男はさっき脱がされた俺のズボンと下着の前に行き足を止めて上を見上げた。

「ほら、イってるし……」
「……そうだけど! でもそれは違くて!」
「……」
「ちょっ! 無視しないで!」

 男は俺とパンツを交互に見ている。俺は男と自身を交互に見た。

「ぎゃー! まじで勘弁してくれ!!」

 ツルは容赦なく俺の中に入ってこようとしていて、俺はもうダメだと目をつぶり覚悟を決めた……その瞬間に四肢に絡みついていたツルがスパンと切られて手足が解放される。

 固く閉じていた目を開けると、支えがなくなった俺は重力にしたがって地面に落ちていた。

「ぎゃー、助けて~!!!」

 もうダメだと衝撃に備えて開いた目をまた固く閉じた。しかし、俺の思っていた衝撃が来ることはなかった。

「あれ、俺生きてる?」
「……大丈夫?」

 そっと目を開けると先程の鬼の男の腕の中にすっぽりと収まっていた。所謂、お姫様抱っこってやつをされている。某アニメの様にふわふわと落ちたわけではなく、自由落下に任せて落ちたと言うのにこの安定感はきっと鍛錬を積んだ証だろう。
 なんてどうでもいいことを一瞬考えてしまった。

「あ、はい、大丈夫です。助けていただきありがとうございます……」
「……どういたしまして」

 すっごい真顔で俺の顔を見てきてなんだか気まずい。
 さっきまでは自分の身を守ることに懸命で自分の格好のことを気にしていなかったけど、冷静になった今初対面の人にこの格好はかなり恥ずかしい。

 なんてぐるぐると頭の中で考えていると、森の奥から聞き慣れた甲高い声が響いてきた。


 
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