どうも異世界で超能力者になりました

AYAMI

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第二章

第1話 いきなり急展開!?

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対ボルス戦から3日…

「あぁ~やっと退院できたぁ!」

俺は病院(魔法で治すのに病院ってシステムはあるのか。異世界は不思議なことだらけだ。)からでて、体にちゃんと力が入ることを確認する。

なにせ、3日間ずっと病院のベッドの上だったのだ。3日間と言えど充分長く感じるものだ。

「さて、宿屋に行って〈蒼天〉持ってきたらギルド行くか。」

(あ、街の人も俺がスライムにボロ負けしたこと広まってるだろうか…。広まってたとしたら、からかわれるんだろいなぁ…。)

なんてことを考えて宿屋に向かって歩き出す。

だが、20mくらい歩いた所で、誰かが俺の目の前に立ち塞がる。

(…ん?誰だ?)

一瞬、誰だか分からず警戒する。またボルスの部下が来たということもありうるからだ。

だが、その心配は杞憂だった。

「そんな構えをとらなくても大丈夫よ。」

先日、ボルス雑魚を瞬殺した魔法使い少女だった。相変わらず赤いローブを纏っている。

「あぁ、あんたはあの時の。」

少女の言葉に俺は戦闘態勢を崩す。

「この前はありがとう。あなたがいなければ危なかった。」

「いや礼はいらないよ。元々、俺が撒いた種みたいなもんだしな。」

そう、この少女は雑魚こそ瞬殺したもののボルスに大敗を喫したのだ。

「いえ、私が油断せずに最初から本気で相手をしていれば、あの程度の魔法耐性、簡単に打ち破れたわ。あなたがああなるまで戦う必要は無かったはず。」

俺は「まだ、あれは本気じゃなかった」という少女の言葉に少し驚いた。

ボルスの魔法耐性は以前ルビンと話していた時に聞いたのだが、俺と戦った次点では推定200ほどだったそうだ。

そしてそれから大分鍛えていたようだから魔法耐性もかなり上がっていただろう。

「…ん?ちょっと待ってくれ。あんた、あいつの魔法耐性ってどんなもんって気づいてたのか?」

「ええ、防御魔法を展開した時に。ほんの一部が崩れてたのを見たわ。私が雷魔法を使った際に崩れたんでしょうね。あれなら魔法耐性は280から300と言った所ね。」

また、俺は驚いた。損傷した部分を見て魔法耐性を見抜くとは。

しかも、あれだけの速度で走っていたのだ、それを確認するのは至難の技だ。とてもじゃないが今の俺の身体能力では不可能だろう。

彼女の凄さを改めて認識する。

「あんた、すげぇな…。」

「そうでも無いわ………ところで」

彼女は続ける。

「<あんた>と言うのは止めてくれないかしら?お礼を言いにきて、名前を名乗らなかったのは私の落ち度だけども。」

…どうやら彼女は名前にプライドがあるようだった。

「あぁ、悪い。んじゃ俺から自己紹介するよ。俺は不破 幸助、17歳。多分知ってると思うけど冒険者だ。」

俺は年齢も付け加えつつ、自身の名前をいう。

「年齢を言う必要はあったのかしら…?まぁいいわ。私はセレスティン=ジルバーナ。セレスと呼んで。年齢は12歳よ。」

「セレスな。分かった。ってかお前も年齢言ってんじゃん。にしても本当に凄いな。12歳でそこまで…て、え!!?」

今日一番の驚きだった。途中までセレスに笑いながら突っ込んだ俺だったが年齢を聞いた瞬間その余裕もなくなった。

「あら?そこまで驚くようなとこあったかしら?」

頭の上に「?」マークが出そうなくらい疑問そうな顔をするセレス。

いや、年下だと思ってたけど…まさか12歳とは。ってか12歳で街一番の魔法使いって………。

「い、いや年齢のわりには大人びてるな…って思ってさ」

俺は本当に驚いたことは伏せて、誤魔化す。まぁ事実なんでいいだろう。

「あぁ、そうなの。よく言われるわ」

自覚している所があるのだろうか。すぐに納得した様子のセレス。


「それで、本題に入りたいんだけれどいっかしら?」

「本題?」と俺は聞き返す。何かあるのか?

「えぇ、お礼を言いに来たのは勿論だけれど貴方にお願いしたいことがあるの。」

「あぁ、俺にできることなら。」

なるほど。だからこうして俺の前を「通せんぼ」する形で出てきたのか。と納得する俺。

「で、どういう頼み?」

俺は頭の中で「PTの勧誘」をはじめとした「頼み」とやらを色々考えて想定して答えを用意しておく。

だが、少女の口から発せられた「頼み」は俺の予想とは全く違っていた。

「貴方に惚れたわ。私と付き合って」

「ええええええぇぇええええええええ!?!!?」

今日一番の驚きが一瞬で更新されたのだった。
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