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第一章
第8話 反撃
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俺の様子が明らかに変わったことに驚きつつも、勝ち誇った笑みを崩さないボルス。
「あぁ、そうかい…。どんな魔法を使ったが知らねぇけど残念だったなぁ。俺はさっきも言ったが高い魔法耐性を持ってんだ。それに俺が作り出した人形に俺のステータスをコピーすることもできる…。つまり!」
突如今まで何もなかったところから5人のボルスが形成される!
「ギャハハハッッ!どうだぁ!?これじゃあ何もできねぇなぁ!?」
「「完全にボルスが勝った。」」
この場にいるほぼすべての人間がそう考えた。
「あぁ、そうだな…。お前くらいの魔法才能と身体能力を持ったやつが5人もいたら流石に魔法が使えるようになっただけで勝つなんてまず無理だな。」
そういいながら小さく肩を竦める俺。
「おぉ?わかってんじゃねぇか。ならとっとと諦めて死ーー
「けどよ」
「あ゛?」
ボルスの台詞を遮る形で俺は続ける。
「コレがいつ〈魔法だ〉なんて言った?」
直後、どこからか「蒼天」が飛んできて、ボルスの一人へと突き刺さる。瞬間、そのボルスは音もなく、崩れ落ち霧散する。
「な、マナダスト鉱石!?」
どうやら「蒼天」の材質を今の一発で見抜いたようだったが、 遅い。
「蒼天」はまるで〈誰かに操られているかのよう〉に空中を舞い、二人目のボルスを一瞬で霧散させる。
「な、何が起こってんだ…!?」
流石にあまりの急展開にボルスも理解が追い付かず形成されたボルスを操ることも出来ずに呆然としている。この光景を見ている街の人も何が起きているのか理解できなかった。その間にも「蒼天」はは〈空中を舞いながら〉形成されたボルスを切り裂いていく。
「ど、どうなってんだよ…」
三人目ーー
「大体、どうやってマナダスト鉱石にーー」
四人目ーー
「魔法を使ってやがるんだ!?」
五人目ーー
全員、切り裂き終わったところで蒼天は俺の元へ来て、手中に収まる。
「言ったろう?〈これは魔法じゃない〉って?」
「ち、チクショオォォオオオオォオオオ!!!」
叫びながら俺に突進してくるボルス。恐らく本人もヤケクソになっているんだろう。
そして俺に到達する直前、〈不可視の力が働いているかのように〉ボルスは止まる。
「なっ…こ、今度は何だよッッ…!?」
その疑問に俺はヒントを与えてやることにした。
「さて、さっきお前は俺を〈2度殴った〉な?つまり、お前は俺に〈2度、触れた〉それがお前が動けない原因だよ。」
そして「蒼天」をしっかりと握り直す俺。
「それと…ちゃんと言ったよな?「命の保証はしない」って。」
俺の言葉の意味に気づいたボルスが一瞬で青ざめた顔になる。
「ま、まま、m、まってくれぇ…!本当に本当に悪かった!も、もう絶対こんなことはしない!だ、だからーー
「知るかよ。もう命乞いなんて無駄だ。諦めろ」
「い、い…嫌だァアアアア!!!!!!」
ドサッ
~~~次の日~~~
ボルスはあの後、絶叫すると勝手に失神した。正直に言えば別に本気で殺そうなどとは考えていなかったので、勝手に失神してくれてありがたかった。
街の人に協力してもらい、部下と一緒に縛り上げて、ギルドに身柄を引き渡しておいた。
ちなみに俺はギルドから事情聴取をたっぷりと受けた。
その中で知ったのだが、雑魚を瞬殺したあの女の子はこの街一番の魔法使いなんだそうだ。半年ほど他の街へ行っていたが一昨日(俺がスライム討伐に出掛けているとき)帰ってきたらしい。
ボルスから受けた傷は軽症だったらしく治癒魔法をかけてやれば大丈夫なんだそうだ。
俺もあばら骨は折ってしまったが、治癒魔法を3日当てていれば治るということだ。
ーーで、ボルスを倒したあの技。あれは実感として分かったことなのだが…ボルスにいった通り「魔法」ではなく「超能力」だった。効果は「触れた対象を一定時間操作する」というもの。(吹き飛ばされたときに触れた瓦礫、俺を殴る形で触れたボルス、そしてどうやら寝ぼけているときに触れた「蒼天」がその例)
「超能力…ねぇ…。」
ふと、病院のベッドで寝ている俺の横からそんな声が聞こえてきた。ルビンである。
「にわかには信じがたい話だけどさ、あんなん見せられたら信じるしかないよねー」
「あはは…。俺もいまいち実感湧かないよ。」
実際に自分が「超能力者になった」という実感は湧かない。
でも俺は嬉しかった。自分が超能力者になれたことが。これからこの異世界でやっていける希望を見出だせたことが。
「まぁ、何はともあれこれからもよろしくな?コウスケ!」
バンバンと俺を叩いてくるルビン。
「痛い痛い!ちょっとは加減してくれよな…!……あぁよろしくな。ルビン。……さて、と。怪我が治ったらクエストに行くか!」
そう言った俺に、
「あぁ、まずはスライムを倒せるように頑張ろうな?」
笑いをこらえながら、言ってくるルビン。
「なっ…!?知ってたのかよ!?」
「あぁ、冒険者の間で話題だぜ?あいつが来たらからかってやろうって。」
楽しそう笑いながらにそんな恐ろしい事を言ってくるルビン。
「勘弁してくれよ…」
俺はこれからの生活を不安に思うのだった。…が
ふと窓から見上げた空はどこまでも青く綺麗な海のように広がっていた。
「あぁ、そうかい…。どんな魔法を使ったが知らねぇけど残念だったなぁ。俺はさっきも言ったが高い魔法耐性を持ってんだ。それに俺が作り出した人形に俺のステータスをコピーすることもできる…。つまり!」
突如今まで何もなかったところから5人のボルスが形成される!
「ギャハハハッッ!どうだぁ!?これじゃあ何もできねぇなぁ!?」
「「完全にボルスが勝った。」」
この場にいるほぼすべての人間がそう考えた。
「あぁ、そうだな…。お前くらいの魔法才能と身体能力を持ったやつが5人もいたら流石に魔法が使えるようになっただけで勝つなんてまず無理だな。」
そういいながら小さく肩を竦める俺。
「おぉ?わかってんじゃねぇか。ならとっとと諦めて死ーー
「けどよ」
「あ゛?」
ボルスの台詞を遮る形で俺は続ける。
「コレがいつ〈魔法だ〉なんて言った?」
直後、どこからか「蒼天」が飛んできて、ボルスの一人へと突き刺さる。瞬間、そのボルスは音もなく、崩れ落ち霧散する。
「な、マナダスト鉱石!?」
どうやら「蒼天」の材質を今の一発で見抜いたようだったが、 遅い。
「蒼天」はまるで〈誰かに操られているかのよう〉に空中を舞い、二人目のボルスを一瞬で霧散させる。
「な、何が起こってんだ…!?」
流石にあまりの急展開にボルスも理解が追い付かず形成されたボルスを操ることも出来ずに呆然としている。この光景を見ている街の人も何が起きているのか理解できなかった。その間にも「蒼天」はは〈空中を舞いながら〉形成されたボルスを切り裂いていく。
「ど、どうなってんだよ…」
三人目ーー
「大体、どうやってマナダスト鉱石にーー」
四人目ーー
「魔法を使ってやがるんだ!?」
五人目ーー
全員、切り裂き終わったところで蒼天は俺の元へ来て、手中に収まる。
「言ったろう?〈これは魔法じゃない〉って?」
「ち、チクショオォォオオオオォオオオ!!!」
叫びながら俺に突進してくるボルス。恐らく本人もヤケクソになっているんだろう。
そして俺に到達する直前、〈不可視の力が働いているかのように〉ボルスは止まる。
「なっ…こ、今度は何だよッッ…!?」
その疑問に俺はヒントを与えてやることにした。
「さて、さっきお前は俺を〈2度殴った〉な?つまり、お前は俺に〈2度、触れた〉それがお前が動けない原因だよ。」
そして「蒼天」をしっかりと握り直す俺。
「それと…ちゃんと言ったよな?「命の保証はしない」って。」
俺の言葉の意味に気づいたボルスが一瞬で青ざめた顔になる。
「ま、まま、m、まってくれぇ…!本当に本当に悪かった!も、もう絶対こんなことはしない!だ、だからーー
「知るかよ。もう命乞いなんて無駄だ。諦めろ」
「い、い…嫌だァアアアア!!!!!!」
ドサッ
~~~次の日~~~
ボルスはあの後、絶叫すると勝手に失神した。正直に言えば別に本気で殺そうなどとは考えていなかったので、勝手に失神してくれてありがたかった。
街の人に協力してもらい、部下と一緒に縛り上げて、ギルドに身柄を引き渡しておいた。
ちなみに俺はギルドから事情聴取をたっぷりと受けた。
その中で知ったのだが、雑魚を瞬殺したあの女の子はこの街一番の魔法使いなんだそうだ。半年ほど他の街へ行っていたが一昨日(俺がスライム討伐に出掛けているとき)帰ってきたらしい。
ボルスから受けた傷は軽症だったらしく治癒魔法をかけてやれば大丈夫なんだそうだ。
俺もあばら骨は折ってしまったが、治癒魔法を3日当てていれば治るということだ。
ーーで、ボルスを倒したあの技。あれは実感として分かったことなのだが…ボルスにいった通り「魔法」ではなく「超能力」だった。効果は「触れた対象を一定時間操作する」というもの。(吹き飛ばされたときに触れた瓦礫、俺を殴る形で触れたボルス、そしてどうやら寝ぼけているときに触れた「蒼天」がその例)
「超能力…ねぇ…。」
ふと、病院のベッドで寝ている俺の横からそんな声が聞こえてきた。ルビンである。
「にわかには信じがたい話だけどさ、あんなん見せられたら信じるしかないよねー」
「あはは…。俺もいまいち実感湧かないよ。」
実際に自分が「超能力者になった」という実感は湧かない。
でも俺は嬉しかった。自分が超能力者になれたことが。これからこの異世界でやっていける希望を見出だせたことが。
「まぁ、何はともあれこれからもよろしくな?コウスケ!」
バンバンと俺を叩いてくるルビン。
「痛い痛い!ちょっとは加減してくれよな…!……あぁよろしくな。ルビン。……さて、と。怪我が治ったらクエストに行くか!」
そう言った俺に、
「あぁ、まずはスライムを倒せるように頑張ろうな?」
笑いをこらえながら、言ってくるルビン。
「なっ…!?知ってたのかよ!?」
「あぁ、冒険者の間で話題だぜ?あいつが来たらからかってやろうって。」
楽しそう笑いながらにそんな恐ろしい事を言ってくるルビン。
「勘弁してくれよ…」
俺はこれからの生活を不安に思うのだった。…が
ふと窓から見上げた空はどこまでも青く綺麗な海のように広がっていた。
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