どうも異世界で超能力者になりました

AYAMI

文字の大きさ
16 / 28
第二章

第2話 急展開からの逃走

しおりを挟む
「えっと、もう一回言ってくれないか?」

「ええ、良いわよ。貴方に惚れました。私と結婚を前提にお付き合いしてください。」

~~~~~
前回のあらすじ

年下の女の子に告白されました。(しかも今聞き直したら、結婚すること前提だった。)
~~~~~~

俺はいきなりの急展開に焦る。

いや、告白は嬉しい。俺は生まれてから今、この瞬間まで一度も告白されたことなんて無かった。嬉しくない訳がない。

だが、相手は五歳年下の12歳。俺の元々住んでいた世界では(日本)まだロリに定義される年齢。

恋愛に年齢は関係ないと言うが、それは成人してる人同士の話だろう。

(実際そうだろう?例えば39歳と29歳ならまだわからんことはない。だが19歳と9歳だったらなんか駄目な気がしないか?同じ10歳差なのに。)

「それで…どうかしら…?」

セレスを見ると、ローブで顔が隠れていて分かりにくいが見える範囲ではかなり赤くなっている。

恐らく、顔が見えたらさぞ真っ赤なことだろう。

…意識したらなんかこっちも恥ずかしくなってきた。

(おい、落ち着くんだ、俺。相手は12歳。いわば幼女。もとの世界だったら犯罪者扱いされ、ロリコンの方々にネットで叩かれ(社会的に)死ぬかもしれない年齢層だぞ!

……いや、異世界だし大丈夫か?…いやいや!そういう問題じゃないだろう!!)

俺は暫く悶々としていたが、やがて、答えをだす。

「悪いな…。ちょっと考えさせてくれる期間をくれないか?」

やはり俺はヘタレだった。我ながら情けないことだが。

だが、どうする?考える期間をくれとは言ったものの結論が出る気がしないぞ…!

しかも追い打ちをかけるように、

「今、返事をして…」

声が大分小さいが、しっかりと拒否される。

俺は無駄だと分かってながら、なんとか時間を稼ごうとする。

「えっと、俺なんかのどこがいいんdwすか…?」

幼女相手に敬語になる本当に情けない17歳の姿がそこにあった。

…しかも、思いっきり噛んだ。

「そ…それは……その……」

さっきまでの大人びて凛とした姿はどこへやら。完全に俯いてしまうセレス。

そして訪れるしばしの沈黙。

…誰か助けてくれ………。

その願いが叶ったのか、後ろから助けが現れる。

「お、コウスケじゃん?そんなとこでなにしてんだ?」

「師匠!退院されたんですね!おめでとうございます!」

最初の台詞はお馴染みのルビン。

そしてもう一人の方は先日、俺の元に弟子入りにきた青年 ミレナリオだった。

~~~~~
ミレナリオは俺がボルスを倒した時(一回目)偶然その場にいたらしく、一発でボルスを(まぐれだが)倒した姿を見て感動したと言う。

そして偶然、俺と同じ日にギルドへ入るための許可証を受け取り冒険者になった。

いわば同期だが、俺が入院している時(第一章、8話の最後のすぐ後)に病室へやってきて「師匠!僕を弟子にしてください!」と言ってきたのだった。

あまりにも突然だったので、「お、おう」と了承の返事をしてしまい、それ以降、ずっと「師匠!師匠!」と言ってきて俺の病室へ訪れてきたのだったーー。(2時間に一回くらいのペースで、夜にくることは流石に無かったが…。)

~~~~~~

「こんな所で何してのさ。お、そっちにいんのはセレスのおちびか?」

ルビンは知り合いのように気軽にセレスに話しかける。

「ルビン、知り合いなのか?」

俺は藁にもすがる思いでルビンに訪ねる。

「あぁ、こいつが赤ん坊の時から面倒みててな。にしても大きくなったなぁ…。昔は虫をみるだけで怖くて「おねぇちゃーん、助けてぇー」って叫んで泣いてたのに」

「…なっ、そ、それは違う、違うわよっ!」

しみじみと呟くロビンと否定しながらさっきとはまた別の意味で赤くなりながら必死に否定するセレス。

さらに、ミレナリオは…

「あ、あの方が〈彩色の魔女〉のセレスティン=ジルバーナ様!?さすが…姉さんと超一流の腕をもつ師匠です!僕は一生ついていきます!」

…なんか、俺の評価が高くなった…。(ちなみにミレナリオはルビンの事を姉さんと呼んでいる。兄妹じゃないけど。)

(彩色の魔女?)

と頭の中で考え、ピンくる。セレスはボルス部下と交戦した時、さまざまな魔法を駆使し戦っていた。

なるほど。恐らくそこから来ている異名なんだろう。 

「セレス様!僕は師匠の弟子のミレナリオというものです!是非ともお会いしたいと思っておりました!」

俺がセレスの異名の由来にたどり着いた時、すでにミレナリオはルビンとセレスの間に入って、セレスに握手を求めていた。

…一瞬でよくあの場に入れるな。俺はミレナリオに色んな意味で感心する。

「あ、そういえばお二人は何をされてたんすか?」

「!」

ミレナリオの言葉で、さっきの出来事を思い出す俺。

(こ、こいつ折角乗りきれたと思ったのに…!)

ミレナリオに少し恨みの目線を送るが全然気づく様子もない。

「な、なんでもないわ。この前のお礼を言いに来ただけ。」

(あれ?大丈夫だった?)

セレスは赤くなりながら何も無かったと告げる。

「え?何のです?」

ミレナリオは二回目ボルス戦のときにクエストに出掛けていた。そのため、セレスがボルスに負けたという事実を知らなかった。

「ま、なんでもいいじゃんか!それよりコウスケ。お前クエストに行くんだろ?早く武器もってギルド行くぞ!」

「あ、師匠がいくなら僕も行きます!」

「え、?あ、あたしも行くわ」

「お、セレスティンも来るのか?でもあくまでコウスケの特訓だから、手出ししちゃ駄目だぞ?んじゃあたし達は先にギルド行ってから早く来いよ!」

そう言ってルビンは「ほぅら、セレスティンも抱っこして連れてってやるぞ~」抵抗するセレスを連れていった。

…よかった。でもなんか複雑な気分だ…。

こうして、俺は(とりあえず)時間を稼ぐ事が出来たのだった。 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―

ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」 前世、15歳で人生を終えたぼく。 目が覚めたら異世界の、5歳の王子様! けど、人質として大国に送られた危ない身分。 そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。 「ぼく、このお話知ってる!!」 生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!? このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!! 「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」 生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。 とにかく周りに気を使いまくって! 王子様たちは全力尊重! 侍女さんたちには迷惑かけない! ひたすら頑張れ、ぼく! ――猶予は後10年。 原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない! お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。 それでも、ぼくは諦めない。 だって、絶対の絶対に死にたくないからっ! 原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。 健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。 どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。 (全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく

タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。 最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。

異世界でも保育士やってます~転生先に希望条件が反映されてないんですが!?~

こじまき
ファンタジー
【読んでいただいて♡いただいて、ありがとうございます。王城編準備中のため、12月12日からしばらく更新お休みします。考えてた構成が「やっぱなんか違う」ってなり、慌てております…汗】 「こんな転生先だなんて聞いてないっ!」六年間付き合った彼氏に婚約を解消され、傷心のまま交通事故で亡くなった保育士・サチ。異世界転生するにあたり創造神に「能力はチートで、広い家で優しい旦那様と子だくさんの家庭を築きたい」とリクエストする。「任せといて!」と言われたから安心して異世界で目を覚ましたものの、そこはド田舎の山小屋。周囲は過疎高齢化していて結婚適齢期の男性なんていもしないし、チートな魔法も使えそうにない。創造神を恨みつつマニュアル通り街に出ると、そこで「魔力持ち」として忌み嫌われる子どもたちとの出会いが。「子どもには安心して楽しく過ごせる場所が必要」が信条のサチは、彼らを小屋に連れ帰ることを決め、異世界で保育士兼りんご農家生活を始める。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

異世界転生旅日記〜生活魔法は無限大!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
 農家の四男に転生したルイ。   そんなルイは、五歳の高熱を出した闘病中に、前世の記憶を思い出し、ステータスを見れることに気付き、自分の能力を自覚した。  農家の四男には未来はないと、家族に隠れて金策を開始する。  十歳の時に行われたスキル鑑定の儀で、スキル【生活魔法 Lv.∞】と【鑑定 Lv.3】を授かったが、親父に「家の役には立たない」と、家を追い出される。   家を追い出されるきっかけとなった【生活魔法】だが、転生あるある?の思わぬ展開を迎えることになる。   ルイの安寧の地を求めた旅が、今始まる! 見切り発車。不定期更新。 カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない

しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。

処理中です...