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第一章 異世界からきた姫様
第十二幕 そりゃねぇーぜ! プロポーション針ってこんなのありかよぉ!! 地獄だぁ!!
しおりを挟むしばらくして、ゆーまは近くにあった休憩室で、又、独り言をぼやいていた。
「んとに、ユニのこっちの世界を全く知らないのには、困ったもんだな。少しずつ教えていかないとぞな」
はぁ、とためいきをつく。
「相変わらず、オレ、独り言、多いな」
そういい、自販機で買ったジュースをゆーまは、ごくりと飲んでいく。
「んぅ、うめぇ、やっぱ、フルーツジュースは、POKKARIだよな!」
右手に缶を握り、感激した瞬間だった。異変が起きた。
「キャぁぁッァ、胸がぁ!」
さっきいたところくらいから、大きな悲鳴が、聞こえてきた。
「ん、何だぁ? む、胸? ま、まさか、またユニが、何かしたんじゃぁ?」
ゴクリと、最後までジュースを急いで飲み干し、ゴミ箱に缶を急いでほうり、悲鳴のしたほうに駆け出した。
「キャー、何これーッ!」
「やっぱり、女風呂のほうから!」
「一体、何があったんだぁッ!」
女湯の前まできて、ゆーまは、立ち止まった。どうしていいものかと。
「う、女風呂の看板。仕方ない、悲鳴が上がっている以上、行かなければな、許してくれ男のサガよ。 突入ーぅッ!」
DODODO!
「キャー、どさくさに紛れて、男よー」
凄い、大きな津波のように、女湯から、超巨乳の女の人ばかりが出てきた。ゆーまは、その勢いで吹っ飛ばされ、その場に尻餅をつく。
「ちょ、超巨乳オンパレードだぁ! な、なんだぁ? この胸がメチャメチャでけぇ、超巨乳な女の人たちは? 一体、何? しかも、出てくる人みんな!」
ビックリ仰天の顔をし、天変地異が起きたような興奮感を見せる。近くにユニがいた。
「あ、ユニ、どうしたんだ、一体? これなんだ?」
「ゆーま、隣にいた女の子がね、ユニみたいに胸大きかったらいいのになっていうから、この魔法アイテム、プロポーション針で大きくしてあげたの!」
ユニは、右手先でつまんでいた、ちっさい針のようなものを、ゆーまに高らかと見せる。
「なにぃ! プロポーション針だぁ?」
「こんな風に、大きくしたいところを突っ突くと、大きくなるの」
ユニは、近くでシャンプーをしていた女性の胸を突っ突いた。すると、
PON!
「きゃぁ、胸がぁ!」
たちまちのうちに、その、若い女性の胸が大きくなり、超爆乳になった。ゆーまの目が、点になった。
「ね、いいでしょ!」
「ある意味、す、凄い一品だが、で、何で、入っている人、みんなでけーんだぁ? うわぁ!」
「男よ。こいつ、さっきののぞき魔よ! 変態、許さないんだから!」
さっきの一件を知った女性が怒り、ゆーまの方に近付いてきた。
「うわぁ、ちょ、ちょっと待って、俺は、ユニのことが心配で」
「問答無用よ!」
「ユニぃ、お前の仕業だな! うわぁぁぁっぁぁぁっぁ、きょ、巨乳地獄だぁぁぁぁっぁぁ、止めてくれー」
またしても、女性客の暴行が、ゆーまに降りかかった。今度は、余りにデカイ巨乳で顔を打たれ、攻撃されている。ユニは、相変わらず能天気だった。のほほんとしている。
BOKOBOKO!
ゆーまの顔が、巨乳に打たれ、前に後ろに、まるでバレーボールのように飛んでいく。
脳震盪(のうしんとう)を起こすくらい酷(ひど)く打たれている。
「うぅ、助けてくれー、もう、巨乳アタックは、コリゴリだぁッー!」
くらっとなり、また隙を見て、ゆーまはしゃがみ込み、逃げようとした。だが、その動いた為に更なる悲劇が、舞い降りた。
「ゆーまも、おっきくなあれ!」
ユニが、下からゆーまの腹を、プロポーション針で狙っていた!
「つん! あれ、お腹、押そうと思ったのに、ずれちゃった。ごめんなさい、ゆーまぁ」
「エェツ、つ、つんて、まさか、この痛みは下半身? もしかして、ま、まさか?」
「ゆーま、おっきくなったね」
「ぎゃー、あそこがおっきくなってるぅッー。 嘘だろうぅー」
何と、動いた為に針で刺す箇所を間違えられ、局部を刺されていた。局部が、とんでもないデカさになった。
「し、しかも、へ、へちまよりもデカイ……」
「きゃー、なにこいつ、へ、変態よ!」
「へ、変態じゃない! 俺は、ユニが心配できたんだ!」
「きゃー、変態、こないでー」
近寄ろうとした瞬間、巨乳の女性達は後退(あとずさ)り、ゆーまとは、反対方向に駆け出した。ユニが、面白そうな顔でにやけている。ゆーまは、自身の大事態に顔を俯(うつむ)け、唖然となり、言葉を無くした。
「あー、もう、お嫁にいけない。う、ううッ」
その場で、あそこを見えないように手で押さえ、うずくまり込んだ。
☆☆
第十三幕につづく。UP予定。
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