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第二十四幕 下半身丸出し?! 醜態だぁッ、そりゃねーよぉ、かんべんしてくれ~ッ、勇者辞退してぇぇッ!!?
しおりを挟むしばらく時間が経ち、ゆーまの目が覚めた。アエリアとピットが近くにいた。
「あれ、なんだろ、名札があった草履の色が変わってるような?」
一目散に目の前にあった草履の変化にゆーまは気づいた。だが、ボヤッとしていた。
「んぅ? な、何だ、俺は、どうしたんだ? ここは?」
「良かった、気がついたか」
アエリアが、心配そうな顔つきで言った。
「アエリア、ピット!」
ゆーまが惚(とぼ)けた顔で、顔を見合わせた。
「俺は、どうしてたんだ? 気を失っていたのか?」
「そうだ。今は、ユニのこと、口で大、大、大好きって、言えるか?」
アエリアが訊く。
「んな、こと言えるわけねーだろ!」
ゆーまが、不貞腐(ふてくさ)れた顔で言う。
「よかった。魔法は解けたようだな!」
その時だった。ゆーまが、立ち上がった瞬間、悲劇はまた起きた。
「ん、何? 魔法? あ、あいちゃん!」
「きゃ!」
「きゃ? なんだ?」
「そ、それより、言いにくいのダスが、ムコ殿、下! 下ッ!」
ピットが指差し、言った瞬間、ゆーまは、恐る恐る下半身を見遣った。
下半身がスースーするのに気づいた。
「ん、ぎゃー、何だ、これはぁぁぁぁッ! 丸見えじゃねーか!」
禁!
前にあいちゃんがいた。ゆーまは、あいちゃんに近づこうとした。
「先輩、こっちこないでください」
あいちゃんは、赤面で反対方向に顔を向ける。
禁!
「記憶がねぇ? もうなんでぇ、あいちゃんに、あそこ、丸見えじゃねーかぁッ! もう最悪だァ!」
ゆーまは、泣き面で大声を上げ、下半身を手で急いで隠し、その場に蹲(うずくま)った。
「う、う、うぅッ、醜態だぁッ」
辛辣(しんらつ)な声が、空間に響いた。一同が、同情するかのような面持ちで見つめている。
☆☆ ☆☆
しばらくの間、負の雰囲気が続いたが、ゆーまは、意気を取り戻して、草履を再び握った。
「ゆーま殿、これも一緒に持っていって、参拝して欲しいのだが」
「あ、これね、リンちゃんの草履だな! いいよ。どっかに、ユニのも落ってないか?」
「姫様のは、ないダスね」
「それは、気まずいな、一人だけ持っていかないなんて、ユニが、可哀想だ!」
「先輩って、優しいんですね」
「エッ?」
「ムコ殿、その心配はいらないダスよ。我輩が、さっきのユニ様の草履の形覚えているダスから、我輩が、魔法ペンで描いて仮りの草履を復元するダス!」
ピットが、笑顔で魔法ペンを取り出して、魔法画を描こうとした。
「な、何ぃ!」
「やった。見てみなさいよ。愛という正義は、勝つのよ」
木陰でユニが、ガッツポーズをとる。リンが、また悔しそうな顔をし、舌打ちした。
「そ、そうか、その方法があったな。頼むよ、ピット。そうしなきゃ、ユニ、可哀想だもんな」
ゆーまが、そう言った矢先だった。
「ハァッ、キタァ! 魔界が、見えたダス!」
ピットの瞳が、藍色から、赤い色に変わった。大きく見開いた。
「パニクルぅぅぅううぅッ!」
言うと同時に、ピットの魔法ペンを持っていた手が俊足に動いていた。
「魔法タブレット、展開!」
PON!
何と、瞬時に魔法タブレットにユニの草履を描き上げ、ピットの魔力で魔法画は具現化した。
「おッ、さっきのユニの草履だな。相変わらず、ピットの魔法画はスゲーな!」
久々のピットの魔法画にゆーまは、興奮気味に言った。
「じゃあ、皆で草履持って行くダス!」
「おう、行こうゼ!」
そういい、ゆーまたちは、草履落とし階段を後にした。
☆☆ ☆☆
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