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第一章 お姫様は退魔錬金術士なんだ。
第七話 国の審査は厳しいの?
しおりを挟む二人はパース様がいる施設の前にきていた。
順番待ちをして、やっとのことで、順番が回ってきたのだ。
ミレアが第一声を発した。
「パース様、トロトロ薬草豆、納品にきました」
「おお、ダングラス殿の見習い生か。どれ、みしてみい」
「はい、では、ただいま。レナン、袋二つ渡して」
「ハイ、プ二」
レナンは、パース様のいる机の上に、納品物が入った袋を置いた。
しかし、語尾のなまりがでてしまったのだ。
モンスターということがばれなければいいが。モンスターといっても可愛いスライムだ。
だが、ここは城の中。モンスターがいては、最悪、衛兵にみつかれば殺されかねない。
「(もう、何言うのよ、ハイだけでいいのよ。素性ばれたらどうするの!)」
「ははは、あのですね、弟は、言葉がたまに、外国語になるんです。そういう癖が、パース様あるんです」
ミレアは、苦笑いをしてごまかした。
パース様はひげを引っ張って、笑顔でうなずいた。
「おお、そうか。魔法で調べるところ、毒はないようじゃな」
なんともう知らない間に、パース様は魔法で毒を調べていた。
そして、袋の中に手を突っ込み、白く輝く豆を一粒、とりだした。
「この白銀の輝き、どれ、一つ」
パース様は口の中にトロトロ薬草豆を放り込んで食べた。
「うむ、この口の中でほわわと回復しながらとろける感じ、これは確かにトロトロ薬草豆だな。よくぞ、納期どおり作った。ほめてやるぞ。これで、兵士の傷も治る」
「ううう、よかったですぅ」
ミレアは、作ったものが、無事に品質鑑定が通り、嬉しさのあまり、嬉涙を流した。
一歩間違えれば、ムチ打ちという酷刑がまっていたからだ。
無事にクリアできたわけだ。
そうして、パース様は金貨が入った袋を裏手側から取り出した。
「さて、報酬の250PRIと品定合格証書だ。受け取れ、見習い生よ」
「ハイ、どうもです。有難うございます」
ミレアは嬉しそうな顔でその金貨袋を受け取った。
「では、これで失礼いたしますぅ」
二人はお礼を言い、お辞儀をして、後ろ側にあったドアを開けた。
「はて、おかしな外国語をしゃべるやつじゃな」
パース様はうなずき次の物件が書かれてある物件表をみた。
ミレアは、レナンとともに鑑定室から出るとほっと胸をなでおろした。
緊張していたのだ。
そして、ドアを閉じた。
「じゃ、いくわよ、レナン」
「わかったプニ」
プニロンとミレアは、品定施設の方から、城の門のほうへ歩き出した。
「プニロン、みてみて、品定合格書よ、250PRIよ」
ミレアは喜んで品定合格証書を空に掲げた。
あまりに嬉しかったのだ。自分で初めて作り上げて納品したからだ。
「良かったプニね。これで借金返せるプニね」
「うーまだ一億もあるのよ。せんせい~早く帰ってきて~」
「頑張るプニよ」
レナンはファイトのポーズをゴーレムでとっていった。
ミレアは終始笑顔でうなずいていた。
二人は話しながら、城を後にした。
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