サイキック捜査官 BLUE DRAGON

蒼井一

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第三章 イシュタル女神伝説殺人事件

第三十八話 脅威、自然発火爆弾!

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地下で爆発が起き、噴煙が収まり始めたときだった。


 涼がまず目を覚ました。


「いたた、みんな、無事か」


「涼こそ大丈夫?」「野志穂警視も、みんな無事みたいだな」


 野志穂警視が痛そうな顔つきでいった。


 爆発で吹っ飛ばされていた。


 佳奈も意識が戻った。


 しかし、佳奈は足を抑えていた。


 血が出ている。


 涼はそれに気が付いた。


「佳奈ちゃん足から血が出てる」


「大丈夫ですよ、破片が当たっただけです、かすり傷です」


 佳奈は痛いだろうが平気そうな素振りをみせた。


 みなに心配させたくないのだ。


 その意思をくみ取り、涼は自分の服の一部を破った。 


 そして、それを佳奈の怪我している足に巻きだした。


「これでも巻いておけ、止血にはなるはずだ」


「あ、ありがとうございます」


 佳奈は嬉しそうな顔つきで言った。


 巻き終わると、涼は爆発した辺りを調べだした。


「かっこいい方の涼、意外と優しい一面あるわね」


「わたしもびっくり」


 野志穂警視と佳奈が話し込んでいた。


 そのときだった。


「へ、見つけたぜ、わかったぞ。小細工してくれるもんだぜ、まったくよぉ」


 涼は何かを手に持っていた。


 何かに気が付いたものと思われる。


「ウラヌスめ、これを使ったんだ」


「涼師匠、どういうことっス? その懐中電灯になにかあるっスか?」


 翔が不思議そうな顔つきで言った。


 涼は続けていった。


「みんな、よくきいてくれ、これはただの懐中電灯じゃない」


「どういうことなの?」


「さっき、サイコメトリーコンピューターでブロックを解除したとき、出てたのが気になってたんだ」


 そういい、涼は一呼吸置いた。


 そして、見解をしゃべりだした。


「懐中電灯自然発火だよ」


「自然発火?」


 思わず声が上がった。


 みな、動揺していた。


 野志穂警視が言い出した。


「一体どういうこと? 涼?」


「熱源体は、これさ」


 そして、数歩、涼は歩いていき何かを探した。


「あったぞ、やはりな、見つけた」


「その丸いのは何?」


「リチウムイオン電池さ」


「そんな丸いのをどうやって」


「いいや、これは普通のリチウムイオン電池じゃないんだ」


 丸いものをみなに見せて、涼は続けていった。


「使い捨ての物凄く古いやつなんだ」


「古い?」


「何かそれに理由があるの?」


 綾見添乗員が不思議そうな顔つきでいった。


 たしかに、日常的に使えるもので何の害もないように思われる。


 そして、鋭い視線で涼はいった。


「簡単さ、リチウムイオン電池は、古くなると、膨らみ、膨張し、内部の液が漏れる性質があるんだ。しかも、その液体は熱で燃え出す性質がある」


「まさか」


 涼のその言葉にみな絶句した。


「そのまさかだ。あとは、そのリチウムイオン電池付近に火薬を仕込ませておけば、この特殊改良されている熱を高くすることができる懐中電灯を使えば」


「その高められた熱が着火剤になり、リチウムイオン電池の漏れた液体の着火剤にできるってわけだ」


 絶句が止まらなかった。


 そして、耽々と涼は指をさし見解を述べていく。


「これにより、簡単に検問所のセンサーを通り抜けることができ、爆発させれるってわけだ」


「なるほどね、始めから爆発物を仕掛けるのではなく、作り上げたのね」


 野志穂警視が感心して聞き入っていた。


 その場にいるもの全員の口が開いてふさがらなかった。


 涼は鋭い眼光を光らせながらいった。


「そうだろうぜ、へ、やってくれるぜ、ウラヌスめ」


「そんなまさか」


 綾見添乗員がそういった矢先だった。


 事態は一触即発し、急変した。
























☆☆


こんばんは。
応援よろしくお願いします。
これからも更新してまいります。
何回も見てくださっている読者様には感謝しかありません。
ほんとにありがとうございます。
遅くに更新すみません。
またおあいしましょう。
帰り道読者様も気を付けてお帰り下さいね。
感想も気軽にキャラの事でもなんでもかいていただけるとうれしいです。
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