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第17話「お姉様を賭けて」
しおりを挟む―学園中庭
ついに始まった決闘。
地球の魔女詩音と水の魔女候補生の候補生メディナの決闘。
エリート魔術師であるメディナは高等部に入れば即魔女入り決定と言われている天才少女で、中等部にして裏生徒会への出入りを許されている。
賞品が詩音のレオナの妹取り消しという話題性もあってか、この決闘には当然ながら大勢のギャラリーが湧いていた。
「レオナお姉様は一度勝ったにもかかわらずチートな魔術書に負けたと聞きますわ。まずはそれを捨てなさい!」
「別にいいけど・・・ブック!」
詩音は古びたチート魔術書を呼び出し離れた所へ置く。
詩音もあの時は気絶していて無意識に使ってしまったので本意ではない。
なので今度こそは実力で決闘を勝ち抜いてみせようとやる気になっていた。
ブー!!
決闘の合図が鳴る。
「いきますわよ、シオン様!」
先に仕掛けたのはメディナだった。
高水圧の水のカッターが詩音に襲い掛かる。
「甘いわね」
しかし詩音は手をかざすと高水圧カッターを自身に届く前に一瞬にして凍らせた。
思わずチートな魔術書を二度見するメディナだが、魔術書は発動していない。
完全に詩音の実力である。
詩音は元々魔術書無しでも魔術を極めている天才少女であり、完全完璧なチート生徒会長である。
規格外の魔女達との戦いやチートな魔術書のおかげで忘れられがちだが、詩音も十分チートだったのだ。
「水の騎士よ!」
詩音の前に水で作られた巨大な騎士が精製される。
メディナの高水圧カッターが放たれるが全て水の騎士に吸収されてしまう。
「こしゃくな・・・ですわ!」
メディナは水の騎士に強力な高水圧砲を繰り出した。
しかし一瞬崩れたものの直ぐに再生し、メディナの攻撃は全て吸収されてしまった。
それによりより巨大に成長する水の騎士。
メディナが水の剣を精製し水の騎士を斬りつけた次の瞬間、それは崩れ去り大きな水たまりが出来た。
驚くギャラリーとメディナ。
次の瞬間メディナには詩音が意図的にやったのだと気付いた。
メディナは手を抜かれたと当然激怒した。
「馬鹿にしてますの!?」
「馬鹿になんてしてないわ。あなたと正面から戦いたくなってね」
いつもの様に氷の長剣を精製する詩音。
チートな魔術書が作り出す伝説級の氷剣ではないが、強力な氷剣には違いが無かった。
そしてメディナに急接近する詩音。
メディナの水の剣と詩音の氷剣はぶつかり合い、魔力量の多い詩音の氷剣が徐々に水の剣を侵食していく。
そしてついに水の剣はその形を維持できなくなり水たまりと化した。
衝撃で腰を付いたメディナに詩音が氷剣を突き付ける。
「勝負ありね、メディナちゃん」
「私の負けですわ・・・シオンお姉様」
「・・・は?」
今この娘は自分に何と言った?お姉様?
自分の耳を疑った詩音はもう一度聞いた。
「もう一度聞くわよ?お姉様って?」
「シオンお姉様が勝ったのですから私が妹になるのが道理でございましょう?」
「待って、どうしてそうなるの」
疑問符を浮かべているのは詩音だけではない、その場にいたレオナもである。
「私がシオン様の妹になればレオナ様の妹の妹、つまりレオナ様の実質妹になりますわ」
「いや、そうはならないで・・・てレオナ様、反対なさらないんですか?」
「決闘で決まった事なら反対できないわ。それにアリス様もおっしゃっていたわよね、責任を取りなさいと」
自分の時に言われたからってそれはあんまりでしょう、と思う詩音。
しかしここで逆らってアリスに裏生徒会を追放にでもされたら大変だ。
大変業腹だが、詩音はメディナを妹にする事にした・・・条件付きで。
「メディナちゃんは中等部なんだから正式な妹にはなれないわよ?私が二年になって妹にしたい子が現れたら諦める事。いい?」
「いいですわよ。まあ私に勝る妹候補が出てくるとは思いませんが」
この娘天狗になってるな。
自分で言うのもなんだが表の生徒会長である自分は十分人気がある。
二年生になる頃には妹候補等選び放題だろう、そう考えていた詩音であった。
そして同時にメディナは考えていた。
そういったライバルは決闘で蹴散らせばよいと。
二人の考えを見透かしていたレオナは憂鬱な気分になっていた。
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