21 / 144
参の怪【絶望に至る病】
「お使い」
しおりを挟む
◇
――ただそれだけを伝えたくて。
◇
「っう……」
ベッドから起き上がり、頭を抱える。なんか変な夢を見た気がする。
ほとんど覚えていないが、あれは中学時代の夢…… ? 弟の令二が出てきたような気がするが……もうあいつは俺のこと、覚えてないからなあ。
「れーいちくん」
「っうわぁ!?」
突然耳元で聞こえた気色悪い声に驚きベッドから転げ落ちた。
「もう、そんなに嫌がられると興奮しちゃうなぁ」
「やめろ気持ち悪い!」
尚も覗き込んでくる奴に反射的な拳が出るが、するりと避けられてバランスを崩す。慌てすぎて前のめりになっていたらしい。
「ああ、もうっ…… ムカつく」
時計を確認するとまだ朝の6時。
こいつは基本屋敷にいる上に仕事があっても重役出勤なのでまだ時間はたっぷりある。
それに今日は仕事の話もなかったはずだし、なぜこんなにも早く起こされないといけないのか。
怒りを押し殺して自室として充てがわれた部屋を出る。
「まあまあそう言わずにさ」
俺の後からついてきた奴は胡散臭い笑顔でにやにやとしている。
起きてしまったのは仕方ないので素早く顔を洗い、リビングとしている部屋でテレビをつけて天気を確認。
一日晴れているならシーツの洗濯も同時にやるか…… なんて考えていると唐突に嫌な予感が俺を襲った。
「った!?」
予感に従って顔を手で覆ったところに飛来する赤い物体。
きちんと掴み取ったものの握った拍子にゴリっと嫌な音を立てて手の平が擦れた。
ったく、一体なんなんだ? これは。
「…… ? 鱗、か?」
それは巨大な板のような、三角形に近い形状をしていた。少しだけ丸みを帯びていて艶やかな赤色をしている。
手のひらほどとは言わないが、15センチはありそうな巨大な鱗のようなものだ。これだけでかい爬虫類などいるわけがないので恐らくは幻獣かなにかの鱗だろう。
真っ赤ではあるのだが、なんとなく血のような赤という感じはなく、どちらかというと薔薇の赤のような、物騒さのない優しい赤色をしている。
「私は今日、人と会う用事があるからね。お前には私の代わりにお使いしてもらうよ」
「で、これがなんの関係があるんですか?」
手の中で鱗を玩びながら訊く。
「今日行ってもらうのはお前の刀…… 赤竜刀を作ったヒトのところだよ。あそこには色々と便利な物があるからね…… お使いの金銭が余ったら好きに買ってきてもいいよ」
「はっ!?」
さらっと話を逸らされたのはいつものことだとして、俺が驚いたのは赤竜刀の下りではない。
「お釣りは使っていいなんて…… これは夢ですか? それとも頭でも打ちました? 変なもの拾い食いしてないですよね、いくらマゾでも自ら腹を下すのは良くないのではないかと……」
「くっ、ふふ…… 令一くんって結構私に対して失礼だよね」
呆れた声で言う奴に撤回の言葉はない。
つまり本当に好きに買っていいと言っているのか? この、ニャルラトホテプ様は。
「で、場所はどこです?」
「神奈川の中華街で適当に練り歩いてれば辿り着けるよ。その鱗はちゃんと持っていくように」
またオカルト染みた行き方しかないのか……
ま、つまりこれは道しるべだってことだよな。ならありがたく頂戴しておこう。
「あと、ここ最近の彩色町は物騒だから気をつけて行くよーに」
確かに、ここ一週間程度で二件も大量血痕だけを残した殺人事件なんてあるが…… それのことだろうか?
奴がこんな風に忠告してくるときは首を突っ込んで欲しいときである確率が高いが、素直に首を突っ込んでやる謂れもない。
そもそもそうでないと俺を心配するようなことを言うはずがない。本当に心配している可能性? ないない。
そんなオカルトが関わっていますって言っているような事件はこちらから願い下げだ。
いや、まてよ。まさか奴がその件に関わっていたりしないだろうな? …… 考えるのは止そう。嫌な予感がする。
考えたってどうにかなるわけじゃないし、考えていなくても巻き込まれるときは容赦なく巻き込まれるのだ。
要するに考えるだけ無駄。ある程度流れに身を任せていればどうにかなるだろう。
そして俺は簡単な朝食を作って食事し、昼食のために大量のおにぎりとサンドウィッチ、それにサラダを作って冷蔵庫へ。
わざわざお使いになど行かせるのだから、いくらリッチな奴でもこれを食べるだろう。レストランにでも行かれたらこの昼食が俺の夕食になるだけなので問題はないな。
買い出しは必要なさそうだが、せっかく中華街まで行くのだし、観光ついでに食材も買って帰るかな…… と、いくつか電車を乗り継いでいる間に考えて移動する。
買うものは奴も教えてくれたので抜かりはない。
とりあえず着いた駅から観光ガイド片手に練り歩くことにした。
鱗はカバンの中だが、道しるべだというのならばなんかしらの反応を示すだろう。
気にせず歩き、買い物をしながら午後に差し掛かるあたりでふと、周りに人気がなくなっていることに気がついた。
祝日でもない平日とはいえ、先ほどまでは賑やかだった場所が店から出た途端に閑散とした状態になっているのは明らかにおかしい。
思わず振り返って店に戻ろうとしてみるが、自動ドアだったはずのその場所は開くこともなく、店内も無人にしか見えない。
つい数分前は確かに人がいたのに、だ。
「なんだ…… ?」
戸惑って歩き出そうとしたときだ。バッグが突然ふわりと浮き、なにかが外に出ようともがくように布の壁面を押している。
心当たりといえば一つしかないので、素早くバッグの口を開けてやるとそこから赤いなにかが飛び出してきた。
「きゅおぅ!」
「はっ? え、ど…… ドラゴン?」
それは鱗と同じくらいの大きさをした15センチ程度の小さな小さなドラゴンだった。
西洋竜のように四肢があり、大きくて太い尻尾と背中に一対の骨ばった翼が生えている。タテガミまで薔薇色をしたそいつはまさにレッドドラゴンと言えるような形をしていた…… 体の大きさ以外は。
そいつがドラゴンというより、哺乳類動物のようなやたらと可愛げのある鳴き声をあげて俺の周りをくるくると飛んでいる。
淡く赤い光に包まれている姿はドラゴンの姿をした妖精のような…… そんなイメージが湧いてくる。
くるくるくるくる。
「きゅっ!」
くるくるくるくる。
「きゅ~っお!」
くるくるくるくる。
「…… きゅうっ!」
「いたっ!?」
さっきからくるくる回りながらこちらを振り向くドラゴンに一体なにがしたいんだと見守っていたら噛み付かれた。解せない。
どうやら怒っているようで、きゅうきゅう鳴く喉から猫のようなグルグルという唸りも僅かに聞こえてくる。
「きゅっ! きゅっ!」
とうとうバランスを崩しつつもそいつが翼で 「あっち!」 とでもいうように指し示し、やっと俺には意味が分かった。
そういえばこのドラゴン…… というより鱗は道しるべ的な役割を持つのだったか。察しが悪くてすまんな。
頷いてふよふよと浮かぶドラゴンの後をついていく。
ときおりちゃんとついて来ているかと確認するように振り返るのがやたらと可愛らしい仕草だ。女子なら 「可愛い!」 と騒ぎ立ててもおかしくないくらいか。
いくつか路地を抜け、人っ子一人いない道を突き進んでいくとやがてぼんやりとした提灯の浮かぶ道に出る。
不思議と薄暗くはないのだが、提灯の灯りがやけに綺麗に見えた。赤いドラゴンの描かれた提灯というのが珍しいからかもしれないが。
そう、赤いドラゴン。
そして、これから会う奴が作ったらしいのが、現在俺が持っている赤竜刀。この先になにが待っているのか確定しているようなものだろう。
歪んだ道を歩き、上なのか下なのか、右なのか左なのかといつの間にか方向感覚がおかしくなってきた頃、そこへ辿り着いた。
薄らぼんやりと浮かび上がる、煉瓦造りの骨董店のような雰囲気。その後ろにそびえ立つホール付のアパートらしきものがなければ、幻想的な異空間にでも紛れ込んでしまったかのような場所だった。
骨董店らしき店の看板には〝 萬 〟とだけ書かれており、ガラスの押し扉には呼び鈴の代わりに風鈴がついている。
よく見ると店の軒下にはどこかの国の国旗らしきものもぶら下がっている。真ん中に、赤い竜。どこの国だったか……
奥にある道案内の看板を見ると、アパートの方へ向いた矢印に〝 幻想アパート 〟の文字がある。
明らかに人外専門のアパートだ。
そういえばさとり妖怪の鈴里さんや、赤いちゃんちゃんこの紅子さんはどこに住んでいるのだろう? 訊いたことなかったな。普通に家があるのだろうか。
そんな疑問を浮かべていると、チリーン…… と控えめな音を立てて扉から160センチあるかないかのヒトが出てくる。
「きゅっきゅう!」
「あ、ニャル君のところに貸した鱗だ! おかえりー! ってことはお客さんかな?」
俺の方を見てミニドラゴンを抱きしめているそのヒトは人好きのする笑みで 「いらっしゃいませ!」 と声をあげた。
――ただそれだけを伝えたくて。
◇
「っう……」
ベッドから起き上がり、頭を抱える。なんか変な夢を見た気がする。
ほとんど覚えていないが、あれは中学時代の夢…… ? 弟の令二が出てきたような気がするが……もうあいつは俺のこと、覚えてないからなあ。
「れーいちくん」
「っうわぁ!?」
突然耳元で聞こえた気色悪い声に驚きベッドから転げ落ちた。
「もう、そんなに嫌がられると興奮しちゃうなぁ」
「やめろ気持ち悪い!」
尚も覗き込んでくる奴に反射的な拳が出るが、するりと避けられてバランスを崩す。慌てすぎて前のめりになっていたらしい。
「ああ、もうっ…… ムカつく」
時計を確認するとまだ朝の6時。
こいつは基本屋敷にいる上に仕事があっても重役出勤なのでまだ時間はたっぷりある。
それに今日は仕事の話もなかったはずだし、なぜこんなにも早く起こされないといけないのか。
怒りを押し殺して自室として充てがわれた部屋を出る。
「まあまあそう言わずにさ」
俺の後からついてきた奴は胡散臭い笑顔でにやにやとしている。
起きてしまったのは仕方ないので素早く顔を洗い、リビングとしている部屋でテレビをつけて天気を確認。
一日晴れているならシーツの洗濯も同時にやるか…… なんて考えていると唐突に嫌な予感が俺を襲った。
「った!?」
予感に従って顔を手で覆ったところに飛来する赤い物体。
きちんと掴み取ったものの握った拍子にゴリっと嫌な音を立てて手の平が擦れた。
ったく、一体なんなんだ? これは。
「…… ? 鱗、か?」
それは巨大な板のような、三角形に近い形状をしていた。少しだけ丸みを帯びていて艶やかな赤色をしている。
手のひらほどとは言わないが、15センチはありそうな巨大な鱗のようなものだ。これだけでかい爬虫類などいるわけがないので恐らくは幻獣かなにかの鱗だろう。
真っ赤ではあるのだが、なんとなく血のような赤という感じはなく、どちらかというと薔薇の赤のような、物騒さのない優しい赤色をしている。
「私は今日、人と会う用事があるからね。お前には私の代わりにお使いしてもらうよ」
「で、これがなんの関係があるんですか?」
手の中で鱗を玩びながら訊く。
「今日行ってもらうのはお前の刀…… 赤竜刀を作ったヒトのところだよ。あそこには色々と便利な物があるからね…… お使いの金銭が余ったら好きに買ってきてもいいよ」
「はっ!?」
さらっと話を逸らされたのはいつものことだとして、俺が驚いたのは赤竜刀の下りではない。
「お釣りは使っていいなんて…… これは夢ですか? それとも頭でも打ちました? 変なもの拾い食いしてないですよね、いくらマゾでも自ら腹を下すのは良くないのではないかと……」
「くっ、ふふ…… 令一くんって結構私に対して失礼だよね」
呆れた声で言う奴に撤回の言葉はない。
つまり本当に好きに買っていいと言っているのか? この、ニャルラトホテプ様は。
「で、場所はどこです?」
「神奈川の中華街で適当に練り歩いてれば辿り着けるよ。その鱗はちゃんと持っていくように」
またオカルト染みた行き方しかないのか……
ま、つまりこれは道しるべだってことだよな。ならありがたく頂戴しておこう。
「あと、ここ最近の彩色町は物騒だから気をつけて行くよーに」
確かに、ここ一週間程度で二件も大量血痕だけを残した殺人事件なんてあるが…… それのことだろうか?
奴がこんな風に忠告してくるときは首を突っ込んで欲しいときである確率が高いが、素直に首を突っ込んでやる謂れもない。
そもそもそうでないと俺を心配するようなことを言うはずがない。本当に心配している可能性? ないない。
そんなオカルトが関わっていますって言っているような事件はこちらから願い下げだ。
いや、まてよ。まさか奴がその件に関わっていたりしないだろうな? …… 考えるのは止そう。嫌な予感がする。
考えたってどうにかなるわけじゃないし、考えていなくても巻き込まれるときは容赦なく巻き込まれるのだ。
要するに考えるだけ無駄。ある程度流れに身を任せていればどうにかなるだろう。
そして俺は簡単な朝食を作って食事し、昼食のために大量のおにぎりとサンドウィッチ、それにサラダを作って冷蔵庫へ。
わざわざお使いになど行かせるのだから、いくらリッチな奴でもこれを食べるだろう。レストランにでも行かれたらこの昼食が俺の夕食になるだけなので問題はないな。
買い出しは必要なさそうだが、せっかく中華街まで行くのだし、観光ついでに食材も買って帰るかな…… と、いくつか電車を乗り継いでいる間に考えて移動する。
買うものは奴も教えてくれたので抜かりはない。
とりあえず着いた駅から観光ガイド片手に練り歩くことにした。
鱗はカバンの中だが、道しるべだというのならばなんかしらの反応を示すだろう。
気にせず歩き、買い物をしながら午後に差し掛かるあたりでふと、周りに人気がなくなっていることに気がついた。
祝日でもない平日とはいえ、先ほどまでは賑やかだった場所が店から出た途端に閑散とした状態になっているのは明らかにおかしい。
思わず振り返って店に戻ろうとしてみるが、自動ドアだったはずのその場所は開くこともなく、店内も無人にしか見えない。
つい数分前は確かに人がいたのに、だ。
「なんだ…… ?」
戸惑って歩き出そうとしたときだ。バッグが突然ふわりと浮き、なにかが外に出ようともがくように布の壁面を押している。
心当たりといえば一つしかないので、素早くバッグの口を開けてやるとそこから赤いなにかが飛び出してきた。
「きゅおぅ!」
「はっ? え、ど…… ドラゴン?」
それは鱗と同じくらいの大きさをした15センチ程度の小さな小さなドラゴンだった。
西洋竜のように四肢があり、大きくて太い尻尾と背中に一対の骨ばった翼が生えている。タテガミまで薔薇色をしたそいつはまさにレッドドラゴンと言えるような形をしていた…… 体の大きさ以外は。
そいつがドラゴンというより、哺乳類動物のようなやたらと可愛げのある鳴き声をあげて俺の周りをくるくると飛んでいる。
淡く赤い光に包まれている姿はドラゴンの姿をした妖精のような…… そんなイメージが湧いてくる。
くるくるくるくる。
「きゅっ!」
くるくるくるくる。
「きゅ~っお!」
くるくるくるくる。
「…… きゅうっ!」
「いたっ!?」
さっきからくるくる回りながらこちらを振り向くドラゴンに一体なにがしたいんだと見守っていたら噛み付かれた。解せない。
どうやら怒っているようで、きゅうきゅう鳴く喉から猫のようなグルグルという唸りも僅かに聞こえてくる。
「きゅっ! きゅっ!」
とうとうバランスを崩しつつもそいつが翼で 「あっち!」 とでもいうように指し示し、やっと俺には意味が分かった。
そういえばこのドラゴン…… というより鱗は道しるべ的な役割を持つのだったか。察しが悪くてすまんな。
頷いてふよふよと浮かぶドラゴンの後をついていく。
ときおりちゃんとついて来ているかと確認するように振り返るのがやたらと可愛らしい仕草だ。女子なら 「可愛い!」 と騒ぎ立ててもおかしくないくらいか。
いくつか路地を抜け、人っ子一人いない道を突き進んでいくとやがてぼんやりとした提灯の浮かぶ道に出る。
不思議と薄暗くはないのだが、提灯の灯りがやけに綺麗に見えた。赤いドラゴンの描かれた提灯というのが珍しいからかもしれないが。
そう、赤いドラゴン。
そして、これから会う奴が作ったらしいのが、現在俺が持っている赤竜刀。この先になにが待っているのか確定しているようなものだろう。
歪んだ道を歩き、上なのか下なのか、右なのか左なのかといつの間にか方向感覚がおかしくなってきた頃、そこへ辿り着いた。
薄らぼんやりと浮かび上がる、煉瓦造りの骨董店のような雰囲気。その後ろにそびえ立つホール付のアパートらしきものがなければ、幻想的な異空間にでも紛れ込んでしまったかのような場所だった。
骨董店らしき店の看板には〝 萬 〟とだけ書かれており、ガラスの押し扉には呼び鈴の代わりに風鈴がついている。
よく見ると店の軒下にはどこかの国の国旗らしきものもぶら下がっている。真ん中に、赤い竜。どこの国だったか……
奥にある道案内の看板を見ると、アパートの方へ向いた矢印に〝 幻想アパート 〟の文字がある。
明らかに人外専門のアパートだ。
そういえばさとり妖怪の鈴里さんや、赤いちゃんちゃんこの紅子さんはどこに住んでいるのだろう? 訊いたことなかったな。普通に家があるのだろうか。
そんな疑問を浮かべていると、チリーン…… と控えめな音を立てて扉から160センチあるかないかのヒトが出てくる。
「きゅっきゅう!」
「あ、ニャル君のところに貸した鱗だ! おかえりー! ってことはお客さんかな?」
俺の方を見てミニドラゴンを抱きしめているそのヒトは人好きのする笑みで 「いらっしゃいませ!」 と声をあげた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
翡翠のうた姫〜【中華×サスペンス】身分違いの恋と陰謀に揺れる宮廷物語〜
雪城 冴 (ゆきしろ さえ)
キャラ文芸
【中華×サスペンス】
「いつか僕のために歌って――」
雪の中、孤独な少女に手を差し伸べた少年。
その記憶を失った翠蓮(スイレン)は、歌だけを頼りに宮廷歌姫のオーディションへ挑む。
だがその才能は、早くも権力と嫉妬の目に留まる。中傷や妨害は次々とエスカレート。
やがて舞台は、後宮の派閥争いや戦場、国境まで越えていく。
そんな中、翠蓮を何度も救うのは第二皇子・蒼瑛(ソウエイ)。普段は冷静で穏やかな彼が、翠蓮のこととなると、度々感情を露わにする。
蒼瑛に対する気持ちは、尊敬? 憧れ? それとも――忘れてしまった " あの約束 " なのか。
すれ違いながら惹かれ合う二人。甘く切ない、中華ファンタジー
宿敵の家の当主を妻に貰いました~妻は可憐で儚くて優しくて賢くて可愛くて最高です~
紗沙
恋愛
剣の名家にして、国の南側を支配する大貴族フォルス家。
そこの三男として生まれたノヴァは一族のみが扱える秘技が全く使えない、出来損ないというレッテルを貼られ、辛い子供時代を過ごした。
大人になったノヴァは小さな領地を与えられるものの、仕事も家族からの期待も、周りからの期待も0に等しい。
しかし、そんなノヴァに舞い込んだ一件の縁談話。相手は国の北側を支配する大貴族。
フォルス家とは長年の確執があり、今は栄華を極めているアークゲート家だった。
しかも縁談の相手は、まさかのアークゲート家当主・シアで・・・。
「あのときからずっと……お慕いしています」
かくして、何も持たないフォルス家の三男坊は性格良し、容姿良し、というか全てが良しの妻を迎え入れることになる。
ノヴァの運命を変える、全てを与えてこようとする妻を。
「人はアークゲート家の当主を恐ろしいとか、血も涙もないとか、冷酷とか散々に言うけど、
シアは可愛いし、優しいし、賢いし、完璧だよ」
あまり深く考えないノヴァと、彼にしか自分の素を見せないシア、二人の結婚生活が始まる。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
男装官吏と花散る後宮〜禹国謎解き物語〜
春日あざみ
キャラ文芸
<第8回キャラ文芸大賞にて奨励賞をいただきました。応援ありがとうございました!>
宮廷で史書編纂事業が立ち上がると聞き、居ても立ってもいられなくなった歴史オタクの柳羅刹(りゅうらせつ)。男と偽り官吏登用試験、科挙を受験し、見事第一等の成績で官吏となった彼女だったが。珍妙な仮面の貴人、雲嵐に女であることがバレてしまう。皇帝の食客であるという彼は、羅刹の秘密を守る代わり、後宮の悪霊によるとされる妃嬪の連続不審死事件の調査を命じる。
しかたなく羅刹は、悪霊について調べ始めるが——?
「歴女×仮面の貴人(奇人?)」が紡ぐ、中華風世界を舞台にしたミステリ開幕!
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる