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漆の怪【ひとはしらのかみさま】
忍び寄る蜘蛛の意図
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屋根から降りて来た蜘蛛も含めて10、20、いやもっといるな。
すごい数の蜘蛛のようなバケモノが散開していく。
だからといって俺を襲ってこないわけでもなく、赤竜刀を構えたまま目で追おうにも霧が深いせいで大半の蜘蛛は姿を消した。
――キチチチチチチ。
笑うように反響する音。
そこかしこから響いてくる音に首を巡らせながら集中する。
どこだ。どこから来る?
いや、俺から動かなければ紅子さんを狙いに行く可能性だってあるんだ。
しかし、彼女がどこに行ったのかすら分からない状態では闇雲に動いても仕方ない。
……仕方ない?
また、俺は逃げているんじゃないか。
唇を噛んで、踏み込む。
「そこだぁ!」
バケモノの頭の部分、その頭蓋骨を上から突き刺して深く握りこむ。
――ギイッ。
頭骨が割れ、中からなにかが転がり出てくる。
それを避け、バックステップ。今度はキリキリと軋んで音を立てながらこちらに向かってくる細い糸を断ち切って、振り向きざまに一閃。
狙いを定めていなかったので脚を落とすだけに留まったが、視界の端で動いた蜘蛛に向かうため、殺した蜘蛛の頭骨を足蹴にして跳躍した。
空中から赤竜刀を振り下ろして斬り払い、耳を澄ませる。
「リン、感知」
「きゅう」
目が焼け付くように熱い。
視界から色素が引いていき、霧の中に動く〝温度のあるもの〟を識別する。
竜の瞳。爬虫類特有のそれ。本当は目ではなく、鼻にある器官で感じるらしいそれが、俺の瞳に付与されている。
不思議とできると思った。リンにいつも力を貸してもらっているが、今回は自然と言葉が出ていたのだ。
しかし、考えるのは後だ。
「……」
焦るな。ひとつひとつ解決していけ。
判断を迷うな。駆けろ。
「こっち!」
伸ばされた、さっきよりも太い糸に赤竜刀が弾かれる。
視認できるほどの粘着質の蜘蛛の糸は鋼鉄よりも硬く、しかして柔らかく刀に纏わり付いて離れない。
「ッチ」
舌を打って腕を振り上げる。
糸がくっついていて重たい。しかし、これを今の実力で斬れないというのなら、逆に利用するまでだ。
糸が巻きついているのなら、それを手繰ってしまえば良い。
刀を振り上げた状態で、その場で釣り竿のリールを巻くように糸を手繰る。
――キチチチチ。
重い。纏わりつく糸が斬れない。
いかんせん相手がバスケットボール大しかない大きさの蜘蛛でしかないので、俺の意識に余裕が生じているからだ。
俺が〝無謀〟だと思って挑む相手にしか、赤竜刀は力を貸してくれない。
これが今の俺の実力で、そして弱さだった。
――キチチチチ。
笑うような声が背後で響く。
感知して動こうにも、刀は巻き上げられたまま振り下ろせない。
「残念だったな!」
刀を離して、腰を低く保ち足払いをかけるように蹴りを入れる。
それから叫んだ。
「リン、こっちに来い!」
「きゅいっ」
刀剣の姿からコンパクトなドラゴンの姿に変化して緩んだ糸を振り払い、リンが再び俺の手の中に戻る。
「次!」
頭蓋骨を突き刺して、先程糸を放っていた蜘蛛の元へ走る。
糸を放ってきても、今度は糸に触れないよう受け流して一直線に向かい、通り過ぎざまに片手で薙ぎ払う。
相手の位置が低いために地面へついたもう片方の手で体を跳ね上げ、次へ向かった。
「感知」
目を細めればまだまだ湧いて出てくるバケモノ蜘蛛達。
その数は資料館裏の林に近づくにつれ多くなっていくようだった。
「どこだっ紅子さん! 紅子さん!」
この際、透さんやアリシアは大丈夫だろう。
透さんはこういう事件は初めてではないようだったし、身を守る程度の術はあるはずだ。それにアリシアには猫とはいえ邪神がそばについている。蜘蛛如きが猫に勝てるとは到底思えない。
猫は蜘蛛を弄び、殺す天敵でもあるからだ。
問題は狙われている本人である紅子さんただ一人。
蜘蛛に蝶々。最悪な組み合わせでしかない。
彼女はきっと守られたくなんてないんだろう。昨日までは俺の決意を享受してくれていたが、本来の彼女は負けず嫌いで、弱い自分をなによりも嫌っているから。
それでも俺は、せめて隣に立ちたいと願う。
背中合わせに守りあえるほどに、近づきたいと願った。
「邪魔をしないでくれ!」
飛びかかってきた蜘蛛を一太刀に両断して踏み越える。
林に一歩踏み入れれば、一気に頭上に気をつけなければならなくなった。
「蜘蛛の巣が……」
深い、深い霧で温度もほとんど存在せず、目を凝らすことでしか判断できない極細の糸がそこかしこに張り巡らされている。
散らすことは簡単だが、これでは相手に居場所がバレバレなのとそんなに変わらない。
「あっ」
赤竜刀を振り下ろすが、蜘蛛が避けたために樹木へ突き刺さる。
単純すぎるミスとリンへの申し訳なさで一瞬思考が烟る。が、また手を離してから背後に回った蜘蛛を回し蹴りで迎え撃つ。
「リン、鞘」
「きゅ」
ドラゴンの姿に変化してまた刀剣に戻るリンに要求し、左手に真っ赤な拵えの鞘が現れる。
そして、頭上から落ちてきた蜘蛛の腕を左手の鞘で弾きあげてから、右手の赤竜刀で斬り下ろす。
集中したまま奥へ、奥へ。蜘蛛を処理しながらだから非常に進みが遅い。
これで万が一があったら本当にどうしてくれるんだ……!
詩子ちゃんの祠に近くなった頃、幼い泣き声が聞こえてきた。
「まさか、子供がこんなところに……?」
聞き覚えのない声だ。
しかし、俺達は華野ちゃんや詩子ちゃん以外とはろくに交流していないから、たとえ村の子供だったとしても俺には分からない。
「大丈夫かな?」
そして、その側から紅子さんの声が聞こえた。
ああ、やっぱり彼女は優しい。
どうして優しさは罪だなんて言うのかと思うほど、それほどまでに彼女は人想いなんだ。
だが、今は霧の深い林の中。
いつ蜘蛛が降ってくるかも分からない場所だ。
それに、その子供が本当に人間の子供である保証がどこにある?
「紅子さん!」
躊躇いは、ほんの少しだけ。
けれど、踏み出した直後に俺は飛び退るはめになった。
「なんだよ、いきなり」
頭上から蜘蛛が大挙して押し寄せてきたからだ。
鞘を使っても押し返せない程の量に、さすがに避けるしか道はなかった。
が……
「前に飛び込めば良かったとか、今更な後悔だよな」
目の前にいる蜘蛛共のせいで紅子さんのところへ近づいていけない。
おまけに、どんどん彼女へと続く道が蜘蛛糸で埋められていく。
焦りからか、額に汗が滴り落ちていく。
この状況はまずい。本気でまずい。どうして紅子さんは気づいていないんだ。
彼女はこちらに見向きもしない。
……これは俺を無視しているというよりも、本気で気づいていない。いや、見えていない……のか?
「紅子さん! 紅子さん!」
聞こえていない。
気づけ、気づいてくれ!
――キチチチチ。
「くそっ」
斬り払い、蹴り上げ、鞘で受けて弾き飛ばす。
その繰り返しでキリがない。
「くそっ、くそくそくそっ!」
――キチチチチ。
こいつら、本当に笑っていやがる。
俺が踏み込めないのをいいことに、どんどん彼女から引き離されていくようだった。
「……」
「……」
紅子さんが子供と話しながら笑顔を向けている。
「なんとか……しないとっ」
首を逸らす。
背後でベチャリとなにか粘着質なものが樹木にくっつくのが見えた。
「毒液まであるのかよこいつらっ」
どうやら毒を持っているのは一部の蜘蛛だけのようだが、それでも厄介なことに変わりなかった。
囲まれてジリ貧になったまま、紅子さんのことが気になって集中もできずに仕留めきれない。
完全に戦況が停滞していた。
「……」
「……」
視界の端で紅子さんが中腰になり、子供に顔を向けているのが見える。
いや、おかしい。その状態のまま彼女は動かない。
その顔色は明らかに、焦りの表情だ。
動きたくても動けない。そんな恐怖を感じている彼女の姿。
まずい!
「こんのっ」
斬れないかもしれない? そんなのどうでもいい!
鋼鉄よりも硬い蜘蛛の糸を斬らなければ彼女が危険だ。
斬れないんじゃなくて、斬るしかないんだよ! 無謀だとしても!
そう思ったら、体が勝手に動き出していた。
「っく、オラァッ!」
紅子さんのいる位置を中心に、繭のように張り巡らされていた糸を両断する。
地面まで斬り裂いたその一撃の勢いのままに、地を蹴り彼女の元まで突っ込んでいく。
よく見れば、動けない彼女の目の前にいる子供からは糸が伸びている。
蜘蛛の巣状になったその糸が向かう先は、彼女の魂。
――そう、そこには彼女の魂である紅い蝶を捕らえた、蜘蛛の巣が張り巡らされていたのだ。
すごい数の蜘蛛のようなバケモノが散開していく。
だからといって俺を襲ってこないわけでもなく、赤竜刀を構えたまま目で追おうにも霧が深いせいで大半の蜘蛛は姿を消した。
――キチチチチチチ。
笑うように反響する音。
そこかしこから響いてくる音に首を巡らせながら集中する。
どこだ。どこから来る?
いや、俺から動かなければ紅子さんを狙いに行く可能性だってあるんだ。
しかし、彼女がどこに行ったのかすら分からない状態では闇雲に動いても仕方ない。
……仕方ない?
また、俺は逃げているんじゃないか。
唇を噛んで、踏み込む。
「そこだぁ!」
バケモノの頭の部分、その頭蓋骨を上から突き刺して深く握りこむ。
――ギイッ。
頭骨が割れ、中からなにかが転がり出てくる。
それを避け、バックステップ。今度はキリキリと軋んで音を立てながらこちらに向かってくる細い糸を断ち切って、振り向きざまに一閃。
狙いを定めていなかったので脚を落とすだけに留まったが、視界の端で動いた蜘蛛に向かうため、殺した蜘蛛の頭骨を足蹴にして跳躍した。
空中から赤竜刀を振り下ろして斬り払い、耳を澄ませる。
「リン、感知」
「きゅう」
目が焼け付くように熱い。
視界から色素が引いていき、霧の中に動く〝温度のあるもの〟を識別する。
竜の瞳。爬虫類特有のそれ。本当は目ではなく、鼻にある器官で感じるらしいそれが、俺の瞳に付与されている。
不思議とできると思った。リンにいつも力を貸してもらっているが、今回は自然と言葉が出ていたのだ。
しかし、考えるのは後だ。
「……」
焦るな。ひとつひとつ解決していけ。
判断を迷うな。駆けろ。
「こっち!」
伸ばされた、さっきよりも太い糸に赤竜刀が弾かれる。
視認できるほどの粘着質の蜘蛛の糸は鋼鉄よりも硬く、しかして柔らかく刀に纏わり付いて離れない。
「ッチ」
舌を打って腕を振り上げる。
糸がくっついていて重たい。しかし、これを今の実力で斬れないというのなら、逆に利用するまでだ。
糸が巻きついているのなら、それを手繰ってしまえば良い。
刀を振り上げた状態で、その場で釣り竿のリールを巻くように糸を手繰る。
――キチチチチ。
重い。纏わりつく糸が斬れない。
いかんせん相手がバスケットボール大しかない大きさの蜘蛛でしかないので、俺の意識に余裕が生じているからだ。
俺が〝無謀〟だと思って挑む相手にしか、赤竜刀は力を貸してくれない。
これが今の俺の実力で、そして弱さだった。
――キチチチチ。
笑うような声が背後で響く。
感知して動こうにも、刀は巻き上げられたまま振り下ろせない。
「残念だったな!」
刀を離して、腰を低く保ち足払いをかけるように蹴りを入れる。
それから叫んだ。
「リン、こっちに来い!」
「きゅいっ」
刀剣の姿からコンパクトなドラゴンの姿に変化して緩んだ糸を振り払い、リンが再び俺の手の中に戻る。
「次!」
頭蓋骨を突き刺して、先程糸を放っていた蜘蛛の元へ走る。
糸を放ってきても、今度は糸に触れないよう受け流して一直線に向かい、通り過ぎざまに片手で薙ぎ払う。
相手の位置が低いために地面へついたもう片方の手で体を跳ね上げ、次へ向かった。
「感知」
目を細めればまだまだ湧いて出てくるバケモノ蜘蛛達。
その数は資料館裏の林に近づくにつれ多くなっていくようだった。
「どこだっ紅子さん! 紅子さん!」
この際、透さんやアリシアは大丈夫だろう。
透さんはこういう事件は初めてではないようだったし、身を守る程度の術はあるはずだ。それにアリシアには猫とはいえ邪神がそばについている。蜘蛛如きが猫に勝てるとは到底思えない。
猫は蜘蛛を弄び、殺す天敵でもあるからだ。
問題は狙われている本人である紅子さんただ一人。
蜘蛛に蝶々。最悪な組み合わせでしかない。
彼女はきっと守られたくなんてないんだろう。昨日までは俺の決意を享受してくれていたが、本来の彼女は負けず嫌いで、弱い自分をなによりも嫌っているから。
それでも俺は、せめて隣に立ちたいと願う。
背中合わせに守りあえるほどに、近づきたいと願った。
「邪魔をしないでくれ!」
飛びかかってきた蜘蛛を一太刀に両断して踏み越える。
林に一歩踏み入れれば、一気に頭上に気をつけなければならなくなった。
「蜘蛛の巣が……」
深い、深い霧で温度もほとんど存在せず、目を凝らすことでしか判断できない極細の糸がそこかしこに張り巡らされている。
散らすことは簡単だが、これでは相手に居場所がバレバレなのとそんなに変わらない。
「あっ」
赤竜刀を振り下ろすが、蜘蛛が避けたために樹木へ突き刺さる。
単純すぎるミスとリンへの申し訳なさで一瞬思考が烟る。が、また手を離してから背後に回った蜘蛛を回し蹴りで迎え撃つ。
「リン、鞘」
「きゅ」
ドラゴンの姿に変化してまた刀剣に戻るリンに要求し、左手に真っ赤な拵えの鞘が現れる。
そして、頭上から落ちてきた蜘蛛の腕を左手の鞘で弾きあげてから、右手の赤竜刀で斬り下ろす。
集中したまま奥へ、奥へ。蜘蛛を処理しながらだから非常に進みが遅い。
これで万が一があったら本当にどうしてくれるんだ……!
詩子ちゃんの祠に近くなった頃、幼い泣き声が聞こえてきた。
「まさか、子供がこんなところに……?」
聞き覚えのない声だ。
しかし、俺達は華野ちゃんや詩子ちゃん以外とはろくに交流していないから、たとえ村の子供だったとしても俺には分からない。
「大丈夫かな?」
そして、その側から紅子さんの声が聞こえた。
ああ、やっぱり彼女は優しい。
どうして優しさは罪だなんて言うのかと思うほど、それほどまでに彼女は人想いなんだ。
だが、今は霧の深い林の中。
いつ蜘蛛が降ってくるかも分からない場所だ。
それに、その子供が本当に人間の子供である保証がどこにある?
「紅子さん!」
躊躇いは、ほんの少しだけ。
けれど、踏み出した直後に俺は飛び退るはめになった。
「なんだよ、いきなり」
頭上から蜘蛛が大挙して押し寄せてきたからだ。
鞘を使っても押し返せない程の量に、さすがに避けるしか道はなかった。
が……
「前に飛び込めば良かったとか、今更な後悔だよな」
目の前にいる蜘蛛共のせいで紅子さんのところへ近づいていけない。
おまけに、どんどん彼女へと続く道が蜘蛛糸で埋められていく。
焦りからか、額に汗が滴り落ちていく。
この状況はまずい。本気でまずい。どうして紅子さんは気づいていないんだ。
彼女はこちらに見向きもしない。
……これは俺を無視しているというよりも、本気で気づいていない。いや、見えていない……のか?
「紅子さん! 紅子さん!」
聞こえていない。
気づけ、気づいてくれ!
――キチチチチ。
「くそっ」
斬り払い、蹴り上げ、鞘で受けて弾き飛ばす。
その繰り返しでキリがない。
「くそっ、くそくそくそっ!」
――キチチチチ。
こいつら、本当に笑っていやがる。
俺が踏み込めないのをいいことに、どんどん彼女から引き離されていくようだった。
「……」
「……」
紅子さんが子供と話しながら笑顔を向けている。
「なんとか……しないとっ」
首を逸らす。
背後でベチャリとなにか粘着質なものが樹木にくっつくのが見えた。
「毒液まであるのかよこいつらっ」
どうやら毒を持っているのは一部の蜘蛛だけのようだが、それでも厄介なことに変わりなかった。
囲まれてジリ貧になったまま、紅子さんのことが気になって集中もできずに仕留めきれない。
完全に戦況が停滞していた。
「……」
「……」
視界の端で紅子さんが中腰になり、子供に顔を向けているのが見える。
いや、おかしい。その状態のまま彼女は動かない。
その顔色は明らかに、焦りの表情だ。
動きたくても動けない。そんな恐怖を感じている彼女の姿。
まずい!
「こんのっ」
斬れないかもしれない? そんなのどうでもいい!
鋼鉄よりも硬い蜘蛛の糸を斬らなければ彼女が危険だ。
斬れないんじゃなくて、斬るしかないんだよ! 無謀だとしても!
そう思ったら、体が勝手に動き出していた。
「っく、オラァッ!」
紅子さんのいる位置を中心に、繭のように張り巡らされていた糸を両断する。
地面まで斬り裂いたその一撃の勢いのままに、地を蹴り彼女の元まで突っ込んでいく。
よく見れば、動けない彼女の目の前にいる子供からは糸が伸びている。
蜘蛛の巣状になったその糸が向かう先は、彼女の魂。
――そう、そこには彼女の魂である紅い蝶を捕らえた、蜘蛛の巣が張り巡らされていたのだ。
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