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それぞれの出逢い
舞い込んできた依頼 後編
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カチャッ———銃弾を訓練用の非殺傷弾に入れ替えた。
「──じゃあ、そろそろ実力を見せてもらおうか?」
アデルの声音が、一転して真剣味を帯びた。
だが、口元には相変わらず本心を隠すかのような笑みが残っている。
彼が手を叩くと騎士たちが一斉に注目した。
「お前ら、三人で相手してやれ!ギルドマスターが推薦した “特別な子猫”がどれほどのもんか…確かめるとしようじゃねぇか」
「三人同時に…?」
騎士団長が息を呑む。
…うん、私もビックリしてるよ?
ざわめく騎士たちに、アデルはさらに声を張った。
「"いたいけな少女"だと思って手加減するなよ!これは模擬戦だ。武器も魔法も自由だ!本気で行け!」
その瞬間、場の空気が一変する。
肌がピリつくような緊張感が走る──。
え、ちょっと待って。
実戦経験豊富そうな騎士が三人同時って、どう考えても腕試し通り越してイジメでしょ!
戸惑う兵士たちが"いたいけな少女"である私へと同情的な視線を向けた。
「いきなり騎士三人とか。容赦なさ過ぎでしょ…」
カチャッと腰の後ろから短剣を1本引き抜くと、彼らの戸惑いをさらに煽る。
「まだ子供じゃないか…」
「ギルドマスターが推薦したって事は冒険者か?」
ざわめく騎士達の声に心配が滲む。
パンッ!
アデルが手を叩いた。
「さあ、始めろ!面白いモン見せてくれよ子猫ちゃん!」
腹の底から愉快だという笑顔の彼に正直ムカついた。
私の実力に期待してるのかしてないのか、分からない態度に何かすごい腹立つけど、仕方ない…これも仕事か。
騎士Aが地面を蹴り砂埃が舞うとその動きに合わせ、他の二人も駆け出す。
腹部を狙う剣が迫る刹那、体格のいい騎士の剣をまともに受けたら私の細ーい手首が折れるので短剣を滑らせて軌道を逸らす。
火花が散り、青白い雷光がほとばしると騎士Aの身体が感電による衝撃で硬直すると後ろに倒れた。
実は短剣にこっそり雷属性を付与していた。
「マジごめん。甲冑が邪魔だったからさ?金属って電気通すじゃん?」
騎士BとCが慌てて距離を取る。
「属性付与!?この小娘、付与師か!」
観戦している兵士たちの視線が突き刺さる。
目の前の騎士たちは光をまとい、慌てて魔法防御を展開した。
——いや、全然。ただの冒険者です。基礎さえ押さえれば難しくないんだけどな…
まぁ、騎士からしたら日々の鍛錬で精一杯なのかなぁ。
…ま!私には関係ないけどね!
短剣を軽く回して構え直す。
再び襲い掛かってくる二人に向け、私は小さく息を吐いた。
背後でアデルさんの楽しそうな笑い声が聞こえる。
魔法攻撃は効きにくくなった、なら物理で押す!
腰のホルスターから銃を抜き放ち、二人の間を素早く駆け抜けながら引き金を引きゴツい兜めがけて弾丸を数発撃ち込んだ。
——ガンガンガンッ!
「くっ、小賢しい!」
銃痕が残る兜を脱ぎ捨てる騎士Bの手に容赦なく銃弾を撃ち込んだ!
──チャンスは逃さない。
周りの冷ややかな視線なんて気にしないよ!だって私、騎士じゃないし!
「……!?いくらなんでも流石に…」
横目で騎士Cがドン引きしているのを確認。
……隙あり。
パンッ!
すかさず腕を撃ち抜くと剣を落とした。
「これで満足ですか?」
振り返りながら声を掛けた。
しんと静まり返った静寂を切り裂いたのは、アデルの朗々たる笑い声だった。
「あっははは!実戦形式とは言ったが容赦ねぇな!子猫ちゃん!」
いや、アデルさん…貴方の笑い声で更に周りの騎士が引いてるんだけど…
「ははっ!いいな!見た目は子猫、牙は猛獣だ!」
彼は前髪をかきあげると楽しげに歩み寄り、ひょいと私の肩へ手を置く。
「合格だ…よくやったな」
軽い口調に油断しかけたとき、彼の真紅の瞳が射抜くように私を見据えた。
「ついでに、ひとつ秘密を教えてやる。俺の名はアデル・グラムレスト。この国の第一王子だ」
あっけなく告げられ、間抜けな声が漏れる。
「……は?アデルさんが…王子??」
次の瞬間、訓練所にいた騎士たちが一斉に背筋を伸ばし、敬礼を捧げる。
「殿下……!」
ざわめきの中、騎士団長だけが額に手を当てて深い溜め息をついた。
「他所の兵士が驚くので、事前に一言いただければよろしかったものを…」
「あんま気にすんなよ。ここは城内で俺は王子、俺を知らない奴のが珍しいだろ?」
アデルは片手をひらひらさせ、気楽に笑う。
「ちょっと面白い子を見つけたから、つい試したくなっただけさ」
「試した…?いや、それより。最初に王族だって言ってくれれば良かったじゃないですか。」
私が呆れ半分に問い返すと、彼は白い歯を見せにやりと笑った。
「言ったろ?お前の実力をこの目で見て確かめたいって。それに、初めから王族なんてバラしたら…大抵ビビるだろ?そんな事より…」
一歩、距離を詰める。
「近いうちに大規模な討伐作戦を仕掛ける。魔族まで絡んでる厄介な話だ」
その声音だけは、冗談を一切交えない鋭さがあった。
「……子猫ちゃん、俺と一緒に暴れてみないか?」
胸の奥が高鳴るのを、自分でも止められなかった。
こうして私は、アデルに導かれるように次なる物語へ──
シルメリアとの出会いへと足を踏み入れることになったのだった。
「──じゃあ、そろそろ実力を見せてもらおうか?」
アデルの声音が、一転して真剣味を帯びた。
だが、口元には相変わらず本心を隠すかのような笑みが残っている。
彼が手を叩くと騎士たちが一斉に注目した。
「お前ら、三人で相手してやれ!ギルドマスターが推薦した “特別な子猫”がどれほどのもんか…確かめるとしようじゃねぇか」
「三人同時に…?」
騎士団長が息を呑む。
…うん、私もビックリしてるよ?
ざわめく騎士たちに、アデルはさらに声を張った。
「"いたいけな少女"だと思って手加減するなよ!これは模擬戦だ。武器も魔法も自由だ!本気で行け!」
その瞬間、場の空気が一変する。
肌がピリつくような緊張感が走る──。
え、ちょっと待って。
実戦経験豊富そうな騎士が三人同時って、どう考えても腕試し通り越してイジメでしょ!
戸惑う兵士たちが"いたいけな少女"である私へと同情的な視線を向けた。
「いきなり騎士三人とか。容赦なさ過ぎでしょ…」
カチャッと腰の後ろから短剣を1本引き抜くと、彼らの戸惑いをさらに煽る。
「まだ子供じゃないか…」
「ギルドマスターが推薦したって事は冒険者か?」
ざわめく騎士達の声に心配が滲む。
パンッ!
アデルが手を叩いた。
「さあ、始めろ!面白いモン見せてくれよ子猫ちゃん!」
腹の底から愉快だという笑顔の彼に正直ムカついた。
私の実力に期待してるのかしてないのか、分からない態度に何かすごい腹立つけど、仕方ない…これも仕事か。
騎士Aが地面を蹴り砂埃が舞うとその動きに合わせ、他の二人も駆け出す。
腹部を狙う剣が迫る刹那、体格のいい騎士の剣をまともに受けたら私の細ーい手首が折れるので短剣を滑らせて軌道を逸らす。
火花が散り、青白い雷光がほとばしると騎士Aの身体が感電による衝撃で硬直すると後ろに倒れた。
実は短剣にこっそり雷属性を付与していた。
「マジごめん。甲冑が邪魔だったからさ?金属って電気通すじゃん?」
騎士BとCが慌てて距離を取る。
「属性付与!?この小娘、付与師か!」
観戦している兵士たちの視線が突き刺さる。
目の前の騎士たちは光をまとい、慌てて魔法防御を展開した。
——いや、全然。ただの冒険者です。基礎さえ押さえれば難しくないんだけどな…
まぁ、騎士からしたら日々の鍛錬で精一杯なのかなぁ。
…ま!私には関係ないけどね!
短剣を軽く回して構え直す。
再び襲い掛かってくる二人に向け、私は小さく息を吐いた。
背後でアデルさんの楽しそうな笑い声が聞こえる。
魔法攻撃は効きにくくなった、なら物理で押す!
腰のホルスターから銃を抜き放ち、二人の間を素早く駆け抜けながら引き金を引きゴツい兜めがけて弾丸を数発撃ち込んだ。
——ガンガンガンッ!
「くっ、小賢しい!」
銃痕が残る兜を脱ぎ捨てる騎士Bの手に容赦なく銃弾を撃ち込んだ!
──チャンスは逃さない。
周りの冷ややかな視線なんて気にしないよ!だって私、騎士じゃないし!
「……!?いくらなんでも流石に…」
横目で騎士Cがドン引きしているのを確認。
……隙あり。
パンッ!
すかさず腕を撃ち抜くと剣を落とした。
「これで満足ですか?」
振り返りながら声を掛けた。
しんと静まり返った静寂を切り裂いたのは、アデルの朗々たる笑い声だった。
「あっははは!実戦形式とは言ったが容赦ねぇな!子猫ちゃん!」
いや、アデルさん…貴方の笑い声で更に周りの騎士が引いてるんだけど…
「ははっ!いいな!見た目は子猫、牙は猛獣だ!」
彼は前髪をかきあげると楽しげに歩み寄り、ひょいと私の肩へ手を置く。
「合格だ…よくやったな」
軽い口調に油断しかけたとき、彼の真紅の瞳が射抜くように私を見据えた。
「ついでに、ひとつ秘密を教えてやる。俺の名はアデル・グラムレスト。この国の第一王子だ」
あっけなく告げられ、間抜けな声が漏れる。
「……は?アデルさんが…王子??」
次の瞬間、訓練所にいた騎士たちが一斉に背筋を伸ばし、敬礼を捧げる。
「殿下……!」
ざわめきの中、騎士団長だけが額に手を当てて深い溜め息をついた。
「他所の兵士が驚くので、事前に一言いただければよろしかったものを…」
「あんま気にすんなよ。ここは城内で俺は王子、俺を知らない奴のが珍しいだろ?」
アデルは片手をひらひらさせ、気楽に笑う。
「ちょっと面白い子を見つけたから、つい試したくなっただけさ」
「試した…?いや、それより。最初に王族だって言ってくれれば良かったじゃないですか。」
私が呆れ半分に問い返すと、彼は白い歯を見せにやりと笑った。
「言ったろ?お前の実力をこの目で見て確かめたいって。それに、初めから王族なんてバラしたら…大抵ビビるだろ?そんな事より…」
一歩、距離を詰める。
「近いうちに大規模な討伐作戦を仕掛ける。魔族まで絡んでる厄介な話だ」
その声音だけは、冗談を一切交えない鋭さがあった。
「……子猫ちゃん、俺と一緒に暴れてみないか?」
胸の奥が高鳴るのを、自分でも止められなかった。
こうして私は、アデルに導かれるように次なる物語へ──
シルメリアとの出会いへと足を踏み入れることになったのだった。
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